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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第2シリーズ 6話 「腐ったミカンの方程式 その2」

スナックZへ到着した金八(武田鉄矢)。岸森(古尾谷正人)、神津(田浦智之)、加藤優(直江喜一)から床に手をついて謝れと命じられるが「筋が違う」と聞き入れない。金八は謝罪ではなく話をしに来たのだった。社会への恨みを捲し立てる優に対し、金八は「それを学校に晴らすのはおかしい」と応戦、「いけないものはいけない。それが集団のルールだ」と訴える。興奮した優や神津が暴力の仕草を見せると、金八は「すきっ腹抱えて話し合いはできない」と強引に焼きそばを作りだす。

自分にもすさんだ少年時代があった、と思い出話をしながら料理をする金八。出来上がった焼きそばを皆で食べながら、「義務教育とは教育を受ける義務ではない。生徒には教育を受ける権利があるんだ。お前は教育の権利者だ。」と優を諭す。岸森は上林先生(川津祐介)に応援団長を任された思い出を語り、「みんな認められたいんだ。」と言う。金八はそんな岸森に「あんたに上林さんがいたように、加藤を俺に預けてくれないか」と頼み込む。権力を振りかざさず対話してくれた金八を信用した岸森は一応の納得をみせ、金八にとっておきの酒を振る舞うのだった。

スナックZからの帰り道、金八は優に「自分の名前の意味、知ってるか」と話し掛ける。「優勝の優で”まさる”。それを”やさしい”とも読むんだよ。いい名前だなぁ。昔、俺の先生が教えてくれたんだ。人の悲しみを分かってやれる人間が、人よりも優ってるって。そしてそういう人間は必ず、優しい人間なんだって。いい名前、大事にしなきゃ。」

翌朝、松浦悟(沖田浩之)も迫田八重子(川上麻衣子)の機転で無事登校し、3年B組が全員揃った中で金八は改めて優を紹介する。また教師たちは特別授業を実施して、優の学力を計ろうと努力する。

ところがそんな中、野村教頭(早崎文司)が自身の判断で「教育の限界を超えた場合、本校では加藤優についての責任は負いかねる」と教育委員会に通告していたことが発覚。教育のプロにあるまじき行為だと金八は激怒し、「加藤はミカンじゃないんです!」と涙ながらに訴える。「はっきり言って僕も自信がありません。でも最後までやらせてください。」と頭を下げると、君塚校長(赤木春恵)は了承するのだった。

80年11月7日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 竹之下寛次

視聴率: 25.9%

DVD: 第2巻

参考文献・挿入歌

みどころ談義

● 前回の続きの場面、金八先生が魑魅怒呂と話し合うためにスナックZへ行くところからのスタートです。
○ このスナックZのシーン、実に20分以上もあるんだよ。オープニングやCMを差し引くと、一話の約半分がスナックZ。
● 長いですねぇ。それだけ大事な場面だということですよね。
○ まず加藤優や神津とやり合うんだけれど、そこに金八という人間の基本姿勢が見えて面白い。
● 夕飯を作るだとか言って強引にペースを掴んで、自分の生い立ちから話して聴かせてました。
○ 「親がケンカになったら近所の人が土足で上がりこんできて止めてくれた」なんて、今の妙におせっかいな金八先生を作り上げたルーツはこれなのかと納得(笑)。
● 「仲が良かった隣近所みんな貧乏の子だくさんだったから」というのが少年期グレずに済んだ理由なんですもんね。
○ 「一度底辺を見ている人」というか。最初から変なプライドなんてないし、助け合い思いやりの精神の大切さを身に沁みて感じる環境にあった。くすぶっている者の気持ちも分かる。
● 金八先生の目線は上から見下ろしていない。そういうところが岸森のひとまずの信頼を得ることに繋がるんですよ。
○ 岸森は魑魅怒呂を卒業した後もメンバーから慕われているだけあって、物事を論理的に考えることができる人なんだよね。それに金八は荒んだ少年期の経験から不良の気持ちが少し分かるし、岸森は上林との経験から教師の気持ちが少し分かる。
● それから、金八先生が優に語った「お前は教育の権利者だ」という言葉は、今後効いてくる重要なキーワードですね。
○ そうだね。ラストで金八が泣いて訴える「加藤はミカンじゃないんです!」「僕も自信がありません。でも最後までやらせてください!」もあとあと重要。最終話まで見終わってからもう一度この回を確認したいよね。いろいろとまた感じ入ることが必ずあるはずだよ。
 
● 後半のほうで、松浦悟の家に何か問題があることもチラッと触れられますね。
○ 悟の母親は悟を「悟さん」とよそよそしく呼ぶし、お腹も大きい。
● うっかり「親の再婚離婚なんていくらでもある」と言ってしまった八重子は怒られますからね。今後どう展開するんでしょう?

その他の周辺状況・小ネタ


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