5.1.5  古レールの刻印の調査 (中国〜九州地域のJR)

1st wrote at 1999.10.08 / Last updated at 2004.09.24

 駅・路線ごとの古レール確認リストのうち、JR西日本(の中国地方),JR四国,JR九州沿線のものです。

 JR駅のうち、大きな分岐点駅には古レールが大量に使われ、ホーム全体を覆う様な大規模なホーム上屋が見られたようです。しかし、これらの駅のほとんどは高架化が進行しており、古レールとともに失われつつあります。
 その他のJR駅についても、古レールを再利用した小規模なホーム上屋が見られることがあります。これについても、駅の橋上駅舎化の際にH形鋼製のものに更新されてしまう(当然古レール利用の跨線橋も消滅する)ことが多く、近年の橋上駅舎化の流れに添って古レールが失われています。
 このように、JR駅のホーム上屋に見られる古レールはかなりの勢いで失われていっており、緊急的な調査が必要な分野となっています。ただし、元の絶対数が多いため、悲観的に成りすぎる必要はないとも思っています。
 
 ここにあるものは、主観を排除するため、現地で判読できた文字列をそのまま記載してあります。従って、間違いや抜けがあるまま載せている可能性がありますので、ご理解とご注意の程よろしくお願いします。 
 順番は、県別(県番号順)に駅・路線を並べ、以下に製造元名のABC順としています。

路線(50音順)


(pref.33) 山陽本線(岡山県内)

 山陽本線の岡山県内区間の駅ホーム上屋の古レールです。金光〜福山(広島県)間を調査しています。このうち、金光駅笠岡駅では双頭レール使用のホーム上屋が見られます。これらの駅では双頭レール以外にも多数の古レールが見られましたので、項を独立させました。
 岡山駅には山陽鉄道発注を中心として大量の古レールが見られるようですが、膨大なので調査は挫折しています。駅の橋上化の計画もあるようなので、早めの調査が必要です。
 橋上駅舎化されている倉敷駅では、2,3番乗り場(山陽上り)のホームの上屋に古レールの支柱が3セットでしたが残っていました。
 その他では、鴨方,大門(広島県)でホーム上屋ほかに古レールを確認しています。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(K) 37 (丸Sマーク) 1934    IIII   OH
(K) (丸Sマーク)  75  A  1918  IX 2,3番のりば

【凡例:(K) 倉敷】


(pref.33) 金光(山陽本線)

 金光駅では下り線ホーム(2,3番のりば)中央部は双頭レールばかりでできたホーム上屋となっています。しかしながら、塗装がレールの形状が変わるほど非常に厚く、これらの刻印は全く読めませんでした。近隣の笠岡駅にも双頭レール使用のホーム上屋があり、こちらからは日本最初の営業鉄道の新橋−横浜間で使われた DARLINGTON 製双頭レールが見つかっており、同様のものが含まれている可能性が大です。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(2) BV&COLD 1897  CTK 神戸方はこればかり。
(K) BV&COLD 1896  CTK 2,3番のりば跨線橋
(2) COCKERILL-XII-1923-60LBS-ASCE-IJGR
(2) 工IGRR△PROVIDENCE 60LBS A S C E TB II 1925 ← 2番のりば
(2) R △ X 1923 60LBS ASCE IJGR 2番のりば。LBS中段小文字
(2) R △ 60LBS A.S.C.E. I.J.G.R.X 1923 2番のりば
(1) 60-A.S. B.S.CO STEELTON  IIIIIIIII 1923 OH IGR
(1) THYSSEN  1923   60 LbS   ASCE  IJGR
(2),(K) H-WENDEL VIII 24 60LBS ASCE TB IJGR ←
(2) 30.A.(丸Sマーク).1948.IIIIIII OH
(2) 30 (丸Sマーク) 1938 IIIIIIIIIIII OH
(2) 30 (丸Sマーク) 1938 IIIIIII OH
(2) 30 (丸Sマーク) 1937 IIIIIIIIII OH
(1) 30 (丸Sマーク) 1935  I  OH
(1) 30 (丸Sマーク) 1934  II  OH
(1) 30 (丸Sマーク) 1933 IIIIIII OH 8月製も有り。
(2) (丸Sマーク)  30  A  1930  IIII 3,4番のりば?
(2),(K) (丸Sマーク)  30  A  1930  III 跨線橋支柱,3,4番のりば?
(1) (丸Sマーク)  30  A  1929  IIIIIIIIII
(2) (丸Sマーク)  60  A  1927  II
(2) (丸Sマーク)  60  A  1925
(2) (丸Sマーク)  60  A  1922
(2) (丸Sマーク)   60   A    1918   XII 2番のりば。不明瞭。
裏面文字見当らず
(1) (丸Sマーク) NO 60 A   1912    XII 駅舎支柱,裏面確認不可
(1) (丸Sマーク) NO60A   1908    V 3月製らしきものもあり。
裏面「工」マーク
(1) (丸Sマーク) NO60B   1902 裏面「工」マーク

