5.2.3  古レールの刻印の調査 (東武・西武)

1st wrote at 1999.10.08 / Last update at 2004.11.03

 東武鉄道および西武鉄道の駅・路線ごとの古レール確認リストです。その他の民鉄に関しては、前節より前の「刻印の調査(民鉄)」「刻印の調査(在京大手民鉄)」にあります。 
 東武鉄道と西武鉄道は、古レールの再利用が盛んだったらしく、現在でも多数の古レールを駅ホーム上屋を中心に見ることができます。以下に両鉄道の各駅のホーム上屋を中心に見られた古レールをリストします。
 なお、東武鉄道のレールの変遷については、鉄道ピクトリアル増刊の東武特集『東武鉄道の古レール』に詳しく述べられています。また鉄道ピクトリアル増刊の西武特集には、『川越鉄道の初代レール』に西武山口線(ナロー時代)に敷設されていたレールの調査を通じて発見した川越鉄道のものと思われるレールについての報告があります。
 
 ここにあるものは、主観を排除するため、現地で判読できた文字列をそのまま記載してあります。従って、間違いや抜けがあるまま載せている可能性がありますので、ご理解とご注意の程よろしくお願いします。 
 順番は、県別(県番号順)に駅・路線を並べ、以下に製造元名のABC順としています。

路線(50音順) 


(pref.9) 東武佐野線

 東武佐野線の駅で確認した古レールです。
 佐野駅は、東武鉄道とJRの駅が併設されていますが、東武線の方のホームの上屋は、東武オリジナルなレールが見られることから、JR佐野駅とは別に扱いました。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(S) CARNEGIE  1897  ET  IIIIIIIII   TOBU 8月製も有り
(S) OH TENNESSEE 7540 ASCE 7 1923 東武側跨線橋
(S) (丸Sマーク)  37  A  1931  IIIIIIII
(S) (丸Sマーク)NO60A    1908    II 裏面工

【凡例: (S) 佐野】 


(pref.10) 東武伊勢崎線(群馬県内,伊勢崎〜川俣)

 東武伊勢崎線のうち、群馬県内(一部栃木県内の区間あり)の伊勢崎〜川俣間では、以下のリストの3駅にのみ古レールの利用が認められます。

 太田駅では、伊勢崎方の跨線橋には路面電車用の段付きレールのみで作られているものとして有名でしたが、駅の高架化により、2000年3月より使用停止ののち、撤去されました。浅草方の跨線橋は工事中も一部が共用されており、古レールを見ることが出来ました。また、南口駅舎(および元のホームへの通路)にも古レールが見られます。ここでは、TENESSEE の1923年7月製が多数を占めているようですが、不明瞭ながら官営八幡の1922〜1929年製と思われるレールも1本ありました。

