その3

わしじゃ。
ちょっと掲示板に、らくがきしておったんじゃ。文章を書くといえば、
ゴールデンウィークに「開高 健」展があったな。オーパ・開高はええぞ。
釣りと文学というものはなあ・・・
文学の話はいいから、釣りの話をしましょうよ。
お前、あせってはいかん。
あせってはいませんけど、仙人の話はすぐ横道に逸れるから。
じじいの話はそうゆうもんなんじゃ。許せ。
じゃあ、横道から戻るとするか。何が聞きたいんじゃ?
仙人、タックル、つまり釣り道具のこと聞きたいんですけど、
ロッドなんか何を使ってますか?
ロッドって?
ロッド。釣り竿ですよ。ほら、そこの道場の隅に、
私のロッドが立てかけてあるでしょう?
あれ?、あれが。・・ロッド。あれがロッドというものか。
・・・
仙人、それって、もしかしたら、中島 敦の「名人伝」のパクリじゃないでしょうね。
弓の名人が厳しい修行の末、弓がなくても獲物を落とせるようになって、
やがて最後には、「弓」そのものを忘れてしまうっていう話でしょ。
あ、ばれてた?。やっぱ、知ってたんか。
言ってみたかったんじゃ、このせりふ。
お前もけっこう本読んどるな。本はええぞ。
釣りと文学というものはなあ・・・
だから、文学の話じゃないっつうの! ぜんぜん横道から戻ってないでしょ!!
いや、戻っておるんじゃ。
釣り師が釣り竿を忘れたら?
釣りができないでしょ!
よくぞ言った。そうなんじゃ。・・・今日はここまで。
そうゆう話かあ!?

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