■ 謎の石棺
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謎の人面石像  

 「謎の人面石像」をご紹介したいと思います。
 場所は、右京区・広沢池の南、堀川高校のグランドの隅っこです。グランドの一角に、うっそうと木々に覆われている部分があります。中にはいると巨大な石が雑然と積み上げられており、異様な雰囲気をかもしだしています。その中に小さな祠が建っています。そこに「謎の人面石像」が安置されているのです。
 背丈はおよそ65センチくらい。にらみつけるように見開いた目、大きな曲がった鼻に、ぶあつい唇。顔だけで手も足もない。普通考えられる石仏の類とはまったく異なります。一目みたら忘れられないような不思議な像です。
 ここにはかつて、広沢一号墳という古墳がありました。昭和31年の発掘調査で、石室はすでに平安時代に荒らされ、石棺もばらばらにこわされていたことがわかりました。実は、この奇妙な石像は、このこわされた石棺の破片のひとつに刻まれていたものだったのです。
誰が、何のために作ったのか?もちろん文献には残されておらず、まったく謎です。

 団長は、黄泉の世界(石室)のケガレがこの世にでてくるのを防止するために作られた、境界神である道祖神の像ではないかと言っていますが、はたしてどうだったのでしょうか。ラン2はこの像を見て、古代社会の底流にひそむ民間信仰のエネルギーを感じてしまいました。
 百聞は一見にしかず。不思議なもの大好きのみなさんには、一見の価値あり。とにかく奇妙な像です。ただし、この祠は高校のグランドの中にあるので、見学する場合は一言声をかけたることをお忘れ無く。   



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