刻 印 (読んだまま) 備 考
(T) CARNEGIE   E  T   U S A    1922    IIIIIIIIIII    6040 2番線
(T) CARNEGIE   1912   E T  I     60 A
(T) CARNEGIE   1907  ET  IIIIIIII   【横向きI】 2番線
(T) CARNEGIE   1907  ET  IIIIIII    【横向きI】 T T K 2番線。60ポンド第2種
(O) CARNEGIE   1906  ET  IIIIIIII 不明瞭
(T) CARNEGIE   1897  ET  IIIIIIIII   TOBU 2番線。60ポンドASCE
(O) M.C.P.-1903-2 段付きレール
(O) ??O?NIX R 190? 段付きレール。(190? → 1904)
(O) OH TENESSEE-7540-ASCE-7-1923
(O) OH TENESSEE-6040-ASCE-7-1922
(T) OH TENESSEE-6040-ASCE-7-1921 他にも不明瞭なもの幾つか
(I) OH TENNESSEE 7540-ASCE ? 192?
(I) ←37AS<角Sマーク>1964・IIIIIIIIIIII
(T) 37AS【不明瞭】1961 III
(O) 30 A (丸Sマーク) 2604 IIIIIIIIIIII OH
(T) 30 A (丸Sマーク) 2603   I   OH 1番線(切り欠きホーム)
(I),(O),(T) 37 (丸Sマーク) 1936  IIIIIIIIIII OH 館林では、4番線,1番線に多い。2番線にもあり。
(T) 37 (丸Sマーク) 1936  IIIIIIII  OH 2番線。他に6月製
(T) 30 (丸Sマーク) 1936  IIIIII  OH 2番線
(T) (丸Sマーク)  37  A  1931  IIIIIIII 3番線梁
(I),(T) (丸Sマーク)  37  A  1930  IIIIIIIIIIII 館林は番線不明
(I) (丸Sマーク)  37  A  1930  IIIIIIII
(T) (丸Sマーク)   37   A   1929  IIIIIIIII 2番線
(T) (丸Sマーク)   75   A   1929  IIIIIIII 2番線。どこかを読み間違いか?
(O),(T) (丸Sマーク)  75  A  1928  IIIIIIIIIII 館林では4番線(切り欠きホーム)
(T) (丸Sマーク)  75  A  1928  IIIIIII 3番線に多い。2番線にもあり
(I),(T) (丸Sマーク)   75   A   1928   III 館林では1番線。2番線に4月製もあり
(T) (丸Sマーク)  75  A  1927  IIIIIIIII 製造月不明瞭。3番線
(T) (丸Sマーク)   75   A   1927   III 1番線。他に4月,12月製
(T) (丸Sマーク)   75   A   1927   I I I 1番線(切り欠きホーム)
(O) (丸Sマーク)   75   A   1927【不明瞭】
(O) (丸Sマーク)    75    A    1926

【凡例: (I) 伊勢崎 (O) 太田 (T) 館林】 

写真:跨線橋@(東武)太田駅
太田駅:段付きレール使用の跨線橋

(pref.10) 東武桐生線・小泉線

 東武伊勢崎線の支線のうち、群馬県内の東武桐生線と東武小泉線では、これらの起点,終点となっている館林駅,太田駅を除けば、駅施設等での古レールの利用は確認していません。

(pref.11) 東武伊勢崎線(埼玉県内,羽生〜谷塚)

 東武伊勢崎線のうち、埼玉県内の羽生〜谷塚間では、
羽生(跨線人道橋),鷲宮,久喜,東武動物公園(跨線橋の一部?),北春日部,春日部(跨線橋のみ?),武里,せんげん台,大袋,
の各駅に古レールの利用が認められます。
 鷲宮は下り線側ホームの2,3番線のホーム上屋材の一部にのみ古レールが見られました。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(H) BV & CO LD 1902 IJR 自由通路跨線橋の支柱2,3番線(下り線)
(W) ←37A LD NKK 1970 IIIII
(K) ← 37AS OH<角Sマーク>1967・IIIIIIII
(W),(K) ←37AS<角Sマーク>1966・IIIIIIIIII
(K) ←37AS<角Sマーク>1965 II
(K) 37AS<角Sマーク>1963・IIIIIII
(K) 37AS<角Sマーク>1961・IIIIIIIIIIII
(W) 37AS<角Sマーク>1960・IIIIIIIII
(W) (丸Sマーク)   75   A   1928    II
(W),(K) (丸Sマーク)   75   A   1928      I
(W) (丸Sマーク)  75  A  1927  IIIIIIIIIIII
(W) (丸Sマーク)   75   A   1927   IIII I
(K) (丸Sマーク)    75    A    1926

【凡例: (H) 羽生 (W) 鷲宮 (K) 久喜】 

写真:跨線橋@羽生駅
羽生駅:古レール利用の
駅構内自由通路の跨線橋


(pref.11) 東武野田線(埼玉県内)

