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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第1シリーズ 9話 「数学を好きになる法」

職員室で新聞を読む金八(武田鉄矢)は、中学生の自殺の記事を目にして憂う。しかし乾先生(森田順平)は現実的な意見で反論、あくまで事務的に職務を遂行しようとする。

乾は3Bにて、期末テストの数学ワースト10を公然と発表。頭が空っぽという意味の「ピーマン10」と名づける。成績の上がらない生徒を罵倒し、進学しない生徒を切り捨てようとすると、生徒は反抗。複数で乾を取り囲み暴行してしまう。

生徒に事の真相を聞きただす金八。数学の人気のなさ、難しさに理解を示しつつも、まずは謝ることが関係修復の第一歩と、多数の生徒を連れて職員室へ行く。しかし乾は大人気なく和解を拒否し、生徒らもそれに対抗して激怒する。放課後金八は乾の家を訪ねるが、そこで乾の熱意のなさを知ると、怒りの中帰宅する。

次の日金八は、実験授業を企画。徹夜で作成したブラックボックスを用いて数学の理屈を分かりやすく解説し、「なぜ?」と考える柔軟性が大事だと教える。また、数学をはじめ学問は生活に密着しているものだと説き、その例えとして「『Y=2X』ということと『君達が死んだら親が悲しむ』ということは同じ」と言うのである。

79年12月21日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 竹之下寛次

視聴率: 21.2%

DVD: 第3巻

参考文献・挿入歌

みどころ談義

● 乾先生、好きだなぁ。
○ 魅力満載の回だね。
● 現実主義的な物言いがいいですよね。「家庭の問題を引き受けるほど我々は時間も給与も貰っていない!」シビレるなぁ。合理主義者でもありますよね。それにあの劇画調の表情!
○ 十分な給与を貰っていない、といいながら自宅のあのブルジョアぶりはすごいよ。クラシックレコード、豪華なステレオ、壁掛けの絵、客船の模型、おまけにセントラルヒーティングだもの。
● 金八先生とお給料はそう変わらないと思うんですけどね。
○ いいところのお坊ちゃまに違いない。「あと2枚新しいレコードを聴く予定なんでね」はなかなか出てくる言葉じゃないもんな。さらにあと2枚聴くということは少なくとも3枚のクラシックのレコードを一度に買ってきているワケだし。
● 金八先生はそれに対して「河内音頭でもドラえもんのテーマでもお聴きになったらいいですよ!」と返すんですよ。徹底的な対比。
○ 考え方だけでなく、暮らしぶりまで正反対なんだよね。このくらい極端に描いてくれると楽しい。
● でも激情家なところは似てますよ。二人とも興奮してきた相手に向かって「まぁまぁ落ち着いて」というタイプではないです。
○ 乾先生は興奮して名言(迷言)を残すタイプだよね。「逆立ちで皇居一周して見せますよ!」や「3年B組は猿の惑星だ!」など(笑)。いじられて光る、リアクション芸人の素質があるよ。
● ハハハ、あの乾先生がリアクション芸人ですか。是非お笑いウルトラクイズに出てほしいなぁ。
○ ○×クイズで明らかにボロボロの方のバスに自分から乗り込んでおきながら、「バスを海に沈めるなんてどういう了見ですか!」と滑舌よく猛抗議する乾先生。
● ワハハ。もちろんスーツ着用ですよね。
○ そうそう。びしょ濡れのスーツで猛抗議。しかもあの劇画調の顔で。
● 見たい〜(笑)。
○ 金八先生の方は、実演販売員やキャッチセールスに向いてそう。
● 結局、納得させられちゃいますからね。
○ 今回「乾先生にまず詫びを入れよう」というその理由を説明する時に野球の話を持ち出してきているんだけど、これは強引だったでしょう。「アンパイアがいなかったら試合にならないだろう」ってそれはそうだけれど、例え話として相応しいかといったら違うような。
● まぁ平山の今後へのフリでもあったワケですが。でもなんとなく圧倒されて丸め込まれている感は否定できない。つい先ほどまで関数を理解できなかった子が、Y=2Xということと君達が死んだら親が悲しむということは同じだ、と言われて理解できるようになっているのは飲み込みが早すぎるので、雰囲気で分かったような気になっているだけかもしれません。
○ そうでしょう。ブラックボックスの話も講釈師のように淀みない。「この楽しくてためになるブラックボックスがたったの○万円!」と言われたら「買った!」とつい勢いで言ってしまいそう。「今回は特別にこの壷もお付けして…」「えっ、いいんですか?」なんて。
● うわぁ危ない。気をつけないと。
○ まぁ金八は理想主義者で博愛主義者だから大丈夫だと思うけどね(笑)。

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