【凡例:(1) 1番のりばホーム上屋 (2) 2,3番のりばホーム上屋 (K) 跨線橋】

写真:山形ホーム上屋@金光駅
金光駅:双頭レール利用のホーム上屋

(pref.33) 笠岡(山陽本線)

 笠岡駅では下り線ホーム(2,3番のりば)の中央部が双頭レールばかりでできたホーム上屋となっています。刻印は不明瞭なものが多いですが、いくつか判読可能なものがあります。1872年開通の新橋−横浜間で使われたと思われる1870年製レールのほか、1874年開通の大阪−神戸間(新橋−横浜間の可能性もあり)で使われたと思われる1873年製レールも見られました。
 古レールは DARLINGTON 製双頭レール以外にも、初期の英国製レールが多数見られたのが特徴的で、その発注者も官鉄のほか、山陽鉄道(STK/X\),中国鉄道(CTK)大阪鉄道(OTK)を見ることができました。BARROW は2番のりばホーム上屋にも見られましたが、不明瞭で全体がはっきりしないものでした。
 なお、山陽鉄道独自の70ポンドレールらしきレールも跨線橋の周囲に見られましたが、これは刻印も読めず詳細は不明です。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(K) BARROW STEEL 9/1890 SE?166 S T K 全体に不明瞭
(K) BARROW STEEL X Mo 1889  166 S. T. K.
(K) BARROW STEEL ??? 1887 166  S. T. K. "???"−?→"9MO"
(1) BV&COLD 1897  CTK 1番線に多い。
(K) CAMMELLS TOUGHENED STEEL W 1889 SEC350 O T K 製造年不明瞭
(K) CAMMELLS TOUGHENED STEEL W 1888.O.T.K. SEC360 製造年不明瞭
(K) ??MMELLS ?OUGHEN?D ??EEL W 1888.SEC131 I.R.? 製造年不明瞭
(2) DARLING?ON ??ON Co LIMTD 73 IJR 双頭レール
(2) 【穴】INGTON IRON Co 70 ?GJ? 双頭レール
(2) +?ARLINGTO? ???N Co 70 IG?? 双頭レール
(K) ASCE    ???  O  ????NOIS  G  IIII 【不明瞭】 不明瞭
(1) /X\  6007  ILLINOIS STEEL Co S??U?? 【遮蔽】1900 下関方
(1) 6009 ILLINOIS ST【不明瞭】Co SOUTH WKS【穴】 1898  IRJ 下関方
(1) OH TENNESSEE 7540 ASCE-1-1924   工
(K) OH TEN???SEE 7540 ASCE 11 1923   工
(1) UNION 1903.I.R.J.
(K) (丸Sマーク)   60   A   1927   II
(K) (丸Sマーク)   75   A   1926
(1) (丸Sマーク)  NO60B    1907    VII 裏面「工」

【凡例:(1) 1番のりばホーム上屋 (2) 2,3番のりばホーム上屋 (K) 跨線橋】

写真:山形ホーム上屋@笠岡駅
笠岡駅:双頭レール利用のホーム上屋

(pref.35) 新山口(山陽本線,山口線,宇部線)

