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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


◆ 第3シリーズ 1話 「ウンコの旅」

金八(武田鉄矢)はこの春から松ヶ崎中に赴任していた。受け持つのは昔と同じ、3年B組だ。

中間テストが終わったある日、3B生徒の加藤敏治(田賀平)は、保健室でこっそりと牛乳を飲んでいるところを副担任の真野先生(石黒賢)に見つかり、盗みの疑いをかけられて職員室へ引き出される。しかしその牛乳は、毎日朝食抜きで登校する敏治のために、養護の三上先生(樫山文枝)が保健室に常備しているものであった。

生徒の健康面を心配した金八は、帰り足で敏治の家を訪ねる。すると、両親は共働きのため不在で、敏治は幼い妹、弟とともにカップラーメンやお菓子で夕飯を済ませようとしていた。これがいつもの夕食だという。見かねた金八は肉野菜炒めを作ってやり、一緒に食して帰途につく。

松ヶ崎中で生活実態調査のアンケートを行ったところ、朝食をとらない生徒は全体の25%にものぼることが判明。三上先生は「人間らしい生活が崩れている」と危機感を強くする。職員室では気力のない生徒が増えていることとの関連性を指摘する声が上がり、生徒や親と一度しっかりと話し合うことが必要だとの意見が出る。

金八は早速、HRの時間を使って「生活リズムの見直し」についての講義を始め、快眠、快食、快便が人間にとっていかに重要かを力説する。すると翌朝、一日のエネルギー源を確保するのだとパンを買い食いしながら元気に登校してくる敏治の姿があるのだった。

88年10月10日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 生野慈朗

視聴率: 27.3%

DVD: なし

小説本: 第8集

参考文献・挿入歌

 みどころ談義
● 第3シリーズのスタートです! 今回は舞台が桜中ではなく松ヶ崎中になってますね。
○ いつもなら生徒だけが全員入れ替わって、職員室には見慣れた顔がいたもんだけど、今回は学校が変わったから教師陣も新顔ばかり。
● でも実は、場所はほとんど同じです。荒川の土手を歩いて、堀切駅が出てきて。大森さんもいますからね。
○ タイトルバックには、ゴミ出しのおばちゃんも外国人のランナーもいるよ。そのへんはいつもの金八かな。下町を舞台とするのは変わらない、と。
● で、本編なんですけどね。タイトルがいきなり「ウンコの旅」! これはインパクトありました。生活習慣がただれて気力まで失っていた敏治という生徒を立て直すという回です。
○ どこか覇気のない子どもたちを「スポーンと一本バナナ!」なんて面白おかしい言い回しで惹きつけるのはよかったなぁ。それと、敏治に切り絵の才能があるなんて何の関係があるんだ、と思ったら、ラストシーンで使ってきた。
● ちゃんと前フリになっていたのはお洒落でしたね。
○ もし敏治の趣味が粘土細工だったら、と思うと怖いよ。リアルな作品が出来上がっちゃってただろうから、お洒落なラストにはならなかった。
● くだらないですよ(笑)。しかし敏治の家のだらしなさにはビックリしました。今までのシリーズでは家に必ず心配してくれる大人がいたように思いますけど、放って置かれるというのは初めてですかね。
○ 社会の寺尾先生が象徴的なことを言ってるよ。生活調査アンケートに親からクレームが入った場面で、「抗議もしてこない無関心な親の方が問題なんでしょうね」って。
● それが敏治の気力のなさに繋がっていたと。
○ やる気がないのは敏治だけじゃなくて、掃除のシーンなんて見ると分かると思うけど、割と多くの生徒がだらしなくやってるのね。これはもう第2シリーズと比べると正反対。あの頃は有り余るエネルギーをどこにぶつけようか、という感じだったでしょ。でも今回は朝食をしっかり採らないから一日のエネルギーが蓄えられないんだ、という話になってる。
● 8年も経つと時代は変わるんですね。「でも皆が…」「でも親が…」と言い訳する生徒のセリフが何度か出てきましたし、自己を見失ってる生徒が増えているというのが、このシリーズの特徴になるんでしょうかね。
 目薬事件!
この第3シリーズ1話は、「目薬事件」があった回としてマニアの間ではつとに有名である。
「生活リズムの見直し」についてのHRの最中、講義する金八が語りながら教室の後ろ側へ移動していくシーンがあるのだが、そのとき最前列に座る杉浦かよが目薬をさしているところがチラッと見切れる。そしてその次の瞬間、かよは金八の話を聞き「怖い!」と言って泣き出すのだ。つまり、涙がこぼれるように細工しているところがカメラにバッチリとらえられ、そのまま放送されてしまったのだ!
録画している人は、チェックチェック!
 小ネタ/周辺状況
◆早合点で生徒を犯人扱いしたり、弁当を口に頬張りながら電話に出たりしまう、うっかり者の3B副担任、真野先生。トラブルメーカーの予感?
◆生活実態調査のアンケートに「やりすぎだ」と抗議したのは、倉橋和幸の母親。
◆乙女と幸作が登場! 乙女は小学校低学年、幸作は幼稚園児? アマゾネス里美は飲み会だったのか、泥酔して自宅に電話を掛けてきた。
◆敏治が切り絵名人になった理由の一つに、両親が床屋を営んでいる関係で、小さな頃からハサミが身近だったことがある。
◆養護の三上先生は、子どもの生活実態について、金八の妻である里美と共同研究しているという。
◆一番後ろの席に座る高峰英和、金八に「マイク・タイソン」と呼ばれてしまう。確かに似ている。
◆このシリーズから、城之内ミサさんが音楽を担当している。
 他シリーズとの関連
■長い人生…
テストの点数が気になって仕方がない吉人に、金八が「長い人生、一日や二日焦るなよ」と諭すシーンがあるが、これは第2シリーズ1話で斉村高男に言ったものとほとんど同じ。

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