東十条駅構内の跨線人道橋

1st wrote in 2000.10.24 / last update at 2002.03.01

 東十条駅構内北側には駅改札(北口)と直結した人道跨線橋があります。古レール利用の跨線人道橋としては、ありふれたものですが、真近で観察できる数少ないものですので、その構造を知る上で、特別にレポートします。
 
(取材:2001.09.23-24)
写真:東十条駅構内の跨線人道橋。王子側から  上野方から見た様子です。写真には、左から東北貨物線・東北本線・京浜東北線北行線が写っていますが、写真の右側で、京浜東北線南行線と東十条運転区も跨いでおり、全体では、8支柱9径間と長いものです。

 古レールはいくつか刻印が読めました(→ 東十条駅構内の跨線橋の古レールのリスト)。京浜東北線の各駅に見られるものとメーカー・年代は一致しているようです。

 古レールでできた跨線人道橋のほとんどは、この写真のように、支柱を上方で2方向に分け(ここの角度や長さは、種々あるようである)、それぞれが床板の梁へと連続する形となっています。

 橋梁の形式は正確にはよくわからないのですが、支柱と床板が一体構造であることから、一種のラーメン構造と見て良いでしょうか。

写真:支柱と床板の結合部
写真:下から見た跨線人道橋  真下から見るとこんな感じです。左側(赤羽方)はH形鋼製のもので拡幅されていますが、基本デザインは古レールのものにあわせてあります。
 赤羽側から見た方が全体のイメージは判り易いですが、手前側の鋼材は上でも書いたようにH形鋼です。
 写真の左側に東十条運転区があって、跨線人道橋はそちらへも連続しています。
写真:東十条駅構内の跨線橋。赤羽側から

写真:十条跨線橋  東十条駅の反対側の跨線橋(十条跨線橋)は、荒川(鉄道)橋梁の転用品だそうです。自動車用の橋ですが、なかなかの年代ものなので、紹介しておきます。

 わかりますかね?。露出ミスな上に架線ビームなどの陰でちょっと見難くなってしまっています。すみません。

 その銘板です。1895年、英国(イングランド)ダッドレーのコクレーン社製です。年代から見て、日本鉄道が架橋したもので間違い無いでしょう。

 紹介した橋は、ホームページ「橋とトラスのページ・弥生の森の散歩径」さん(→ その他の古レール情報)によると「下路平行弦ポニーワーレントラス」という形式の橋だそうです。

写真:東十条駅構内の跨線橋。赤羽側から
 いずれの写真もそうですが、晴天時の午後、夕方近くに撮影したものです。ここは、段丘の縁に位置しており、この時間帯だと影が出てしまい、明るい部分と暗い部分の差が非常に大きくなってしまうのが難点です。写真も見難いものが多くなってしまい、すみませんてせした。

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