 新山口駅は、2003年10月に小郡駅から改称されました。
 新山口駅では、宇部線用ホームを除く全ホームのホーム上屋に古レールが見られます。また、小荷物輸送に使われた *1)エレベータや専用跨線橋の支柱にも古レールが使われています。
 4, 5番のりばを中心に STEELTON の美品が多数見れました。TENNESSEE は近隣の山陽本線宇部線沿線に見られるものと、製造年月が一致しているものが見られました。
*1) 小荷物輸送でホーム間を移動させる設備の総称として「テルハ」と呼ばれることもあります。本来のテルファ−形クレーンは上下+横移動が可能なものの名称と理解していますので、新山口の場合はテルハと読んでいいかどうかは理解できてません。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(3) COLORADO SEC /53 IXI II 1915 OH ("SEC 753" ?)
("IXI II" or "NTI")
(5),(7) 60-A.S.B.S.CO STEELTON IIIIIIIII 1923 O.H.I.G.R.
(1) 75 A BSCO. 工 STEELTON IIIII 1919 OH 75LBS ASCE
(G) OH TENNESSEE 6040 ASCE 7 1924 "-" 不明
(7) OH TENNESSEE-7540-ASCE-1 1922  工 跨線橋
(7) OH TENNESSEE 7540 ASCE 12 1921  工
(G) 50.P.S.(丸Sマーク).1950. IIIIII OH.
(7) 3? (丸Sマーク)  2604  IIIIIIIIIII OH
(7) 37 (丸Sマーク) 1939  IIIIIIIIIII OH 跨線橋
(G) (丸Sマーク) 37 A 1930 IIIIIII ?? (7)に2月製もあり
(7) (丸Sマーク)   75   A   1923
(G) (丸Sマーク) NO 60 A 1913 VII 裏面に"工"認められない
(7) (丸Sマーク)  NO 75 A   1912   XII 裏面「工」
(7) (丸Sマーク)  NO75A    1907    XII 裏面「工」。跨線橋支柱

【凡例:(1) 0,1番のりば (3) 2,3番のりば (5) 4,5番のりば (7) 6,7番のりば
    (G) 記録忘れ】

写真:山形ホーム上屋@小郡駅
新山口駅:ホーム上屋とエレベータ周りの支柱
     に古レールが利用されている。

(pref.35) 宇部(山陽本線,宇部線)

 宇部駅では、ホーム上屋と跨線橋に古レールが見られました。
 このうち、跨線橋には山陽鉄道発注と思われるレールがいくつか見られました。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(3) BARROW STEEL XMo 1889  166 S T K 跨線橋
(5) BARROW STEEL 9 Mo 1??? 166 S T K 1888年製?。跨線橋
(5) ?????W ?TEEL 7 Mo 1888 1?? ? ? ? 跨線橋
(3) CAMMELLS STEEL W 1895 S. T. K. SEC 131 跨線橋
(3) CARNEGIE  1907  E T  IIIIIII        S  T  K 跨線橋
(1) 30.A.(丸Sマーク)  1955. IIIII OH
(3) 3? (丸Sマーク)  2605  IIII OH 跨線橋
(1) 30 A.(丸Sマーク) 2602  IIIIIIIIIIII.O.H 跨線橋
(3) 30 (丸Sマーク) 1938    III   OH
(3) 30 (丸Sマーク) 1935 III OH
(3) 30 (丸Sマーク) 1934 IIII OH
(3) 30 (丸Sマーク) 1933  IIIIIIIIIII OH
(5) (丸Sマーク) 30 A 1930 IIIIIIIII
(3) (丸Sマーク)  30  A  1929  IIIIII
(5) (丸Sマーク) NO60A 1911 VII 裏面確認忘れ。
(1) (丸Sマーク) NO60A 1908 II 裏面「工」。跨線橋

【凡例:(1) 0,1番のりば (3) 3,4番のりば (5) 5,6番のりば】


(pref.35) 山陽本線(山口県内)