 北大宮駅では、ホーム上屋の梁が低く、梁のものも間近に見ることができました。塗装も薄く、はっきりした刻印が多かったです。なかでもカーネギー製は、東武鉄道発注を示す「TTK」「TOBU」の文字入りです。このうちTOBUの方は東武鉄道の初代レールのようです(『東武鉄道の古レール』より)。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(K) CARNEGIE  E  T  U S A   1922   IIIIIIIIIII    6040
(K) CARNEGIE  1?12  E T  I       60- A (1?12 → 1912)
(K) CARNEGIE  1907  E T   IIIIIII   【横向きI】   T T K
(K) CARNEGIE 1897 E T IIIIIIII TOBU
(K) 60-A.S. B.S.CO. STEELTON IIIIIIIII. 1920. O.H.
(O) ← 37AS <角Sマーク> 1964・III
(O) ← 37AS<角Sマーク>1963・IIIIIIIII
(O) 50PS <角Sマーク> 1961・IIIIII
(K) 30AS<角Sマーク>1957・II
(O) 37A.S <角Sマーク> 1956・IIIII
(N) 30 A (丸Sマーク) 1953 IIIIIIIII  OH
(K) 30 A (丸Sマーク) 1953 IIIIIIII 製造月以降不明瞭
(K) 30 (丸Sマーク) 1936 IIIIII OH
(K) 30 (丸Sマーク) 1935 IIIIIIIIIII OH
(W) (丸Sマーク)  75  A  1929  IIIIIIIIIII 間違い無く75A。
製造月は、2本目以降は不明瞭
(W) (丸Sマーク)  75  A  1929  IIII 製造月の部分は不明瞭
(N) (丸Sマーク).  30   A   1929.  II
(W) (丸Sマーク)  75  A  1929  I 最も多い
(W)           【切断】A 1928 IIIIIIIIIIII
(N) (丸Sマーク)   75   A   1928   IIIIII
(K) (丸Sマーク) 60 A 1927 IIIIIIII 製造月不明瞭
(W),(N) (丸Sマーク)  75  A  1927  IIII
(N) (丸Sマーク)   75   A   1926

【凡例: (N) 七里,(W) 大和田(跨線橋),(K) 北大宮,(O) 大宮】 

写真:Y形?ホーム上屋@北大宮駅
北大宮駅:古レール利用のホーム上屋


(pref.11) 東武越生線(埼玉県)

 東武越生線で確認した古レールです。越生駅はJR(八高線)の管理駅ですが、古レールが見られるのは東武線のホームの上屋だけです。その他では、古レールを確認しているのは、東上線との分岐駅の坂戸駅と東毛呂駅だけです。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(O),(M) CARNEGIE    1912    E T  I     60  A ともにホーム上屋の梁
(M) CARNEGIE   1906  E T 【以下不明瞭】 ホーム上家の支柱
(M) (丸Sマーク)  37  A  1932   II 不明瞭であったが、順序間違いなし

【凡例: (O) 越生 (M) 東毛呂】 

写真:笠形ホーム上屋@(東武)越生駅
越生駅:古レール利用のホーム上屋


(pref.11) 東武東上線(埼玉県内)

 東武東上線の埼玉県南部では、駅施設の改良が進んでおり、古レールは皆無でしたが、川越に近づくと、見られるようになります。駅施設の古レールは寄居〜小川町間と川越市〜和光市間の以下の各駅で確認しています。
寄居,玉淀(ホーム基礎),小川町 / 新河岸上福岡
 このうち寄居駅では、ホーム上屋は古レールで無かったと記憶していますが、跨線橋は秩父鉄道ホーム部分に古レールが使われていましたので、東武(+JR)の方も要確認です。 

 上福岡駅は、近代的な橋上駅舎の駅ですが、改札などの駅舎部分の骨組みのほとんどに古レールが使われているという珍しいものとなっています。この駅には、東武鉄道の初代レール(『東武鉄道の古レール』より)である「TOBU」の発注者名の入ったレールが見られました。東上線の方にも流れてきているようです。

