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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


◆ 第3シリーズ 2話 「新人先生は一年生」

山津教頭(橋爪功)の強い希望で、松ヶ崎中が給食研究指定校に立候補することになった。「偏食を一掃して、心身健全なる若者を育てる」と胸を張っている。多くの教師が鼻白む中、新人の真野先生(石黒賢)は、やる気になった様子だ。

金八(武田鉄矢)が出張で不在となった。3Bを任された真野は、給食の時間になると「今日から食べ残しは認めない」と自信たっぷりに宣言する。生徒たちがうんざりするのにも気づかず、イッキ食いをさせようとしたばかりか、食べ切れなかったおかずは放課後に再挑戦させるという。驚いた三上先生(樫山文枝)は教頭に伺いを立てるが、教頭は真野の熱心さを褒めるばかり。

結局、給食を残した5人のうち4人が居残った。しかし食は進まず、倉橋和幸(岩国誠)の悪知恵で、真野が席を外した隙に高峰英和(倉田照三)のカバンへそれぞれが残り物をぶちまけて食器を空にする。完食したと思い込み気をよくした真野は、ひとり逃げ帰ってしまった辻村美奈(宮島依里)の家まで残り物を届ける。嫌いなニンジンを目の前で食べるよう勧められ逃げ場のなくなった美奈は泣き崩れ、翌日学校を欠席してしまう。

この顛末を知った金八は、力ずくではないやり方で生徒をその気にさせてやろうと決意する。食べ残しを容器に戻さずポリ袋に集めてこっそり捨てるというインチキを認めるかわりに、飢えに苦しむ子どもたちが世界中にたくさんいることを語って聞かせ、「明日からはこういうことも考えながら給食に向かってください」と伝えるのだった。真野は自分の指導法を反省し、美奈の家に行き頭を下げた。

88年10月17日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 竹之下寛次

視聴率: 25.2%

DVD: なし

小説本: 第8集

参考文献・挿入歌

 みどころ談義
● 副担任の真野先生が始めてクローズアップされる回です!
○ 若い情熱が空回りするということなんだけど、ちょっとこれ極端だよなぁ〜(笑)。
● たしかに、イッキの掛け声にしても居残りにしても、「そこまでおバカでいいの?」と思っちゃう部分はありました。真野先生って常識の軸がちょっとずれちゃってる印象で。
○ でも、決して悪意があってやってるわけではないというのがポイントだよね。たとえば、始まって15分ぐらいのところで三上先生に「好き嫌いを克服しようと生徒と誓い合った」なんて事実じゃないことを報告するシーンがあるんだけど、これも都合よく嘘をついているんじゃなく、意気込むあまりそう思い込んじゃってる、という。
● 陽性で、悪気がないから責められないですよね。この捉えどころのなさは、金八先生が新人だった頃にはなかったものですよ。価値観の違いなんでしょうか?
○ 時代が変わったという部分はもちろんあると思うよ。職員室を見ても金八先生よりも年下の先生が、真野、寺尾、田原と3人もいるんだもんな。当然ジェネレーション・ギャップも出てくるよ。
● なるほど。金八先生が第1、第2シリーズとは違う立場になった、ということもできますね。生徒の他に後輩の教師も指導するような立場になった。その象徴的存在として真野先生がいるんだ。
○ ラストでお酒の誘いを断られたところを見ると、二人のギャップはまだまだ埋まらなそうだね。
 小ネタ/周辺状況
◆ 真野先生自身は食事の好き嫌いが全くない。
◆ 山津教頭はイモとカボチャが苦手。戦時中に米の代用食で食べさせられた後遺症で、食べる気になれないらしい。(このあたりの金八と教頭の舌戦は面白い!)
◆ 金八は鶴田竜一を「正直地蔵様」、織田真紀を「インカ帝国の女王様」、沢田政希を「南太平洋の少年」とそれぞれ名づける。

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