5.1.5 古レールの刻印の調査 (中国〜九州地域のJR)1st wrote at 1999.10.08 / Last updated at 2004.09.24
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駅・路線ごとの古レール確認リストのうち、JR西日本(の中国地方),JR四国,JR九州沿線のものです。
JR駅のうち、大きな分岐点駅には古レールが大量に使われ、ホーム全体を覆う様な大規模なホーム上屋が見られたようです。しかし、これらの駅のほとんどは高架化が進行しており、古レールとともに失われつつあります。
路線(50音順) |
(pref.33) 山陽本線(岡山県内)山陽本線の岡山県内区間の駅ホーム上屋の古レールです。金光〜福山(広島県)間を調査しています。このうち、金光駅と笠岡駅では双頭レール使用のホーム上屋が見られます。これらの駅では双頭レール以外にも多数の古レールが見られましたので、項を独立させました。岡山駅には山陽鉄道発注を中心として大量の古レールが見られるようですが、膨大なので調査は挫折しています。駅の橋上化の計画もあるようなので、早めの調査が必要です。 橋上駅舎化されている倉敷駅では、2,3番乗り場(山陽上り)のホームの上屋に古レールの支柱が3セットでしたが残っていました。 その他では、鴨方,大門(広島県)でホーム上屋ほかに古レールを確認しています。 |
【凡例:(K) 倉敷】 |
(pref.33) 金光(山陽本線)金光駅では下り線ホーム(2,3番のりば)中央部は双頭レールばかりでできたホーム上屋となっています。しかしながら、塗装がレールの形状が変わるほど非常に厚く、これらの刻印は全く読めませんでした。近隣の笠岡駅にも双頭レール使用のホーム上屋があり、こちらからは日本最初の営業鉄道の新橋−横浜間で使われた DARLINGTON 製双頭レールが見つかっており、同様のものが含まれている可能性が大です。 |
金光駅:双頭レール利用のホーム上屋 |
(pref.33) 笠岡(山陽本線)笠岡駅では下り線ホーム(2,3番のりば)の中央部が双頭レールばかりでできたホーム上屋となっています。刻印は不明瞭なものが多いですが、いくつか判読可能なものがあります。1872年開通の新橋−横浜間で使われたと思われる1870年製レールのほか、1874年開通の大阪−神戸間(新橋−横浜間の可能性もあり)で使われたと思われる1873年製レールも見られました。古レールは DARLINGTON 製双頭レール以外にも、初期の英国製レールが多数見られたのが特徴的で、その発注者も官鉄のほか、山陽鉄道(STK,/X\),中国鉄道(CTK),大阪鉄道(OTK)を見ることができました。BARROW は2番のりばホーム上屋にも見られましたが、不明瞭で全体がはっきりしないものでした。 なお、山陽鉄道独自の70ポンドレールらしきレールも跨線橋の周囲に見られましたが、これは刻印も読めず詳細は不明です。 |
【凡例:(1) 1番のりばホーム上屋 (2) 2,3番のりばホーム上屋 (K) 跨線橋】 |
笠岡駅:双頭レール利用のホーム上屋 |
(pref.35) 新山口(山陽本線,山口線,宇部線)新山口駅は、2003年10月に小郡駅から改称されました。新山口駅では、宇部線用ホームを除く全ホームのホーム上屋に古レールが見られます。また、小荷物輸送に使われた *1)エレベータや専用跨線橋の支柱にも古レールが使われています。 4, 5番のりばを中心に STEELTON の美品が多数見れました。TENNESSEE は近隣の山陽本線や宇部線沿線に見られるものと、製造年月が一致しているものが見られました。 |
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【凡例:(1) 0,1番のりば (3) 2,3番のりば (5) 4,5番のりば (7) 6,7番のりば
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新山口駅:ホーム上屋とエレベータ周りの支柱
に古レールが利用されている。 |
(pref.35) 宇部(山陽本線,宇部線)宇部駅では、ホーム上屋と跨線橋に古レールが見られました。このうち、跨線橋には山陽鉄道発注と思われるレールがいくつか見られました。 |
【凡例:(1) 0,1番のりば (3) 3,4番のりば (5) 5,6番のりば】 |
(pref.35) 山陽本線(山口県内)新山口より西の山陽線の各駅には、新下関駅を除く各駅に古レール利用のホーム上屋や跨線橋が見られます。このうち、新山口〜厚狭の各駅で古レールを調査済みです。なお、宇部,下関は別項に紹介します。嘉川駅は特に大きな駅ではありませんが、意外と多数の古レールが見られ、1番線ホーム上屋と一体となった駅舎の柱も古レールでしたが、2,3番線は不明瞭なものばかりでした。厚東駅も、本数が少ない上に塗装が厚く、刻印は一つも読めませんでした。小野田駅でも、塗装が厚いものが多く、刻印が読めるものは小数でした。 |
【凡例:(A) 厚狭 (O) 小野田 (H) 本由良 (K) 嘉川】 |
厚狭駅:1番のりばの上屋。柵がありこの部分
は調査できなかった。 |