刻 印 (読んだまま) 備 考
(F) CARNEGIE    1912    E T     I      60 A 他に10月製
(F) CARNEGIE   1897   ET   IIIIIIII    TOBU
(F) OH ???KAWANN? 【以下読めず】
(F) 60-A.S. B.S.CO. STEELTON   IIIIIIIII.  1920  O H
(F) OH TENNESSEE 6040 ASCE 7 1922
(G) ← 37AS <角Sマーク> 1964・IIIIIIII
(F) ← 37AS<角Sマーク>1963・IIIIIIII
(G) 37AS <角Sマーク> 1961・II
(G) 37AS<角Sマーク>1957・IIIIIIII
(F) 30 (丸Sマーク) 1948 IIIIIIIIIIII  OH
(F) 37 (丸Sマーク) 1938 III OH
(F) 37 (丸Sマーク) 1936 IIIIIII OH
(F) 37 (丸Sマーク) 1934 IIIIIIIIII OH 他に4,6月製
(G) (丸Sマーク)   37   A   1929  III
(G) (丸Sマーク)   75   A   1928   IIIIIIIIIII 新河岸のメイン。他に9月製
(F) (丸Sマーク)   75   A   1928   II
(F) (丸Sマーク)   75   A   1927   IIIIIIIIII 他に1,3,5月製
(F) (丸Sマーク)   75   A   1926   IIIIII
(F) (丸Sマーク)   75   A   1926

【凡例: (G) 新河岸 (F) 上福岡】 

写真:橋上駅舎下部構造@上福岡駅
上福岡駅:古レール利用の橋上駅舎の下部

(pref.11) 東武根古屋線 (廃止線)

 東武東上線小川町駅から延びていた根古屋線(貨物線)の廃線跡は道路に転用されていますが、途中、古レール利用の人道跨線橋が残っていました。
 レールの刻印は読めなかった?ようで、記録がありません。
写真:人道跨線橋@東武根古屋線(廃止線)
根古屋線:古レール利用の人道(元)跨線橋

(pref.11) 西武秩父線

 西武秩父線(吾野〜西武秩父)では、沿線に古レール利用の境界柵が見られたほかには、駅施設では古レールは確認できませんでした。

(pref.11) 西武狭山線

 西武狭山線では、西所沢〜下山口間に古レール利用の人道跨線橋,その他沿線に古レール利用の境界柵は見られましたが、駅施設では古レールは確認できませんでした。

(pref.11) 西武池袋線(埼玉県内,吾野〜所沢)

 西武池袋線のうち、埼玉県内で確認したものです。
 このうち、狭山ヶ丘駅のホーム上屋に使われている古レールはすべて、裏面に鉄道聨隊のマークが入った80ポンドレールとなっています。2002年にバリアフリー化工事により一部が撤去されてしまいましたが、3本ほど残っています。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(N)  G.H.H. 1926
(N) H-W 60LBS-ASCE-XI-1925  
(T) OH TENNESSEE ???? ASCE ? 192?  不明瞭,2,3番線
(T) 37 (丸Sマーク).2602 IIIIIIII OH 2,3番線
(T) (丸Sマーク) 75  A 1926
(S) (丸Sマーク) NO 80 A 1914 IX 裏面に鉄道聨隊のマークあり
 下表のものは、所沢駅の2, 3番線のホーム上屋に使用されているのを確認したもので、レールの形状から見て、すべてロシアの東支鉄道向けの TYPE IIIA(単位重量は、67.5 lbs/yd)という規格のレールのようです。同ホームの上屋には、飯能・新宿方で八幡が一部使用されているのを除き、ほとんどが、この規格の古レールが使われているようです。 
刻 印 (読んだまま) 備 考
(T)  CAMBRIA 1917           TYPE IIIA
(T) OH 675 75 ILLINOIS U.S.A S IIIIIII 1917
(T) ? Ж ?   III A LACKAWANNA 【切断】 不明瞭
(T) 179 BS CO MARYLAND IIIII 1917 TYPE IIIA 67 LBS
(T) OH TENNESSEE 675-75-? 1917 U.S.A

【凡例: (S) 狭山ヶ丘 (N) 西所沢 (T) 所沢】 

写真:Y形ホーム上屋@狭山ヶ丘駅
狭山ヶ丘駅:鉄道聨隊のマークのある
古レールで作ったホーム上屋

(pref.13) 東武伊勢崎線(東京都内)