 新山口より西の山陽線の各駅には、新下関駅を除く各駅に古レール利用のホーム上屋や跨線橋が見られます。このうち、新山口〜厚狭の各駅で古レールを調査済みです。なお、宇部下関は別項に紹介します。
 嘉川駅は特に大きな駅ではありませんが、意外と多数の古レールが見られ、1番線ホーム上屋と一体となった駅舎の柱も古レールでしたが、2,3番線は不明瞭なものばかりでした。厚東駅も、本数が少ない上に塗装が厚く、刻印は一つも読めませんでした。小野田駅でも、塗装が厚いものが多く、刻印が読めるものは小数でした。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(K) ??????IE 190?  E T   IIIIIIII 1907?。かなり不明瞭
(O) CARNEGIE 98 IIIIIIII S.T.K 1896年製?。5,6番のりば
(K) 60-A.S B S CO STEELTON  IIIIIIII  1923  O H I G R 1番線。これが多い。
(A) OH TENNESSEE 6040 ASCE 1 1924 工なし。 5,6番のりば
(O) OH TENNESSEE 6040 ASCE 12 1923 工なし。 1番,5,6番のりば
(O) OH TENNESSEE 7540 ASCE 10 1921   工 3,4番のりば跨線橋 
(O) UNION 1902.I.R.J.
(K) 37.(丸Sマーク) 2605.  II.  OH 側線敷設レール
(H) 30 A (丸Sマーク) 260?   I  OH 260? -?-> 2604。2,3番線
(A) 30 A (丸Sマーク) 2603  I   OH 5,6番のりば跨線橋
(A) 30 A (丸Sマーク) 1940 IIIIIIIIIIII  OH 1番のりば (12)
(K) 30 A  (丸Sマーク)  1940  IIIIII  OH 駅舎支柱
(A) 30 (丸Sマーク) 1939 IIIIIIII  OH 5,6番のりば。10月製もあり
(K) (丸Sマーク)   60   A    1929   IIIIIII 1番線。60A -??-> 30A
(K) (丸Sマーク)   60   A    1928   III 1番線
(A),(K) (丸Sマーク)  60  A   1927  IIIIIIIIII 駅舎支柱。9月製もあり
(K) (丸Sマーク) 60 A  1919  ?? 裏面「工」。 1番線
(K) (丸Sマーク)  NO  60 A   1912  V 裏面「工」。 1番線
(K) (丸Sマーク)  NO  60 A   1911   IX 裏面「工」。 1番線
(A) (丸Sマーク)   NO60A   1908   IV 裏面見当らず。 5,6番のりば跨線橋

【凡例:(A) 厚狭 (O) 小野田 (H) 本由良 (K) 嘉川】

写真:片持式ホーム上屋@厚狭駅
厚狭駅:1番のりばの上屋。柵がありこの部分
    は調査できなかった。

(pref.35) 下関駅(山陽本線)

 下関駅では3本のホームのうち、2本のホーム(5,6番ホーム,8,9番ホーム)の上屋に古レールが使用されています。
 希少的なレールもいくつか見られましたが、海に近いこともあってか、レール表面の錆が多く、保存状態は不良で、刻印は読めないか不明瞭なものが大半でした。
 なお下関駅では、架線柱にも古レールが利用されたものが見られました。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(5) BV & CO LD 1902 I ? R かなり不明瞭。
(6) CA?M?LS TOUGHENEDST??L V 188? K. T. K. SEC361 不明瞭
(5) CAMMELL SH??????ED TOUGH???? STE??  1885  P  IRJ
(6) CARNEGIE   1907   E T   I   【横向きI】  I  R  J
(smnsk) CARNEGIE 1906 ET IIIII 工
(9) CARNEGIE 190? ET IIIIII 工
(9) CARNEGIE 1900 ET IIIIIII 末尾不明。
(9)に5月製
(6) ???? ILLINOIS ST??L Co SOUTH WKS  ?   1898   HANKAKU
(9) ?ARYLAND III 1900
(6) MOSS BAY ?T??L ?894 S?? ??6 かなり不明瞭
(5),(6),(8) UNION.07.工 60ポンド2種
(5) UNION 1886 N T K 60ポンド1種
(8) 30 (丸Sマーク) 1937  IIIIIIIIII  OH
(6) 30 (丸Sマーク) 1933  IIIIIIIIII OH
(8) (丸Sマーク)   30   A   1930   III (8)に10月製もあり
(8) (丸Sマーク)   60   A   1924
(5),(8) (丸Sマーク)   60   A   1923
(6) (丸Sマーク) NO 60 A   1914   III
(6),(8) (丸Sマーク) NO 60 A  1911  【不明瞭】
(8) (丸Sマーク) NO 60 A   1911   IX 裏面不明瞭
(8) (丸Sマーク) NO 60 A  1908  V 裏面不明瞭

【凡例:() 内は、各のりば番号】

写真:山形ホーム上屋@下関駅
下関駅:ホーム上屋と架線柱に古レール利用

(pref.35) 宇部・小野田線(山口県)

