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第2シリーズ 25話 「サヨナラ金八先生」
いよいよ卒業式。教室には美術の卒業制作である金八の肖像画や胸像が一面に飾られていた。ともに過ごしたたくさんの出来事が金八(武田鉄矢)の胸に去来する。
式の直前、金八は土屋英樹の姉・珠子(日向明子)に何やら手紙のようなものを手渡す。それは手作りの卒業証書だった。以前国語の個人授業をした珠子への、金八ならではの心配りだったのだ。
やがて式は厳かに始まり、滞りなく進んでゆく。ところが、加藤優(直江喜一)が卒業証書を受け取る段になると会場はざわつきはじめ、さらに、答辞を読む卒業生代表として加藤の名前が呼ばれると騒然となる。しかし、加藤はそれらの声を制し、言葉は乱暴ながらも素直な感謝の気持ちを堂々とスピーチする。君塚校長(赤木春恵)も「加藤君のおかげで私ども教師は改めて教育とは何かを学び得ることができました」と挨拶し、会場はあたたかい拍手に包まれるのだった。
謝恩会の席で、金八は最後のお説教を話し出す。「君たちは決して良い生徒ではなかった。むしろ悪い生徒だった。しかし、悪い生徒の中にこそ美しい魂が宿っていることを、君たちは先生に教えてくれました」。生徒たちの目からは涙が溢れていた。
教え子が巣立ち誰もいなくなった教室で、金八は不遇のままに急逝した荒谷二中の誠実教師・米倉のことをひとり思う。「私は学校を、教育を、そして生徒たちを、どこまでも信じます」と強く誓うのだった。
みどころ談義
- ● 第2シリーズの最終回です。
- ○ 最後まで加藤のシリーズだったなぁ。答辞、気持ちが入ってたよね。
- ● 同感です。今回の見どころは当然その答辞ですね。「勝手にすねるな!」という言葉には説得力がすごくあったし、「桜中学は、俺の母校です!」だなんて感動…。それから、久しぶりにホッと笑える小ネタシーンがふんだんにあったのも楽しめましたね。このところは荒谷二中絡みのシリアスな回が続いてましたから。
- ○ 証書授与で躓いてコケそうになる生徒とかね。
- ● お約束のハプニングなんですけどやっぱり面白いんですよ。
- ○ 最後の、歌うたいながら感極まって号泣、というのも、お馴染みのシーンではあるんだけどついホロッともらってしまうよね。去年とは違う生徒たちだからそれぞれまた違った思いがあるんだなと思うし。
- ● そのとおりですね。やっぱり様々なことを感じながら夢中になって見ることができるいいドラマだと、改めて思いました。
- ○ ただこの回で一つ気になることがあって。
- ● 何ですか?
- ○ 冒頭で金八先生が持ってきてた、茶色い風呂敷に包まれたデカい額縁のようなもの、あれ結局何だったのかなって。後半では出てこなかったように思うんだけど。
- ● あれ、たしかにそんなのあったような気がしますね。
- ○ 謎を残したまま終わっていく第2シリーズ…。
- ● あ、あれじゃないですか? 正装用に38000円で買ったという新品の礼服を箱ごと持ってきたとか。それなら大事に抱えてても不思議じゃないですもん。
- ○ なるほどそうか、謎が解けたかも! これでスッキリして第2シリーズを見納めることができるよ。ありがとう。そしてさようなら〜。
- ● コラー。こんな終わり方でいいんですか〜。
- ○ 最後まで加藤のシリーズだったなぁ。答辞、気持ちが入ってたよね。
加藤優 答辞全文
俺は、この桜中学に来てまだ半年も経っていない。けどその俺が卒業生代表となったのは、この中学で、この俺ほどいろんなことを叩き込まれた奴はいないからだと思っている。
俺はミカンなんかじゃない。俺は人間だ。それを教えてくれたのが、ここの先生方や、お前らなんだ!
だから、一年生二年生の諸君に言っておく。この俺を手本にしろ。勝手にすねるな!
この学校には、お前らがぶつかっていけば体ごと受け止めてくれる先生がいるんだぞ! こんな学校他にはなかなかないんだぞ! この桜中学の生徒であることを誇りにしろ! てめえの中学に誇りを持て!
俺たちも、この桜中学の生徒であったことを誇りとし、頑張ることを誓います! 桜中学は、俺の母校です!
その他の周辺状況・小ネタ
- 冒頭、楓中からの要請を受け警戒に向かう大森巡査。校内暴力の機運はまだまだ消えたわけではない。
- 登校途中、信号の盲人用ボタンを押して金八に怒られる佐藤マキ。思いやりと想像力が大事。
- 卒業式にあたり、一張羅におめしがえする金八。去年は礼服を教頭から借りた金八だが、今年は38000円で自腹購入。ネクタイ小さっ!
- その礼服、サイズが合わないようで、金八は田沢先生に寸法調整してもらっていい気分。その様子を見た国井先生、二人が抱き合っているのかと勘違い。
- 卒業式。父兄はみな正装で見守る中、台所事情の苦しい加藤の母親はいつものカーディガン。
- 卒業式直後に謝恩会が開催される強行スケジュール(笑)。テーブルには椎野一の手作り料理も並んでいた。