 東武伊勢崎線の東京都内の各駅では、
竹ノ塚,西新井,梅島,牛田,掘切,鐘ヶ江(下り線ホーム),東向島.
曳舟業平橋(高架ホームのみ)
の各駅施設に古レールの再利用が認められます。このうち、竹の塚駅は東上線上福岡駅同様に古レールを組んで作った橋上駅舎です。

 西新井は、ホーム上屋にのみ古レールが見られ、大師線用1,2番線が調査済みです。他は軽く眺めた程度だったと思います。東武鉄道の初代レール(『東武鉄道の古レール』より)である「TOBU」の発注者名の入ったレールも見られました。
 曳舟駅にもホーム上屋に古レールが比較的まとまって見られます。このうち、伊勢崎線上り線ホームの3,4番線のものを調査しています。 

刻 印 (読んだまま) 備 考
(H) CARNEGIE   E  T  U  S  A  1922   IIIIIIIIIII   6040 3,4番線
(N) CARNEGIE    1912    E T    IIIIIIIIIIII   60  A【遮蔽】
(N) CARNEGIE    1912    E T    IIIIIIIIII   60【不明瞭】
(N) CARNEGIE    1911    E T    III    60  I   【横向きI】 60ポンド第2種
(N) CARN?G??   190?  E T IIIIIII     ? ? K
(A),(N) CARNEGIE  1897  E T  IIIIIIIII  TOBU 西新井1,2番線
(A),(N) 60-A.S. B.S.CO  STEELTON   IIIIIIIII  1920 O H 西新井1,2番線は製造月読めず
(A),(H) O? TENNESSEE-7540-ASCE-7-1923 西新井:1,2番線 / 曳舟:3,4番線
(A) 37AS<角Sマーク>1962・IIIIIIIIIIII 先頭に矢印なし。1,2番線
(A) 37AS<角Sマーク>1960・IIIII 1,2番線
(H) 37AS<角Sマーク>1960 IIII 3,4番線
(N) 37AS<角Sマーク>1959・IIIIIIIIIIII
(H) 37AS<角Sマーク>1959 IIIIIIIIII 3,4番線
(N) 37 A (丸Sマーク) 1958  IIIII  OH
(A) 37 (丸Sマーク)  1949  III  OH 6番線(伊勢崎線上り)
(A) (丸Sマーク)  37  A  1929  IIIIII 1,2番線
(H) (丸Sマーク)   75   A   1929  III 3,4番線(75Aって本当 ?)
(A) (丸Sマーク)  75  A  1929  I 1,2番線
(A) (丸Sマーク)   75   A   1928   IIIIIIIIIIII 1,2番線
(H) (丸Sマーク)   75   A   1928   IIIIIIIIIII 3,4番線
(A) (丸Sマーク)   75   A   1928   IIIIIIIII 6番線
(A) (丸Sマーク)   75   A   1928   IIIIIIII 6番線
(H) (丸Sマーク)  75  A  1928 IIII 間隔狭い。3,4番線
(A) (丸Sマーク)   75   A   1927   IIIIIIIIIII 1,2番線
(A),(H) (丸Sマーク)   75   A   1927  IIIIIIIII 西新井:1,2番線 / 曳舟:3,4番線
(H),(N) (丸Sマーク)   75   A   1927   IIIIIIII 曳舟:3,4番線
(H) (丸Sマーク)   75   A   192?   IIIIIIII 1,2番線。1926年製 ?
(N) (丸Sマーク)    75    A    1926
(A) (丸Sマーク)   75   A   1925 1,2番線
(N) 【不明瞭】1914   VI 裏面工