 宇部線・小野田線の各駅で見られる古レールは、完集できています。
 宇部新川駅では、ホーム上屋の古レールは塗装が厚く、判読不明なものがほとんどでしたが、跨線橋に用いられているものは、比較的奇麗でした。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(M) CARNEGIE    1912    E T  IIIIIIIII     50   A
(U) COCKERILL XII 1923-60LBS-ASCE-IJGR 跨線橋
(M) G H H【以下不明瞭】 全体に不明瞭
(M)       H1914 II 50lbs "lbs" は筆記体
(U) 60-A.S.B.S.CO STEELTON IIIIIIIII 1923 O.H.I.G.R.
(N),(W),(F) OH TENNESSEE-6040-ASCE-12-1923 「工」なし。
(U) OH TENNE?SEE 6040 ASCE ? 1923
(N) OH TENNESSEE 6040 ASCE 1 1922   工
(U) OH TENNESSEE-7540-ASCE-1 1922   工 跨線橋
(U) UNION 1903.I.R.J.
(U) 30 (丸Sマーク) 1938  III  OH
(U) (丸Sマーク)   75   A   1923 跨線橋
(N) (丸Sマーク)   60   A   1919   VIII 裏面確認不可
(U) (丸Sマーク) NO 60 A 1912 ?? 裏面に「工」。 跨線橋。
VI月やIII月と読める
ものがあるが不明瞭

【凡例:(N) 居能,(U) 宇部新川,(M)丸尾,(W) 岩倉,(F)深溝】

写真:跨線橋など@宇部新川駅
宇部新川駅:跨線橋など

(pref.37) 予讃線(香川県内)

 香川県内の予讃線では、箕浦〜宇多津間の以下の各駅で、古レールの有無を確認しています。なお、下線付きが調査済みの駅です。
観音寺本山比地大高瀬,多度津(構内の給水塔の基礎部分のみ)
 観音寺駅では1,2番のりば(3番のりばは新設されたホーム)のホーム上屋の支柱・梁に古レールが見られました。
 本山駅,高瀬駅でもホーム上屋の支柱等に古レールが使われていました。うち本山駅では、下のものの他に官営八幡製鉄所の1930年頃のものと思われるレールもありましたが、不明瞭でよくわかりませんでした。また、高瀬駅の古レールは刻印が全く読めませんでした。
 比地大駅では、待合室の支柱に古レールが使われていました。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(K) CARNEGIE    1907  E  T  IIIIIIII    【横向きI】     I  R  J
(H) (丸Sマーク) NO 60 A    191?   ?III 裏面確認不能
(M) (丸Sマーク) NO 60 A    1913   VIII 裏面工マーク
(M) (丸Sマーク) NO 60 A  1911  VIII 裏面確認不能。
(K) (丸Sマーク) NO60A   1908   V 裏面工マーク
(K) (丸Sマーク) NO60A   1908   IV 裏面工マーク
(K) (丸Sマーク) NO60A   19?8   IIII 裏面工マーク。製造月?
(K) (丸Sマーク) NO60A   1908   III 裏面工マーク

【凡例:(K) 観音寺 (M) 本山 (H) 比地大】

写真:山形ホーム上屋@観音寺駅
観音寺駅:ホーム上屋

(pref.37) 土讃線(香川県内)

 香川県内の予讃線では、多度津〜琴平間の以下の各駅で、古レールの有無を確認しています。調査は未着手です。
善通寺(跨線橋のみ),琴平(跨線橋のみ ?)
 善通寺駅は、駅の裏側から眺めただけですが、跨線橋の支柱に BARROW STEEL の文字を確認しています。

(pref.40) 小倉駅(鹿児島本線)

