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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第1シリーズ 8話 「子供の喧嘩に親が」

得意な英語のテストで失敗してしまい動転した越智はるみ(藤島ジュリー景子)は、「はるみでも満点取れないことがあるのか」と嫌味を言った東條絹子(平山裕美)を平手打ちし、教室を飛び出してそのまま帰宅してしまう。バツが悪いはるみは、つい母親に「東條さんが殴った」と嘘の説明をして、部屋に閉じこもる。

母親がはるみの言葉を鵜呑みにしてヒステリックに学校へ抗議したことで、はるみは余計追い詰められ、母に向かって「あっちへ行け!」と叫んで突如大暴れ。部屋をメチャクチャにしてしまう。

はるみは訪ねてきた金八(武田鉄矢)に優しく諭されてなんとか翌日登校するが、絹子の「私の方がぶってしまったんですってね」という余計な一言でまたもパニックに。屋上へ駆け上がり、飛び降り自殺寸前。皆が二の足を踏む中、池内先生(吉行和子)がはるみに歩み寄り平手打ちして一喝すると、はるみは我に返る。

池内ははるみの母に、「自分の子供だけが正しいと思い込むことは、かえって子供の逃げ道をなくすことになる。だから聞き手になってあげて欲しい。」と言うのだった。

79年12月14日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 高畠豊

視聴率: 16.0%

DVD: 第3巻

参考文献・挿入歌

みどころ談義

● 前回、はるみが英語を見事に読みこなすシーンがありましたよね。あれが地味に伏線になっていました。
○ 3歳から英才教育を受けていた、自信のあった英語でミスってパニックと。ちょうどこの二学期末テストが内申書に影響する最後の定期テストだということもあって。
● しかし強烈な母親でした。
○ 絵に書いたようなヒステリーママ。極端だったけれど、このぐらいのキャラづけにしないと重くなってしまう。雪乃と保のことがあったばかりだから、これ以上シリアスな雰囲気にするわけにはいかないよね。
● 母役の小林千登勢さんは、保パパの山本耕一さんに続いて、夫婦で番組出演を達成しました。おめでとうございます。
○ 保の母役じゃなくて本当によかった(笑)。うるさくてかなわん。
でも金八が「しっかりした美女!」と声かけるとおとなしくなりますよ。(※「しっかりしたビジョン」といっていることが判明。少し前のシーンで母親が金八に「しっかりしたビジョンを持っておりますの。」と宣言しており、この言葉を受けての一言だった模様。情報を提供してくださった ねごしさん、ありがとうございます。)
○ はるみには「せっかくの平安美人が台無しじゃないか」と言っているんだけれど、これは果たして誉め言葉になるのかな?
● 金八先生は間違いなく誉め言葉として言ってると思いますが、「平安美人」はよく考えると微妙ですね。下膨れということですから。まぁはるみも深く考えるタイプではないようなので、ただ嬉しく感じただけだとは思いますけど。
○ 深くは考えない、自分大好き人間だよね。悪い点をとったショックで人を叩くし、物にあたるし、ツイストは大音量だし、迎えに行った英吉にもお構いなしだし、死んでやる!だし。過保護に育てられたんだろうね。人の気持ちが分からないというか、決めつけて思い込むところがあるらしい。
● 「子供の喧嘩に親が」というサブタイトルになっていますが、明らかにはるみにも問題がありますよ。
○ さんざんになったはるみの部屋で、金八が壊れた人形を見つけるでしょ。あれがはるみそのものなんだよね。キレイにキレイに飾られて、ちょっとしたショックで首がもげちゃう。お人形さんのように育てられたのは可哀想だったかな。
● 問題があるといえば、嫌味な絹子も相当性格悪いです。言わなくていいことをわざわざ言って傷つけておいて、それでいて被害者面ですから。
○ 池内先生に「負けるが勝ち」戦法を入れ知恵された時も、その場面自体はなかったけれど、「池内先生まで出てらしてそう仰るなら、我慢して仲直りしてもいいですわ。」なんてしれっと言っていそうなのが目に浮かぶ。
● 小憎らしかったですね。
○ 屋上ではるみがあわや飛び降りという状況になって、やっと自分が調子に乗っていたことに気づく…と思いきや、その後戻ってきたはるみに向かって「私だって死のうと思ったのよ」と思いやりの欠片もない発言をしているあたり、この絹子という生徒もどこかズレている気がするよね。
● なんだかズレた人ばかり登場してくる話になっていますよ。となると、それをまとめて圧倒した池内先生はたいしたもんだということになりますね。
○ 池内先生が締めてくれなければ最後はまとまらなかった。金八はまだいざという時に動けないよね。雪乃の妊娠が分かった時もそうだったけれど、今回もフェンスを登るはるみに向かってただ「はるみ!はるみ!」と呼ぶことしかできなかった。
● 池内先生は「私も子供を持つ親だから」と言っていますよね。経験者ならではの説得力がよく出ていたと思います。
○ 金八はまだ人の親でもなければ女心が分かるタイプでもなさそうだからなぁ。そういえば冒頭で吉村孝が、失言した左右田に向かって激しく抗議するよね。あれもやっぱり、悩んで飛び出した経験があるからはるみの気持ちがちょっと分かって、ああいう必死な訴えになったんだと思うよ。経験者の言葉は強いよね。
● では今回のポイントは、クラスにも職員室にもまともな切り札がいて良かった、ということになりますか。
○ まぁ、金八がはじめから母親にはるみの方が殴ったんだと言っていれば、今回の事件そのものが起こらずに済んだような気はするけれど。
● !!

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