【凡例:(A) 西新井 (H) 曳舟 (N) 業平橋】 

写真:Y形ホーム上屋@曳舟駅
曳舟駅:古レール利用のホーム上屋

(pref.13) 東武大師線・亀戸線

 東武伊勢崎線の支線のうち、東京都内の東武大師線と東武亀戸線の駅施設等での古レールの調査結果です。

 大師線では、起点の西新井駅以外(だって次は終点だもの)には、駅施設では古レールは確認できませんでした。

 亀戸線の各駅のホーム上屋の一部には古レールの利用が認められます。しかし、塗装が厚めで刻印が判然としないものが多いのが残念です。
 『東武亀戸線の旧駅探訪』で記事になっていますが、亀戸線沿線では小村井駅のホーム下,亀戸水神駅の旧駅跡(現駅の亀戸方)などに段付きレールがあります。かつてはホーム基礎として利用されていたようですが、現在は切断されて「切り株」状態です。これらの段付きレールに刻印が読めるものはありません(小村井はホームの下に入れれば、見えるかも)が、同じ東武鉄道の伊勢崎線太田駅跨線橋に使われていた段付きレールと比べると、ひと回り細いように見えます。 

刻 印 (読んだまま) 備 考
(O) CA???GIE   ??2?  E  ? 不明瞭
(O) O? 【ボルト】SS?? ?54【遮蔽】
(T) (丸Sマーク)   ??   A   1928   IIII 不明瞭。 
(H) (丸Sマーク)   75   A   1923 他のものは塗装厚く、読めたのはこれだけ

【凡例:(O) 小村井 (H) 東あずま (T) 亀戸天神】 

写真:片持式ホーム上屋@亀戸水神(?)駅
亀戸水神(?)駅:古レール利用のホーム上屋

(pref.13) 東武東上線(東京都内)

 東武東上線では、埼玉県の都心に近い部分は複々線化等により古くからのホーム上屋が現存しておらず、古レールが認められないのですが、東京都内に入ると各駅のホーム上屋などに古レールが利用されており、
成増下赤塚馬,上板橋,ときわ台,中板橋(下部は立ち入り不能な跨線橋),大山,下板橋,北池袋
の各駅に古レールの利用が認められます。下線付きが調査済みの駅です。東武練馬駅は2番線(上り線)だけ調査済みです。

 東武鉄道の初代レール(『東武鉄道の古レール』より)である「TOBU」の発注者名の入ったレールも見られました。
 この区間の各駅は相対式のホームが多く、ホーム上屋も片持式のものが大勢を占めています。成増駅では古レールは梁にしか認められませんでしたが、一見角形の鋼材にみえる支柱もその内部は古レールではないかと思います。

刻 印 (読んだまま) 備 考
(N),(A),(B) CARNEGIE  E  T  U S A   1922   IIIIIIIIIII 6040
(B) CARNEGIE    1913    ET   I      60    A 1912の見間違い?
(A) CARNEGIE    1912    ET   IIIIIIIIIIII    60    A 2番線(上り線)
(K),(B) CARNEGIE    1912    ET   I      60    A
(B) CARNEGIE    1908   ET  IIIIIIII      【横向きI】
(B) CARNEGIE  1897  E T  IIIIIIII  TOBU 2番線(上り線)
(A) 5005  I S Co SOUTH  IV  18【以下不明瞭】 2番線
(A) 60-A.S. B.S.CO. STEELTON. IIIIIIIII. 1920 O H 美品, 2番線
(B) OH TENNESSEE 7540 ASCE 7 1923
(K) OH TENNESSEE-7540-ASCE-7-1922
(K),(B) OH TENNESSEE-6040 ASCE 7 1922 不明瞭
(B) OH TENNESSEE 6040-ASCE-8 1921 "-"判然としない
(K) ←37AS<角Sマーク>1965 IIIII
(B) 37AS<角Sマーク>1960・IIIIIIIII
(K) 37AS<角Sマーク>195? II
(A) 37 (丸Sマーク) 1948 IIIIIIIIIII OH 1,2番線
(K) 37 (丸Sマーク) 1936 II OH 3月, 5月製も有り
(B) 37 (丸Sマーク) 1936  I  OH
(K) 37 (丸Sマーク) 1934 IIIIII OH 7月製も有り
(A) 37 (丸Sマーク) 1934 IIII OH 1,2番線
(K) (丸Sマーク)  37  A  1980  IIIII (1980 → 1930)
(K) (丸Sマーク) 75 A 1928 IIIIIIIIIII
(B) (丸Sマーク)   75   A   1928   IIII
(B),(K) (丸Sマーク)  75  A  1928  I
(B) (丸Sマーク)  75  A  1927 【穴】IIIIIIIIII
(B) (丸Sマーク)   75   A   1925