 小倉都市モノレールの乗り入れなどで大改造された小倉駅ですが門司港方のホーム上屋に古レールが見られました。G.H.H.博多湾鉄道発注,KRUPP九州鉄道発注ではないかと思われます。なお、KRUPPは60ポンドASCE60ポンド第3種)に類似した断面でしたが、発注者が九州鉄道であることから、60ポンド第7種の可能性が高いでしょう。
 調査時、時間の余裕が無かったので、確認したのりばの番線に関しては混乱が認められるようですので、ご注意下さい(再確認に行ったものの、これまた時間の余裕なく確認しきれず)。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(7) DOWLAISSTEEL 1900 IRJ 60ポンド第2種
(5) G. H. H. 1903 H.T.K. 60ポンド第2種
(7) KRUPP 1903 II K T K 60ポンドASCE→第7種
(3) OH TENN?SSEE 6040 ASCE 1 1923  工
(1) OH TENNESEE-6040-ASCE-3-1922   工 (3),(5)に同銘でやや不明瞭なものあり
(3) H-WENDEL-VI-24   (裏面) ASCE-6040-TB
(7) 30 (丸Sマーク) 1955 IIIIIIIIII OH "30 A ..." のはず
(3) 30  A  (丸Sマーク)  2607 IIIIII OH
(3) 30.(丸Sマーク) 1933  IIIIIIIIIII OH (7)にもあり ?
(3) 30  (丸Sマーク)  1932  IIIIII  OH
(1) (丸Sマーク)  30  A  1931  IIIIIIIIII (7)には3月製もあり
(7) (丸Sマーク)  30  A  1930  I
(3) (丸Sマーク)  30  A  19?9  IIIIII 1929 or 1939。3,4番線
(3) (丸Sマーク)  60  A  1928  IIIIIIIIII (7)には7月製。(5)には1月製もあり
(3) (丸Sマーク)  ?0  A  192   III 192の後ろの文字無しエラー刻印
(7) (丸Sマーク)  60  A  1925
(3) (丸Sマーク)  60  A   1924
(1) (丸Sマーク)  60  A  1923
(1)            ?  60  A  1922
(5) (丸Sマーク) 60 A  1920  IX (5)に8月製。(1)には3月製もあり
(1) (丸Sマーク) NO 60 A  1916  I
(3) (丸Sマーク) NO 60 A  1910 IV 裏面確認できず

【凡例:(1) 1,2番のりば (3) 3,4番のりば (5) 5,6番のりば (7) 7,8番のりば】

写真:Y形ホーム上屋@小倉駅
小倉駅:5,6番のりばのホーム上屋

(pref.40) 鹿児島本線(福岡県内)

 博多以南の福岡県内の鹿児島本線では、
原田駅鳥栖方(跨線人道橋),原田,原田−天拝山(跨線人道橋),
水城(跨線橋),大野城(?),竹下(跨線橋)
の各駅施設等にに古レールを確認しています。調査は未実施です。

(pref.41) 鹿児島本線(佐賀県内)

 佐賀県内の鹿児島本線では、
鳥栖,田代,基山
の各駅施設に古レールを確認しています(肥前旭は未確認)。調査は未実施です。

(pref.41) 長崎本線(佐賀県内)

 佐賀県内の長崎本線(肥前山口以東)では、
肥前山口,牛津,久保田,中原
の各駅施設に古レールが見られ、肥前山口−久保田間の各駅の古レールを調査しています。
 唐津線との分岐駅の久保田駅では、駅構内の跨線橋に古レールが利用されていました。牛津駅では待合室の支柱に古レールが利用されており、刻印が読めたのは1本だけでしたが、部分的に確認できる範囲では八幡製鉄所系の古レールが多いようです。佐世保線との分岐駅として有名な肥前山口駅では、ホーム上屋に多数の古レールが見れました。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(Y) KRUPP 1902 XII K.T.K. 2番線,不明瞭
(K) 【切断】6040 ASCE 3 1922   工 1番線側
(U) 30 A (丸Sマーク) 2602 IIIIIIIIIIII OH
(K) ??? (丸Sマーク) 260? IIIIIIIIIII OH ???→30A,260?→2602と見える。1番線側
(Y) 37 (丸Sマーク) 1934  III  OH 駅近くの境界柵
(K) 37 (丸Sマーク) 1933 IIIIII OH 2,3番線側
(K) 37 (丸Sマーク) 1933 IIIII OH 1番線側
(K) 37 (丸Sマーク) 1932 IIIIIIIIIIII OH 2,3番線側
(K) 37 (丸Sマーク) 1932 IIIIIIII OH 1番線側
(K) (丸Sマーク)  37  A  1930  IIIIIIIIIII 2,3番線側
(K) (丸Sマーク)  37  A  1930  III 2,3番線側
(K) (丸Sマーク)  37  A  1930  I 2,3番線側
(Y) (丸Sマーク)   60   A   1929   IIIII 2番線,重量表示要再チェック
(Y) (丸Sマーク)   60   A   1928   IIIIIII 1番線
(Y) (丸Sマーク)   60   A   1927   IIII 2番線
(K) (丸Sマーク)  60  A  19?1   IV 裏面マーク確認できず。2,3番線側
(Y) (丸Sマーク) NO 60 A  1915  VII 裏面工マーク確認できず(錆)。3番線
(Y) (丸Sマーク) NO 60 A  1913  X 裏面確認不可。2番線
(K) (丸Sマーク) NO  60 A   1910  XI 裏面マーク確認不能。1番線側
(Y) (丸Sマーク)  NO60A  1908  ? 裏面工マーク確認できず。1番線

