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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第1シリーズ 23話 「さよなら金八先生」

B組の生徒たちが自ら企画した「お別れ会」の日がやって来た。浅井雪乃(杉田かおる)も歩を連れて学校へ向かう。買い出しや会場の準備は全て手作りで着々と進み、金八(武田鉄矢)には完成してから見てもらいたいと九十九弥市(大堀英樹)が付きっきりで釘づけにする。やがて用意が整い、生徒たちは入場曲を演奏して先生方を迎える。

お別れ会に先立ち、まず阿部トシエ(土屋かおり)の誕生日を祝う生徒たち。これでクラスの全員が満15歳を迎えたというのだ。続いて都立の二次募集に合格した中尾友行(米村知晃)が前に呼ばれ、全員の進路決定を喜び合う。

次に宮沢保(鶴見辰吾)と浅井雪乃(杉田かおる)が呼ばれる。結婚式を行おうという提案に二人は戸惑うが、君塚校長(赤木春恵)の「真面目に結婚式ごっこをやるのなら、私も大真面目に立会人ごっこをやりましょう」の一声でとり行われることに。感激した保は「正式に結婚できる日が着たら、みんなにまた結婚式をやってもらいたい」と言う。

そしてお別れ会が始まった。先生方の歌で盛り上がった後、金八は最後の説教をする。「あなたたちは私のことを愛してくれました。私もあなたたちのことを愛しました。なぜならば、あなた方は愛するに値する素晴らしい生徒だったからです。」

全員で「贈る言葉」を歌い始めると、皆、涙が止まらなくなるのだった。

80年3月28日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 竹之下寛次

視聴率: 39.9%

DVD: 第8巻

参考文献・挿入歌

みどころ談義

● 終わりました…。
○ そうだねぇ。
● 皆さん、本物の涙でしたよね。
○ 本当はね、ラストの「贈る言葉」は、みんなで楽しく合唱して和やかに終わる予定だったんだって。それが、金八の横に座っている星野清が号泣してしまって、そうしたら周りもドンドンもらい泣きしていって、ああいうラストシーンになったそうだよ。
● そうなんですか。確かに清は金八先生の言葉の時点で既に泣いているようですし、くす玉を割る係だったのに近くの生徒に促されてやっと気づいてるようでした。
○ 卒業式でも結構早くから泣いていたよね。楽器演奏を指揮している時はあんなにノリノリだったのに、感動屋さんなんだね。
● 結局この会では4つの催しがあったと考えていいんですよね? 全員15歳、全員進路決定、心の結婚式、お別れ会。
○ それぞれにさりげない思いやりが見えるのがいいよね。弥市が一緒にロウソクを消してやったり、川村さんがお百度参りをしてくれていたり、麗子が手作りのブーケを雪乃に渡したりと、優しさを感じる。そして最後に金八が素晴らしいはなむけの言葉を贈る。
● 乾先生も涙を見せていました。結婚式に関しては、校長先生の鶴の一声というか、大岡裁きというか、それが大きかったと思います。「ごっこ言うたら遊びやないですか」という教頭先生の意見を制してくれました。
○ 今までの内容を振り返るまでもなく、金八という教師が成立するには校長の器の大きさが不可欠だったということ。それがここで再確認できたという面もある。
● 金八先生は校長先生が全面的に応援してくれたからこそ生き生きと指導できたんですね。第1話、吉村孝を探しにいく時から理解を示してくれていた。
○ 「心の結婚式」なんて、洒落ているよね。いい校長先生だったなぁ。
● 他の先生もめいめい味のある人ばかりでした。
○ 今回意外な歌で盛り上げてくれたように、今までも金八を支えて盛り立ててくれた。そして金八の最後のお説教。
● 名言が出ましたね。上のあらすじのところにもあるので二度は書きませんが、僕、あの言葉ずっと記憶してますよ。
○ 十五歳の愛がシリーズの軸だったからね。しかし「愛してくれた」「愛した」という言葉が決して嘘ではないんだということが、このラストシーンのみんなの涙でよく分かった気がするなぁ。
● シリーズを振り返っても、金八先生に「愛」が欠けていた回はありませんでした。打算で動いたこともなかったんじゃないでしょうか。まだ未熟で甘いと言われそうな部分もありましたけど、常に他人への愛情が基本線にあったというのはスゴイことだと思います。
○ そうだね。それからこの年代の子供たちにも様々な人間ドラマがあるんだということもよく分かった。まだまだ書ききれないほどの事件、悩みがあるんだろうね。
● それが次作以降で扱われるわけですね。「鑑賞ガイド」は第2シリーズへ続きます!
○ 宣伝上手だなぁ。

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