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◆ 第3シリーズ 3話 「穴があったら入りたい」
ある朝、金八(武田鉄矢)がいつもより早めに学校へ着くと、まだ開いていない正門の側にひっそりと水野君恵(岸雅)が立っていた。君恵は皆の輪の中に入れず、保健室授業を続けている。金八は、君恵を3Bの教室に迎え入れることを二学期の目標の一つにしようと生徒たちに呼びかける。
職員室で三浦泰久(宝田慎一)が体育の村井先生(白石貴綱)に絞られている。校庭に穴を掘ったというのだ。他人事のように気のない返事をしていた泰久は、授業が始まると姿をくらまし、やがて酔っ払った姿で戻り再び騒ぎを起こす。酔いがさめるのを待って金八が話を聞くと、どうやら数学を理解できないことが原因のようだ。これを聞いた三上先生(樫山文枝)は、数学の時間だけ保健室で預かり算数を教えることを申し出る。泰久と机を並べることをはじめはためらった君恵も、ほんの少しではあるが心を開きだす。
君恵が泰久といても大丈夫だったと知った3Bは、教室に迎えるきっかけになればと、数名が保健室で一緒に給食を食べることにしようと決める。ところが君恵はにぎやかな面々に気後れし、居たたまれずに走り出て行ってしまう。泰久はひとり後を追い、土手で君恵を見つけると、君恵のぶんもと二人分の穴を夢中で掘りはじめる。遅れてやってきた金八が穴掘りをやめさせようと手を伸ばすと、君恵は必死にそれを押さえようとするのだった。
教室に戻った泰久は、「あの子、小学校のときイジメにあっていたんだ」と皆に教える。君恵に自分のこと語らせたクラスメート第一号となった泰久を、金八は「君恵の心に小さな風穴を開けたのかもしれない」と褒めた。
- みどころ談義
- ● 水野君恵と三浦泰久、ダブル主役と言っていい回だと思います。
- ○ 君恵は保健室で勉強している様子が初回からずっと出てきていて、全く喋らないのが気になってたよね。泰久は学校では授業についていけず、家ではケンカしがちな親に言い返すことが出来ず、どこかに消えてしまいたいと思っている子。
- ● しかし君恵は泰久と一緒に勉強することをよく承諾しましたね。
- ○ 君恵は本当は友達を作りたいという気持ちを心のどこかに持ってるんじゃないのかな。家を出たのに保健室に来ていない、という時だって、街をふらつくでもなく、人けのない場所に逃げるでもなく、きちんと正門の前までは来てたじゃない。学校自体は好きなんだと思うなぁ。
- ● やっぱりイジメられた経験が残ってるというか、ショックが抜けなくてああいうことになってるんでしょうね。
- ○ 金八が酔っ払った泰久の頭に水道の水をジャーっとかけたシーンで、君恵がやけに怯えた様子になってたけど、もしかしたら同じようなことをイジメっ子にやられていたのかもしれない。となると、結構ハードなイジメられ方をしていたのかな…。
- ● その心を開かせたわけですから、泰久の穴掘りの趣味もたいしたもんです。
- ○ 地面に穴を掘るという奇妙な行動でもやもやを昇華させて、そこに連帯感が生まれるというのもよく考えたら怖い話だけど…。ひとまずよかったのかな。穴ぼこに足をとられて怪我をした一義には迷惑な話だっただろうけどね(笑)。
- ● あの怪我をした一義って、いま有名になっている萩原聖人さんですよね?
- ○ そうだよ。若いよねぇ。麻雀はこの頃から強かったんだろうか(笑)。
- ● こらこら。
- ○ この第3シリーズには後に活躍する俳優さんが結構出ていて。成瀬浩二役はV6の長野君、谷口健治役は元SMAPの森君、それから東正広役はなんと浅野忠信なんだよ! 豪華だよねぇ。
- ● まだみんな目立ってないですけどね。これからクローズアップされてくるのかな?
- ○ 君恵は保健室で勉強している様子が初回からずっと出てきていて、全く喋らないのが気になってたよね。泰久は学校では授業についていけず、家ではケンカしがちな親に言い返すことが出来ず、どこかに消えてしまいたいと思っている子。
- 小ネタ/周辺状況
- ◆ 校長の話によると、泰久は一年生の頃に鉄筋の柱をヤスリで削るいう事件を起こしていたらしい。
- ◆ 三上先生は、リンゴの切れ端を使って泰久に分かりやすく分数を教える。
- ◆ 稲垣久枝は、首を前後左右に自在に動かせる特技を持っている。
- ◆ 三上先生は、リンゴの切れ端を使って泰久に分かりやすく分数を教える。
- 参考文献/挿入歌/BGM
- ◇ 【詩】 地下水 (川崎洋)
- ◇ 【合唱曲】 冬が来る前に (紙ふうせん)
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- ◇ 【合唱曲】 冬が来る前に (紙ふうせん)