金八先生マニアックス

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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第1シリーズ 10話 「女生徒軍団朝帰り」

年の瀬、冬休み。金八(武田鉄矢)の元に、生徒の家から次々とお歳暮が届く。真面目な金八は一軒一軒返しに回り、その途中、女子が集まって勉強会を開くという話を耳にする。しかし彼女達は、実は親に嘘をついてディスコ遊びをしているのだった。

朝、牛乳配達の宮沢保(鶴見辰吾)は久々に浅井雪乃(杉田かおる)と顔を合わせる。そのとき保は、不審な行動をとる女子たちを畑中家前で見たことを話し、金八に伝えるように頼む。金八は梶浦裕二(野村義男)からも情報を得てディスコ遊びと睨むと、現場を押さえることに。

山田麗子(三原じゅん子)から具体的な店名を聞き出し、踏み込む金八。そこで踊る生徒の生き生きとした顔を見ると涙が溢れ、感に堪えられず「ファー!」と叫んで踊り狂う。金八に同行していた体育の伊藤先生(福田勝洋)、用務員の川村さん(三木弘子)も華麗なステップを披露する。金八はディスコをストレス発散の場所として認めながらも、その麻薬性に気をつけるよう諭す。

翌日生徒を集め、堂々とストレスを発散しようと餅つき大会を開く金八。しかしその途中で、生徒は勉強その他の理由でひとりまたひとりと帰っていく。金八は勉強第一の社会に対し、怒りの杵を振り下ろすのである。

79年12月28日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 佐藤虔一

視聴率: 19.7%

DVD: 第4巻

参考文献・挿入歌

みどころ談義

● 金八先生のディスコダンスが見られる貴重な回ですよ。
第7話と対応した、生徒にとって「禁止されているが、一度やってみたいこと」の女子版。長ラン事件と比べると、こちらは水面下で動いていて「悪いことをしている」という意識が強く、発覚しないように手回しもされいてる。女子はズル賢いね。
● 麗子のバイクスーツ姿や、ディスコを「デスコ」と発音してしまう金八の田舎臭さなど見どころはいろいろあるんですが、まぁ、それよりもまず金八先生のダンスでしょう!
○ 爆笑したなぁ。ある意味では妊娠事件以上に必見だ(笑)。
● 「ファー!」と叫んで踊りだすんですからね、夜の盛り場のディスコで。それもなんとも形容し難い奇妙な踊りで。
○ 必然性が全くないのがいいよね。
● 伊東先生や用務の川村さんも踊ってしまうんですよ。
○ 金八ひとりでは心許ないということで二人はついていったはずなんだけれど(笑)。
● 金八先生は全く勢いだけといっていい独創的なダンス、伊東先生は自称「体操」という流れるような動きのダンス、川村さんは戦後流行ったようなもっと古いダンスをそれぞれ踊るんです。
○ どれも雰囲気にそぐわない感じのダンスだよね。場を乱して周りの兄ちゃん姉ちゃんから白い目で見られても仕方がなさそうなんだけれど、なかなかどうしてディスコは大盛り上がりという強引さ。
● 番組史上一、二位を争う爆笑シーンですね!
○ たぶん何度見ても笑っちゃうと思う。
● コントの域ですよねぇ。
○ でも、その直前に金八は泣いてしまっているんだよね…。
● あれは何だったんでしょう?
○ プライベートな時間を潰してまで一生懸命指導しているワケじゃない、金八は。
● はい。
○ そうやって苦労して取り戻そうとしている子供たちの満面の笑顔を、ディスコという場所であっけなく見たことで感じた「無力感」とか。そういったものがあったんじゃないかなぁ。
● なるほど。
○ それを思うと、あの金八の大暴走ダンスシーンは、番組史上一、二位を争う壮絶なシーンといえるのかもしれないね。
● そうですね。最後の餅つきシーンの寂しさも、盛り上がって笑えたダンスシーンがあったからより生きてくるというか。
○ あんなに寂しいシーンはないよ。金八の熱意が生徒にまだ上手く伝わっていないという状態がよく分かるし、せっかくの年末年始も勉強勉強。そうじゃないだろう、と悲しくなるのはやはりディスコの場面や冒頭の生徒が塾へ行く場面から見せられているからなんだよね。
● 餅つきの日を、池内のお婆ちゃんが「ちょうど28日だし」と言っているじゃないですか。漢字の「八」が末広がりで縁起がいいからなんですが、こういうことをちゃんと知っている子、今どのくらいいるんですかね?
○ 塾で忙しい子もディスコにハマる子も、こういうことは知らなさそうだなぁ。
● そういえば、「金八」の字も末広がりですよ。

小ネタ拾い読み


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