【凡例: (N) 成増 (A) 下赤塚 (B) 東武練馬 (K) 北池袋】 


(pref.13) 西武池袋線

(東京都内1,ひばりヶ丘〜石神井公園)

 西武鉄道は古レールの宝庫です。ヨーロッパ製を中心にいろいろ出てきますが、G.H.H.S&MH-WENDELが、「西武御三家」とも呼べるべき存在でしょうか。 
 石神井公園から出てきたBV&COは、国鉄発注のものでした。 
 なお、高架化により消えてしまった中村橋と富士見台の古レールに付いては、『風前の灯火・開業時のレール(トワイライトゾーン Manual 6)』に報告があります。その構成を見ると、石神井公園などに近い組み合わせとなっていたようです。 
刻 印 (読んだまま)   備 考
(S) BV&CO ? ? 1902 I J R
(Hb),(Hy), 
(O),(S)
G.H.H. 1926
(Hy) KROLHUTA 1?3? M
(Hb) KROLHUTA 1926 M [四角マーク (12月)]
(S) KROLHUTA 192? ? ?
(O) R [三角楕円マーク] 60 LBS 6040 A S C E VIII 1925
(S) 工 I G R R [三角楕円マーク] PROVIDENCE 60LBS A S C E T B II 1925 ←
(Hb)(S) S&M-60-ASCE-1925
(Hy) OH TENNESSEE 6040 ASCE 1.1924
(Hb)(S) OH TENNESSEE 6040 ASCE 12 1921
(Sk) THYSSEN 60LBS A.S.C.E ?  ?????
(?Hb),(O), 
(?S)
H-W 60LBS-ASCE-XI-1925  
(Hb),(O), 
(S)
H-W ENDEL-X 1924 60 LBS-ASCE T-B ←
(Hb) HW-19??-60 LBS-ASCE
(S) 37A (丸Sマーク) 1955 II OH 同じ表記で1月のものもあり
(Hb) 30 A (丸Sマーク) 260? IIIII OH
(S) 30 (丸Sマーク) 1939 IIIII OH
(Hb) (丸Sマーク) 60 A 1928 IIIIIIIII
(O),(?S) (丸Sマーク)   60  A  1925
(Hb) (丸Sマーク) 60 A 1923 IIIIIII

【凡例: (Hb) ひばりヶ丘 (Hy) 保谷 (O) 大泉学園 (S) 石神井公園】 

写真:笠形ホーム上屋@ひばりヶ丘駅
ひばりヶ丘駅:古レール利用のホーム上屋

(pref.13) 西武池袋線(東京都2,江古田〜池袋)

