名鉄知立駅のドーム状ホーム上屋

1st wrote in 2001.06.10 / last update at 2002.03.01

 名古屋鉄道名古屋本線知立駅(→ 知立駅の古レールのリストのホーム上屋は、多数の古レールを組み合せて作られており、大変勇壮なデザインです。
 しかしながら、知立駅付近の高架化が予定されているそうですので、その工事に伴って、早晩撤去されてしまうようです。
 そこで、ここに記録を残すものであります。
(取材:2000. 9.17)
写真:知立駅ホーム上屋の様子  知立駅のホーム上屋の様子です。止まっている電車は6番線で、豊橋方面行きの電車です。
 この6番線で架線柱(=ホーム上屋支柱,下述)の財産票らしき「大.13.4」という札を見つけています。ホーム上屋の建築時期でしょうか。ちなみに、知立駅(当時は新知立?)は、愛知電気鉄道の手により1923(T12)年に開業となっています。
 知立駅には3本のホームがありますが、いずれも同様のデザインの古レール利用のホーム上屋となっています。写真は、2・3番線ホーム(1番ホームは欠番)から、4・5番線ホームを眺めたものです。
 ホーム上屋は基本的には、Y字形上屋に分類されるものですが、支柱を延長して、隣のホームの支柱と結合させ、架線の支持の役目も担っており、ドーム状となっています。
写真:ドーム状となるホーム上屋
写真:ホーム上屋支柱の様子  ホーム上屋の支柱の様子です。Y字の縁となる主材はもちろんのこと、その間を渡した補助材も短くカットされたレールが用いられています。
 古レールを利用した建築物は、曲線の多用により、優雅で女性的な印象のものが多い中で、これだけ力強く男性的な印象のものも珍しいです。
写真:О.П.З.91.VII.Ус.Ж.Д.
 その短くカットされたレールの1つの様子です。6番線の名古屋方、待合室付近にあります(同じメーカーと思われるものが3本ある)。これは『レールの趣味的研究序説〔補遺〕』に「短かく切られているので標記の全部が読めないので残念であるが、名鉄知立駅に1本だけウスリー鉄道(Ус.Ж.Д.)の1891年7月製のものがあり」と記されているレールではないかと思われるものです。知立駅のホーム上屋が撤去されても、この1本だけは、可児市の名鉄資料館なりで保管・展示してもらいたいものです。その他、多数のロシア製レールも見ることができました。

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