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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第1シリーズ 22話 「卒業・贈る言葉」

池内シカ(都家かつ江)が赤飯を炊いている。今日は卒業式だ。浅井雪乃(杉田かおる)も金八(武田鉄矢)とともにひさしぶりに登校し、クラスメイトから歓迎を受ける。B組の生徒は職員室に出向き、職業教師に対して恩義を感じるのはおかしいので、クラスの総意として謝恩会に参加しないと告げる。

卒業式。証書の授与が始まると、数々の思い出が甦る。答辞を読む安藤卓(岩谷健司)は、最後に個人的に一言いいたいと申し出て、「僕が一番最初に実社会に出るから選ばれたんだよね」と嬉しそうに言う。仰げば尊しの斉唱では、感極まって泣く生徒もいた。

式が終わると、職員室へB組の生徒が「お別れ会」の招待状を持ってやって来た。謝恩会ではなく、手作りのお別れ会を改めて開きたいというのだった。

すっかり日が暮れ、生徒たちが巣立った後の桜中は気が抜けたようになっていた。「無事に終わってよかった」と言う左右田(財津一郎)、「弥市の身長がこの3年間で31cmも伸びた」と成長ぶりを振り返る天路(倍賞美津子)。金八はB組の教室へ行き、一人一人の名前を呟き確かめるように、それぞれの机に触れるのだった。

80年3月21日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 竹之下寛次

視聴率: 38.0%

DVD: 第8巻

参考文献・挿入歌

みどころ談義

● 卒業式、終わりました。
○ 雪乃も出てきてみんな揃っての卒業式。雪乃の母親もちゃんと来てくれていた。それも保の母親の隣に座っていた。
● 金八先生もきちんとした礼服に着替えていて、まさに晴れの式になりました。あの礼服、教頭先生が用意してくれていたというのが少々意外だったんですが、おそらく浅井家の葬儀でもいつもと変わらない服装だったのを見て、気を利かせてくれたんでしょう。
○ 卒業証書の授与は、名場面が挿入されてちょっとした総集編のようだったね。
● いろいろなことがありました。これといったエピソードがなかった生徒には、段取りを間違えたりボタンを掛け違っていたりという小ネタが与えられていて、演出の気遣いが感じられました。裏の方でもよくまとまったドラマだったんだろうなということが垣間見えた気がしました。
○ 越智はるみの回想シーンを見て気がついたんだけれど、屋上で飛び降り騒動を起こして池内先生に殴られた時、はるみを後ろから押さえていた金八先生までがまるで一緒に殴られたかのようなリアクションをしていたんだよ。
● それは知りませんでした。金八先生も気持ちの中では一緒に殴られていたんですね。
○ 本当に生徒と一体になって走ってきた一年間だったということだね。だからこそお互いに信頼関係が生まれた。式が終わってから生徒が下校するまでは随分時間が経っている(日が暮れている)んだけれど、名残惜しくてなかなか帰れなかったんだろうな、なんてことも想像できる。
● 答辞を読んだのは安藤卓ちゃんでした。ちょっと早口だったのが勿体無かった気もしますが、貫禄はあったし、いい人選でしたよね。
○ 最後の一言もとても前向きで明るい。卓ちゃんのおかげでB組は暗くならずにやってこれたのかもしれないね。すごくいい卒業式になったから、終わった後の職員室の燃え尽き感が切なかった。
● その職員室で「お礼参り」の話が出るじゃないですか。乾先生は「そういう時は警察を呼べばいい」と言っているんですが、これ、もしかして第2シリーズへのフリでしょうか?
○ この次は「新八先生」だからなぁ。どうだろう。次また金八をやるなら校内暴力問題を、という考えはあったかもしれないけれど。
● 具体的なものではないですかね。…それで、そんな雰囲気の職員室にB組の生徒がやって来て、謝恩会は拒否したけれどお別れ会を開きたいという。次回、そのお別れ会で最終回ということになります。
○ 今回のはじめにいきなり「謝恩会には不参加」と申し出て、国井先生から「3年B組は最後まで世話を焼かせてくれるんですね」なんてイヤミを言われていたB組だけれど、こうやってもう素晴らしい自主性が身についていたんだね。帰り際には麗子が雪乃に「よかったね」と言っているし、素敵なクラスになっていた。
● 成長したんですね。

小ネタ拾い読み


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