 西武鉄道池袋線は都心に近い部分(具体的には高架化区間の都心側)では、年代的に古いレールが出てくるようになります。例えば、日本鉄道 (N.T.K.) 甲武鉄道 (K.R.C.) 総武鉄道 (S.T.K)国鉄 (I.R.J.) などの発注したレールが見られるようになります。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(S) BARROW STEEL Sec166 1894.  N. T. K.
(S)  BARROW STEEL Sec166. 1894. N.T.K.
(S) BARROW STEEL Sec166  1893.K.R.C.
(S) BV&CO LD 1902 I J R
(E),(S) CAMMELLS STEEL W4 1896.S. T. K.   SEC461 江古田のものは3本の合成
(S) CAMMELLS STEEL     1883 S??? 461 1883と読めるが....
(S) CARNEGIE 1900 ET  IIIIII 工 上り(1番)ホーム梁
(E),(H),(S)  G.H.H. 1926
(E),(S) KROLHUTA 1927 M I
(E) KROLHUTA 1926 M [四角マーク (12月)]
(S) KROLHUTA 1926 M [四角マーク (11月)]
(E) R [三角楕円マーク] .9.1925.60LBS A.S.C.E 6040
(E) R [三角楕円マーク] 60 LBS 6040 A S C ? VIII 1925    2本の合成
(E) S&M-60-ASCE-1925
(E) OH TENNESSEE-6040-ASCE-1-1924
(S) OH TENNESSEE ?0?0 ASCE ?? 1924 (?0?0 → 6040)
(E) OH TENNESSEE-6040-ASCE-12-1921
(H) ?? ????ESSEE 7540 AS?? ?.????
下り(2番)ホーム飯能方より3本目の上屋支柱
(S) ← 60LBS  ASCE →  TREB  I  26
(E) H-WENDEL 60 LBS-ASCE XI 1925
(E),(S) H-W 60 LBS ASCE XI-1925 椎名町では最後に"\"
(H) 37AS<角Sマーク>1953 IIIIIIIIIII OH 跨線橋支柱
(H) 37  A  (丸Sマーク)  1957  IIIIIIIIIII OH
(H) 37. A. (丸Sマーク). 1955. IIIIII OH 同じ表記で5月のものも多い
(E) ????  (丸Sマーク)  2608  IIII  OH 不明瞭。2603年の間違い?
(E) 37  (丸Sマーク)  2603  IIII  OH
(E) 37.(丸Sマーク) 1938 IIIII OH
(E) (丸Sマーク)  30  A  1929  II
(S) (丸Sマーク)   60   A   1929   I
(E) (丸Sマーク)  60  A  1928  IIIIIIII 他に同じ標記の12月製
(E) (丸Sマーク) /75  A  1928 I
(E) (丸Sマーク)  60  A  1927  IIIIIIII
(H) (丸Sマーク)  60  A  1923  IIIIIIIIIIII
(E) (丸Sマーク) NO 60 A  1915  ? 製造月はボルト穴により不明

【凡例: (E) 江古田 (H) 東長崎 (S) 椎名町】 

写真:笠形ホーム上屋@椎名町駅
椎名町駅:古レール利用のホーム上屋

(pref.13) 西武豊島線(豊島園)

 西武豊島線は、起点が池袋線の練馬で次の駅が終点の豊島園で1駅しかありません。豊島園駅は、刻印が奇麗なものが多い上に、目の前の遊園地でイベントでもやっていない限り比較的空いていますので、古レールウォッチングにお薦めです。
 ホームが2本あり、2つの上屋があります。もともとはこの間にも線路があったようですね。1番ホームは古典的レール、2番ホームは45ポンドレールが多いことが特徴です。
刻 印 (読んだまま) 備 考
(1),(2) BARROW STEEL Sec166 1894.  N. T. K. N.T.Ж.と読めるものもあり
(1) BARROW STEEL Sec166  1893.K.R.C. 文字大きい
(2) CARNEGIE    1914    E   T    I    45    A 2番ホームメインのレール
(1) CARNEGIE    190     E   T    IIIIIIIIIII    60    A (? 190  → 1901)
(2)  G.H.H. 1926
(1) 6009 ILLINOIS STEEL Co SO?TH WKS V 1898 I.R.J コードナンバーは不明瞭
(1),(2) KROLHUTA 1927 M I
(1) KROLHUTA 1926 M [四角マーク (9月 ?)] 四角マークの上の辺は不明瞭
(1) OH TENNES?EE ??40 ASC? ? 192? 不明瞭
* H-W-60LBS-ASCE-XI-1925 位置記録忘れ

【凡例: (1) 1番ホーム (2) 2番ホーム】 

写真:笠形ホーム上屋@豊島園駅
豊島園駅:古レール利用のホーム上屋
 結構、立派(2番ホーム)

(pref.13) 西武多摩川線

 西武多摩川線では、沿線に古レール利用の境界柵が見られたほかには、駅施設では古レールは確認できませんでした。なお、JRに間借りしている起点の武蔵境駅には、ホーム上屋に古レールが見られます。

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