8.  中締め(とりあえずのまとめ)

first wrote in 2000.12.01 / Last Edited in 2004.12.10

 本ホームページの成果について整理します。本ホームページが現在も発展中であり、完成されたものではないことから、タイトルは「まとめ」とはしていません。
| 到達点 | 今後の課題 |

8.1  到達点

 以下に本ホームページの現在のところの到達点は以下のようなものが挙げられると考えています。

1. 古レールに関する情報をインターネットに公開しました。

 古レールに関する情報は、それぞれの分野の雑誌での掲載により鉄道趣味界や鉄鋼界など狭い分野では知られていましたが、インターネットで公開したことにより、考古学研究家など、これまでアプローチできていなかった方面にも、知られるようになりました。
2. 古レールの刻印の記載内容について整理を行いました。
 古レールの刻印の各要素については、『レールの趣味的研究序説〔上〕〜〔下〕』に簡単に述べられているほか、『レールの趣味的研究序説〔補遺〕〜〔再補・下〕』に分散的に記述されていました。これを整理して、古レールの刻印を読むための基本事項をまとめました。
3. 各駅で見かけた古レールをリストを作成しました。
 駅ごとのリストを作成することにより、どこでどの様なレールを見たかを明示することにより、古レールの刻印の読み間違い等について、他の古レール研究者から指摘できるようにしました。すなわち、客観性を保証したと考えています。
4. 各製造者ごとの古レールのリストを作成しました。
 『レールの趣味的研究序説〔中〕』では、各製造者ごとに古レールの刻印を一例あげて解説が行なわれていますが、同一の製造者においても製造時期などによって、刻印の標記内容に変化が見られるものがあり、その変化を追うことは不可能でした。本ホームページでは、製造者ごとの刻印のリストにおいて、製造年ごとに列挙することにより、刻印の変化がわかるようにしました。

 このうち、いくつかの製造者の古レールの刻印については、既往資料と整理・統合して、「刻印の変遷」を整理しました。また、読み方などが不明となっていました「ロシア製レール」について、いくつかの文献・資料から、刻印の読み方や意味を推定しました。

5. 古レールの楽しみ方を整理しました。
 古レールの時代ごとや発注者に関した情報を評価・分析し、注目点を整理しました。その成果は「古レールを楽しむ」に整理しました。また、その中でも特に注目すべきレールについて「貴重な古レール」にまとめました。

8.2  今後の課題

 次に、本ホームページの現在のところの問題点と改良点、すなわち、今後の課題について整理します。

1. 鉄道史研究へのアプローチ

 現在のところ、古レールのデータは集まってきましたが、これらを元に鉄道会社の歴史のベールを1枚でも脱がす所には至っていません。

 鉄道会社の社史などの記録も調べていく必要があります。

2. 刻印の記録方法について
 個々の古レールの刻印から読み取れる情報は少なくないのですが、現状のリスト形式の紹介方法では数量優先で、個々のレールの詳細について完全に紹介しきれていません。紹介の方法にもう一工夫が必要と思います。
3. 古レールの場所の記録について
 本ホームページでは、古レールの所在地については、駅名止まりとなっています。駅にある古レールについてはホームのどこにあるかについて、調査段階では可能な限り(柱番号の札が付いている場合など)記録するようにしていますが、ホームページへは反映できていません。現状の公開方法では限界かもしれませんが、これも工夫が欲しいところです。
4. 国際化
 古レールと言うのは、日本のみならず世界の遺産ですので、日本語圏外の方のために、簡単な紹介くらいは英語で書きたいです。

 また、刻印の事例程度はアルファッベトのみで行ないたいのですが、一部の記号とロシア文字に日本語コードを使用してしまっています。最近は UNICODE のようなものもありますので、なんとか工夫したいとも感じています。


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