(pref.35) 下関駅(山陽本線)下関駅では3本のホームのうち、2本のホーム(5,6番ホーム,8,9番ホーム)の上屋に古レールが使用されています。希少的なレールもいくつか見られましたが、海に近いこともあってか、レール表面の錆が多く、保存状態は不良で、刻印は読めないか不明瞭なものが大半でした。 なお下関駅では、架線柱にも古レールが利用されたものが見られました。 |
【凡例:() 内は、各のりば番号】 |
下関駅:ホーム上屋と架線柱に古レール利用 |
(pref.35) 宇部・小野田線(山口県)宇部線・小野田線の各駅で見られる古レールは、完集できています。宇部新川駅では、ホーム上屋の古レールは塗装が厚く、判読不明なものがほとんどでしたが、跨線橋に用いられているものは、比較的奇麗でした。 |
【凡例:(N) 居能,(U) 宇部新川,(M)丸尾,(W) 岩倉,(F)深溝】 |
宇部新川駅:跨線橋など |
(pref.37) 予讃線(香川県内)香川県内の予讃線では、箕浦〜宇多津間の以下の各駅で、古レールの有無を確認しています。なお、下線付きが調査済みの駅です。観音寺,本山,比地大,高瀬,多度津(構内の給水塔の基礎部分のみ)観音寺駅では1,2番のりば(3番のりばは新設されたホーム)のホーム上屋の支柱・梁に古レールが見られました。 本山駅,高瀬駅でもホーム上屋の支柱等に古レールが使われていました。うち本山駅では、下のものの他に官営八幡製鉄所の1930年頃のものと思われるレールもありましたが、不明瞭でよくわかりませんでした。また、高瀬駅の古レールは刻印が全く読めませんでした。 比地大駅では、待合室の支柱に古レールが使われていました。 |
【凡例:(K) 観音寺 (M) 本山 (H) 比地大】 |
観音寺駅:ホーム上屋 |
(pref.37) 土讃線(香川県内)香川県内の予讃線では、多度津〜琴平間の以下の各駅で、古レールの有無を確認しています。調査は未着手です。善通寺(跨線橋のみ),琴平(跨線橋のみ ?)善通寺駅は、駅の裏側から眺めただけですが、跨線橋の支柱に BARROW STEEL の文字を確認しています。 |
(pref.40) 小倉駅(鹿児島本線)小倉都市モノレールの乗り入れなどで大改造された小倉駅ですが門司港方のホーム上屋に古レールが見られました。G.H.H.は博多湾鉄道発注,KRUPPは九州鉄道発注ではないかと思われます。なお、KRUPPは60ポンドASCE(60ポンド第3種)に類似した断面でしたが、発注者が九州鉄道であることから、60ポンド第7種の可能性が高いでしょう。調査時、時間の余裕が無かったので、確認したのりばの番線に関しては混乱が認められるようですので、ご注意下さい(再確認に行ったものの、これまた時間の余裕なく確認しきれず)。 |
【凡例:(1) 1,2番のりば (3) 3,4番のりば (5) 5,6番のりば (7) 7,8番のりば】 |
小倉駅:5,6番のりばのホーム上屋 |
(pref.40) 鹿児島本線(福岡県内)博多以南の福岡県内の鹿児島本線では、原田駅鳥栖方(跨線人道橋),原田,原田−天拝山(跨線人道橋),の各駅施設等にに古レールを確認しています。調査は未実施です。 |
(pref.41) 鹿児島本線(佐賀県内)佐賀県内の鹿児島本線では、鳥栖,田代,基山の各駅施設に古レールを確認しています(肥前旭は未確認)。調査は未実施です。 |
(pref.41) 長崎本線(佐賀県内)佐賀県内の長崎本線(肥前山口以東)では、肥前山口,牛津,久保田,中原の各駅施設に古レールが見られ、肥前山口−久保田間の各駅の古レールを調査しています。 唐津線との分岐駅の久保田駅では、駅構内の跨線橋に古レールが利用されていました。牛津駅では待合室の支柱に古レールが利用されており、刻印が読めたのは1本だけでしたが、部分的に確認できる範囲では八幡製鉄所系の古レールが多いようです。佐世保線との分岐駅として有名な肥前山口駅では、ホーム上屋に多数の古レールが見れました。 |
【凡例:(Y) 肥前山口 (U) 牛津 (K) 久保田】 |
肥前山口駅:2,3番のりばのホーム上屋 |
(pref.41) 佐世保線(佐賀県内)佐賀県内の佐世保線の各駅で見た古レールです。有田−大町間の全駅の古レールを調査しています。ただし、長尾駅でプラットホーム基礎に古レールが多数利用されているのを確認していますが、これは未調査です。古レールは、有田駅と大町駅で見られました。ともに跨線橋と荷物上屋に使われていましたが、荷物上屋はどちらも錆がひどく、刻印が判読できるものはわずかでした。有田駅の跨線橋からは、多数の CAMMELL が見られましたが、発注者名の組み合せと SEC 番号などから、関西鉄道(K.T.K.),大阪鉄道(O.T.K.)発注のものであると判断されます。 |
【凡例:(A) 有田 (O) 大町】 |
(pref.42) 佐世保線(長崎県内)長崎県内の佐世保線の各駅で見た古レールです。現在のところ、三河内駅の待合室の支柱に使われている古レールのみ調査済みです。その他は、早岐駅のホーム上屋の一部と跨線橋に古レールが利用されているのを確認しています。 |
【凡例:(M) 三河内】 |
(pref.44) 久大本線(大分県内)久大本線ですが、ホーム上屋自体が無い駅が多く、駅施設に古レールはほとんど見られません。そのため、福岡県内となる「うきは駅」も都合上、リストに入れています。 |
【凡例:(U) うきは (H) 日田】 |
日田駅:1番のりばのホーム上屋 |
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