ホーム > 放送年表/鑑賞ガイド > 第3シリーズ4話
◆ 第3シリーズ 4話 「金八の掃除戦争」
3Bの投げやりな掃除態度が職員室で話題になっている。子どもの情操教育に危機感を感じた金八(武田鉄矢)は、思い切った手段に出ることを決意し、クラス全員から掃除をする権利を取り上げると宣言。若くない体に鞭を打ち、一人黙々と教室の掃除に取り組む。梅田恵美(飯塚園子)ら数名の生徒は慌てて謝るが、金八はダメだと一喝する。
掃除当番は金八の掃除が終わるまで帰宅が許されず、手持ち無沙汰に。そのうち倉橋和幸(岩国誠)が「これは金八の復讐だ」と決め込み、塾へ行くのを妨害されていると職員室へ訴え出る。しかし金八は、勢い込んでやって来た山津教頭(橋爪功)を「学級経営の問題だ」と突っぱね、一歩も引かない。翌晩には気に病んだ恵美が金八の自宅を訪ねるが、ここでも金八はとりあおうとしない。根くらべの様相だ。
4日目になると、3Bの様子が変わってくる。教室にゴミ箱が増え、落ちているゴミも目に見えて減っているのだ。5日目には、自習の時間に生徒たちが自主的に教室の掃除をしはじめる。しかしそれでも金八は、自分たちが放棄した掃除の権利をなし崩しに認めるわけにはいかない、と厳しく言い放つのだった。すると学級委員の石川克彦(町出淳一)は、帰りの学活を自分たちだけでやらせてくれないか、と思いつめたように懇願する。
学活は他のクラスより長引いた。金八は待たされ、時計が午後5時を指した頃、ようやくクラスの総意として掃除をやらせて欲しいとの結論に達したと報告を受ける。このあたりが潮時とみた金八は、そこまで言うならと権利を返すことに。晴れて掃除の権利を得た3Bは、今日は遅くなったからと、クラス全員が当番となって掃除に取り組むのだった。
- みどころ談義
- ● 「この物語は、ある中学教師が掃除をしない生徒に闘いを挑んだ、激動の5日間の記録である—」 なんちゃって。
- ○ あはは。激動というよりは、地味〜な戦いだったなぁ。
- ● しかし金八先生は根気よく待ちましたよ。体のあちこちを筋肉痛にしながら頑張ってました。
- ○ 第2話の給食残しエピソードに続いて、力ずくではないやり方で生徒のやる気を引き出したというところかな。はじめは掃除が終わる5時近くまで生徒が待ちぼうけをくっていたんだけど、最後には生徒たちの自主的な話し合いを逆に金八先生が待つ、ときれいに逆転する展開がよかった。
- ● それから、アマゾネス里美先生がこのシリーズで初登場するのがこの回なんですよ。相変らず迫力あるハスキー・ボイス(笑)。家で教育論を真面目に戦わせているあたり、熱くていいです。乙女も幸作も利発そうに育っているのはそのおかげでしょう。
- ○ 坂本家の場合は夫婦二人とも先生だから、教育論も白熱するよね。でも家庭の仲のよさというのが基本にあるから、それが見えるシーンがちょくちょく挟んであったのは、金八と冷戦状態になっていた3Bとのコントラストになって効果的だったと思うな。
- ● 給食の時間なんてシーンとしてましたもんね。ああいう3Bが見れることはなかなかないです。
- ○ 生徒もこのあたりになるとキャラクターがはっきりしてきたよね。
- ● 今回は真面目ではきはきした学級委員の恵美が中心的役割でした。あとはいつも天然ボケの敏治がいい味出してたり、おしゃべりな智香子がいて、ちょっと突っ張った雰囲気で一言チクリとやる裕子がいて…。
- ○ それと和幸の小憎らしさ! ああいう生徒には苦労させられるよなぁ。「復讐だ」なんて言って教頭先生まで担ぎ出してきて。
- ● 天路先生の叱咤がなければ、金八先生も途中で挫けちゃってたかもしれませんね。
- ○ あはは。激動というよりは、地味〜な戦いだったなぁ。
- 小ネタ/周辺状況
- ◆ 渡辺郁恵は光GENJIのファンで、机の中に写真を貼っていたが、金八に全部剥がされてしまった。
- ◆ いつもおしゃべりな阿部智香子、少々舌足らずなのか、ゴミ箱を「ごん箱」と発音してしまう。
- ◆ 里美先生が「今の生徒は心がツルンとしている」というシーンがあるが、この言葉は、葛飾区の養護教諭、富山芙美子先生が仰ったもの。第2話の生活実態調査アンケートも富山先生のデータを参考にしたものだとのこと。
- ◆ いつもおしゃべりな阿部智香子、少々舌足らずなのか、ゴミ箱を「ごん箱」と発音してしまう。
- 参考文献/挿入歌/BGM
- ◇ 【書籍】 たった一度の中学時代だから (関誠著、高文研)
- ≫詳しく見る