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第2シリーズ 11話 「クソまみれの英雄達」
桜中学3階の男子トイレが4基とも詰まり、悪臭を発するようになってしまった。年の瀬のこの時期は業者も忙しく、すぐには修理に来れないという。そこで金八(武田鉄矢)は自分たちの力で直そうと考える。
その具体的な内容は隠しつつ、一時間目の英語の授業に出なくていいという条件で手伝いを募集する金八。すると、多くの男子生徒が名乗りを挙げる。ジャンケンに勝った6人が金八についていくと、そこはなんと男子トイレ。「騙された」と憤慨する生徒たちだったが、金八が「自分たちの力でどこまでやれるかの実験だ」と言うと、しぶしぶ作業を開始する。徐々に配管の構造に興味が出始め、悪戦苦闘の末、1基の詰まりが解消すると、6人は喜びで一杯になる。
やがてチャイムが鳴るが、6人は止めようとしない。それどころか、作戦会議を開いて絶対に詰まりを解消させる構えだ。そしてついに、平尾久之(藤田秀世)の理論どおりの処置で全ての便器の詰まりが解消、金八と6人は歓喜に包まれる。
宿直室の風呂場で汗を流し合い、充実のうちに教室へ戻ろうとする彼ら英雄たちを、校内中の生徒や先生は心あたたかい拍手で出迎えるのだった。
みどころ談義
- ○ トイレ修理一つで物語一本! 金八シリーズ影のベストエピソードの呼び声高いのがこの回。
- ● 設定がまず面白いし、久之、幸一郎、繁好、勇気、康男、広二、生徒たちが本当に熱中して、満足げな顔がたくさん見られるでしょう。そういうところがいいんですよね。「1、2のズボッ!」って、楽しそうで。
- ○ よく考えると、この話の流れって金八先生の理想の縮図のような気がするな。気乗りしない生徒にモチベーションのヒントとなるようなことを与えて興味を持たせて、一緒に頑張って、生徒の力を引き出してやり遂げる。そこには裸の付き合いのような親睦や信頼関係がある、という。一年かけてやろうとしていることが凝縮されている。
- ● なるほど、そうですね。最初こそ騙し半分で連れてきてましたけど(笑)。
- ○ まぁでも、そこも100%の嘘ではないからね。「物事の原理を考えることができる頭脳が必要」だと言ったのを聞いて久之は名乗り出たわけだけれど、結局そのとおり、久之の理論が功を奏して解決に結びついたんだから。おかしな筋じゃない。
- ● 筋道を通して説明したから生徒は興味を植え付けられて、納得しながら修理に熱中できた。汚水のはね返りをあんなに嫌がっていた生徒たちが、いつの間にか汚い手袋のまま肩組んで円陣ですよ。これはスゴイ。
- ○ 手袋といえば、修理が終わった後、手袋したままみんな教頭と握手したでしょ。あれは笑ったなぁ。
- ● 野村教頭、ものすごく複雑な表情になって(笑)。そして、汚れを落とす風呂場のシーンも微笑ましかった。裸になるのを遠慮していた久之もそのうち馴染んで、珍しく金八先生に悩みを打ち明けたりするんです。
- ○ やっぱり団結して信頼関係が生まれると、素直になるよね。ましてや裸のつきあいだもの。泡の付け合いなんかしてみんな本気で笑っちゃって、すごくいいシーン。
- ● そして最後、全校を挙げての出迎えでこれ以上ないようなハッピーエンドというのも幸せな気分になれる部分ですよね。ホント影のベストエピソードです!
- ○ 実はあの最後の喝采は、表のベストエピソードである荒谷二中の警察突入シーンと対比になっているのかもしれないなぁ。両方に喝采を浴びるシーンがあるでしょ。理想的なこの場面があったから、権力に踏み込まれるあの場面がより鮮明になったのかも…というのは考えすぎかな。
- ● うわぁ、そうなるとまさに表と裏ですね。この回が印象に残るはずですよ。
- ● 設定がまず面白いし、久之、幸一郎、繁好、勇気、康男、広二、生徒たちが本当に熱中して、満足げな顔がたくさん見られるでしょう。そういうところがいいんですよね。「1、2のズボッ!」って、楽しそうで。
その他の周辺状況・小ネタ
- いきなり教室の壁を蹴破ってしまったのは、元気者の塚辺洋。
- それを皆笑って見ている中、いち早く助けに行ったのは、金八と加藤優。
- 松浦悟はその時、八重子が加藤の体を支えているのを見て嫉妬。
- この蹴破り騒動で、金八は始末書を書かされてしまった。
- それを修理に現れたのは、家業の工務店で働く3B卒業生の梅原明。長ラングループの一員だった子。
- 金八に同窓会の開催を催促しに来たのは、卒業生のお調子者安恵美智子、受験票を忘れた阿部トシエ、痴漢騒動の学級委員岡村一男。
- 加藤優、金八の許可を得てお歳暮配達のバイトをする。
- トイレ修理が終わって疲労が出た金八、思わず小便器に腰掛けてしまう。
- 折しもその頃、3年B組では理科の授業でアンモニアの化学式について勉強していた。
- 風呂で気分がよくなり「青い珊瑚礁」を歌いだした岩沼幸一郎は、すごくきれいなもち肌。
こぼれ話
風呂のシーンで、岩沼幸一郎がそのふくよかな体を生かしてオッパイの谷間を作ってはしゃいでいると、想像力豊かなある男子が思わず下半身を反応させてしまった…という逸話が。武田鉄矢さんがよく裏話として聞かせてくれる、おかしくも微笑ましいエピソードです。