●フライフィッシングのタックルを買って、自分だけでキャスティングを始めると、誰もが直面する問題は、
「ラインが前に飛ばない」ことだと思います。
このことについてkingfisher的に解説をしたいと思います。例として、K君(若き日のkingfisher)の場合で説明します。
K君のケース:
フライフィッシングを始めようと思ったK君は、釣具店でフライフィッシングのタックルセットを購入しました。
さっそく管理釣り場に行きましたが、釣りどころか、3mもキャスティングできません。
釣り場には15m以上もラインを飛ばしている上手なEさん(エキスパート)がたくさん魚を釣っていました。
K君はEさんのキャスティングを見て、マネしてみましたが、結果は同じ。まったくラインが飛びません。なぜでしょうか?
●kingfisher的解説: 下の図を見て下さい。
K君は、Eさんのキャスティングを見て、図Aのように見えました。そこで、マネして図Bのようにロッドを振りました。
ロッドは曲がります(しなります)ので、K君のロッドは図Cのようにアクションします。これではラインは前にも後ろにも飛びません。
実際のEさんのロッドは図Eのようにアクションしています。
ロッドは曲がります(しなります)ので、ロッドの曲がりを差し引くと、Eさんは図Dのようにロッドを動かしていることになります。
BとDの違いをよく見て下さい。つまり、Eさんはロッドを振っていないのです。(扇状には)
例えば、フォワードキャストの場合、ラインが前方へ直線的に伸びるように飛ぶためには、
前提条件として、フォワードキャストの直前(バックキャスト終了時)、ラインはロッドの後方で、直線になって、
前方へ飛行する準備ができていることが必要です。
そして、フォワードキャストでは、ラインを引っ張るロッドが、後ろから前に直線的に(なるべく長く)移動することが必要です。
ロッドが、後ろから前に直線的に移動するから、ラインもロッドに引かれて、前方へ直線的に飛ぶのです。
ロッドティップ(先端)が、直線的に移動するには、ロッドグリップを含めたロッド全体が、直線的に移動することが必要です。
図Dの2つの位置、つまり前後のポーズの間を直線的に移動させることによって、ラインが直線的に引かれ、
その結果として、前方へ直線的に伸びるように飛ぶのです。
つまり、ロッドを扇状に振って、ティップが円弧状に動いては、直線部分がないため、ラインは直線的に飛びません。
では、エキスパートはまったくロッドを傾けていないのかというとそうではありません。
ラインの伸びに応じて(伸びた後)ロッドを図Fのように送り込んでいます。ただし、Bのように振っているわけではありません。
ロッドを送り込むのは、直線部分にロッドティップを合わせて、ティップが振動するのを防いだり、
次のストロークのパワーゾーン(力をかける部分)を広げたり、ラインとガイドの抵抗を減らしたりといろいろな効果を得るためです。
しかし、最初はこの効果部分は考えない方がいいでしょう。
肝心なことは、ラインを前後に直線的に飛ばすためには、ロッドを前後に直線的に移動させるということです。
ラインを後方に直線的に飛ばすことができれば、先ほどのフォワードキャストの前提条件が成り立つことにもなります。
●おまけ
下の図を見て下さい。お寺の鐘つき堂ですが、鐘が2つ並んでいます。
2つの鐘の間に鐘つき棒があり、なぜか垂直に取手(グリップ)がついています。
取手(グリップ)を握り、2つの鐘を鳴らしましょう。ゴーンと鳴ったところがポーズの位置です。
前にゴーン、後ろにゴーン、前にゴーン・・・・・つづく
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