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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第2シリーズ 1話 「心を病む子供達(その1)」

今年も3年B組を担当する坂本金八(武田鉄矢)のもとに、一本の電話が入る。福岡の若杉病院に入院する世田谷一中時代の教え子、斉村高男(高野浩之)が金八と面会したいと言っているというのであった。金八は斉村の担任ではなく、国語の授業を受け持ったにすぎなかったが、斎村は金八の言った一言を心の支えに病気と闘っているのだという。金八はその言葉を思い出せなかったが、取るものもとりあえず福岡へ向かう。

若杉病院は思春期内科であった。国立大学付属高校へ進学したが壁にぶち当たった斉村は思春期心身症を患って監禁療法を受けており、また同様の子供たちが大勢治療を受けているのだった。この状況を目の当たりにした金八は衝撃を受け、「いとおしい3年B組からこんなかわいそうな子どもを一人でも出すような真似は絶対にしない」と決意する。

金八が病院をあとにしようとしたその時、金八が教師であることを聞きつけた患者・辰也(川上伸之)が、「教師」がいかに不義理で無責任で信用できないかを金八に捲し立てる。帰りの新幹線に乗り遅れる訳にはいかず、困惑しながらも博多駅へ向かった金八だったが、そのとき斉村にかつて言った一言を思い出す。

「地球はお前のために回っているんじゃない。長い人生、5分や10分人より先を越したところで一体それが何になるんだ。それよりも君は今、何をなすべきか。それを考えなさい。」

金八は病院へと取って返す。

80年10月3日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 竹之下寛次

視聴率: 27.2%

DVD: 第1巻

参考文献・挿入歌

みどころ談義

● 初回なんですが、東京の下町や桜中のシーンは冒頭に少しあるだけで、福岡の病院メインの話なんですよね。
○ 新しい生徒たちはもちろん、財津一郎さんの左右田先生に代わって川津祐介さんの神林先生が登場していたり、おシカさんが千石さんになっていたり、気になる点はいろいろあるんだけれど、そっちはまだおあずけってところかな。
● 加藤優もまだ出てきていないですもんね。
○ で、この第2シリーズ第1話なんだけれど、構造自体は第1シリーズの初回と似ているんだよね。金八先生に電話が掛かってきて、必要とされていると知った先生はは急いで駆けつけるという。そして「あの子がそんな悩みを抱えていたなんて!」という流れ。
● 前回は家出をした生徒・吉村孝から電話があって、電車で1時間40分かけて桜中へ急いだ金八先生。今回は病院からの電話で、新幹線で7時間以上かけて福岡へ向かっています。
○ 規模が大きくなっているよね。「思春期の子どもの『心』の問題」というテーマもはっきりと表明されているし、続編のイントロに相応しい初回だということが言えるんじゃないかな。
● 患者の青年から抗議を受けたシーンでは、教師への信頼が失墜している様子も感じられます。
○ 「『学校へ行くことはない』と言うと症状がなくなったりする」というのは金八先生にとってすごくショックだっただろうね。学校は本来楽しいところなんだという思いがあるから。
● 金八先生は最後、自分の言葉を思い出して引き返すことになりますね。
○ 「自分の都合のいい時は自己主張して、都合が悪くなると責任を転嫁する」ような子どもが増えている、という問題について病院の先生と話し合っていながら、結局一言は思い出せませんでしたが時間がきたので帰ります、じゃ矛盾しちゃうからね。
● なるほど。その問題を解決するには自分も自分の都合で動かない姿勢を見せて筋を通す必要があったんですね。
○ そういう考え方、いいよねぇ。

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