【凡例:(Y) 肥前山口 (U) 牛津 (K) 久保田】

写真:山形ホーム上屋@肥前山口駅
肥前山口駅:2,3番のりばのホーム上屋

(pref.41) 佐世保線(佐賀県内)

 佐賀県内の佐世保線の各駅で見た古レールです。有田−大町間の全駅の古レールを調査しています。ただし、長尾駅でプラットホーム基礎に古レールが多数利用されているのを確認していますが、これは未調査です。
 古レールは、有田駅と大町駅で見られました。ともに跨線橋と荷物上屋に使われていましたが、荷物上屋はどちらも錆がひどく、刻印が判読できるものはわずかでした。有田駅の跨線橋からは、多数の CAMMELL が見られましたが、発注者名の組み合せと SEC 番号などから、関西鉄道(K.T.K.)大阪鉄道(O.T.K.)発注のものであると判断されます。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(A) 【不明瞭】NEDSTEEL.W.1890.K.T.K. SEC351
(A) CAMMELL・S TOUGHENEDSTEEL.W.1889.K.T.K. SEC351
(A) CAMMELL・S TOUGHENEDSTEEL.W.1889.SEC350 O T K
(A) CAMMELL・S TOUGHENEDSTEEL W 1888.SEC 131 I R J
(A) CAMMELL SHEFFIELDTOUGHENEDSTEEL ? 1887.SEC 131.I.R.J
(O) CARNEGIE 1900 ET  IIIII  工 これが多い
(O) CARNEGIE  96  IIIIIIII  S T K これも比較的多い
(A) DOWLA??STEEL 1900 IRJ
(O) 6009 ???INOIS STEELCo SOUTH W??  XII  1900  I R G  IRG −?→ IRJ
(A) 【不明瞭】(丸Sマーク)  2602  IIIIIIIII  OH 下り線の荷物?上屋支柱
(A) 30 (丸Sマーク) 1936  II  OH
(O) (丸Sマーク)  30  A  1929  IIII 3月製もあり
(O) (丸Sマーク)  NO 60 A    1914   VIII 裏面「工」。荷物上屋支柱
(O) (丸Sマーク) NO  60  A    1913   IX 荷物上屋支柱
(O) (丸Sマーク) NO60A    1907   ? 裏面「工」。跨線橋の梁

【凡例:(A) 有田 (O) 大町】


(pref.42) 佐世保線(長崎県内)

 長崎県内の佐世保線の各駅で見た古レールです。
 現在のところ、三河内駅の待合室の支柱に使われている古レールのみ調査済みです。その他は、早岐駅のホーム上屋の一部と跨線橋に古レールが利用されているのを確認しています。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(M) 6009 ILLINOIS STEELCo SOUTH WKS  II  190?  I R J
(M) 30 (丸Sマーク) 1933  IIIIIIIIIII OH
(M) (丸Sマーク)  30  A  1930  I 不明瞭
(M) (丸Sマーク)  60  A  1928  II
(M) (丸Sマーク) NO60B   1902 裏面確認不可

【凡例:(M) 三河内】


(pref.44) 久大本線(大分県内)

 久大本線ですが、ホーム上屋自体が無い駅が多く、駅施設に古レールはほとんど見られません。そのため、福岡県内となる「うきは駅」も都合上、リストに入れています。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(H) ?44 MARYLAND  III  190? 60ポンドASCE
(H) OH TENNESSEE-7540-ASCE-12-1921  工
(H) 30 (丸Sマーク) 1955  IIIIIIIIII OH
(H) 37 (丸Sマーク) 1950  IIIIIIIIIIII  OH
(H) 30 (丸Sマーク) 1935  IIIIIIIIIII  OH 7月製もあり
(U),(H) 30 (丸Sマーク) 1933  III  OH 11月製もあり
(H) (丸Sマーク)   60  A   1928  IIII
(H) (丸Sマーク)  60  A  1928  II
(H) (丸Sマーク)  ??  A  1922 12〜15kgレール。底面幅75mm程度
(H) (丸Sマーク) NO 60 A    1911  I

【凡例:(U) うきは (H) 日田】

写真:笠形ホーム上屋@日田駅
日田駅:1番のりばのホーム上屋

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