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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


◆ 第5シリーズ 6話 「踊る!大文化祭」

まもなく文化祭。平吹有里子(金井愛砂美)が久しぶりに登校してきた。一方の市村篤(内田祐介)は有里子との一件で兼末健次郎(風間俊介)という厄介な存在をより強く認識し、金八(武田鉄矢)へ「3Bには卑劣極まりない奴がいます」とメールを送信、問題が解決しない限り学校へは行かないと宣言する。金八はか細い篤からの意を決した告発に驚くとともに、篤が思い詰めているのではと心配になる。

3Bが練習するソーラン節に血が騒いだ遠藤先生(山崎銀之丞)はその指導役を強引に譲り受け、「ソーラン節とダンスのジョイント」という生徒らの提案に全く聞く耳を持たずにスパルタ練習を開始する。これに反発したダンス組は花子先生(小西美帆)のもとで独自に練習することとなり、遠藤の威圧的な指導に嫌気が差してソーラン組からダンス組に鞍替える生徒も現れる。

ソーラン節の練習は激しさを増し、心臓に持病のある山田邦平(五十畑迅人)が倒れてしまう。遠藤はその無茶な指導ぶりを金八に叱責されるが、邦平は「バラバラなクラスがまとまっていく気がした、だから僕もその中の一人でありたかった」と言い、リタイヤせず一緒に踊りたいと懇願。心を打たれた養護の本田先生(高畑淳子)は、決して無理をしないという条件で邦平の参加を許可する。遠藤は目的を見失っていたことを反省し改心、「ソーランチームとダンスチームの合同で文化祭に参加させて欲しい」と花子に頭を下げる。

そして文化祭当日。自分たちならではの趣向を凝らし、まとまった演技を見せた3年B組の「桜中学ソーラン節」は喝采を浴び、準々優勝を獲得する。喜びに湧く生徒たちを、金八は皆の協力あってのこの結果だと称え、遠藤の目からは涙があふれる。「この輪の中に篤がいれば」。その思いを強くする金八であった…。

99年11月18日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 鈴木早苗

視聴率: 15.7%

DVD: 第3巻

小説本: 第16集

参考文献・挿入歌

 みどころ&勝手な解説
● 文化祭の本番を迎える回なんですけどね、ここでのソーラン節はちょっと特殊というか、ダンスやローラーブレードも取り入れたアレンジ・バージョンなんですね。
○ バーバラも口上で「三段ロケット方式 桜中学ソーラン節」と紹介してたもんね。
● そうなんです。ざっと見てみますと、まずバーバラの一輪車、明彦・幹洋・好太・ヒルマンのローラーブレードで幕を開けて、センターのお年寄りの三味線とカオルの和太鼓、三郎と祥夫のギターに合わせてまずはソーランチームが踊り出すんです。後に女子のダンスチームが参加して、美佳子と真規子はタップを披露…と。
○ なかなか盛りだくさんだなぁ。
● これがなかなか見事な出来栄えで、金八は舞台袖で涙を流すし、3Bと遠藤の関係や、有里子と花子の関係も良化するっていう。いい話なんだけど…
○ それだけで終わらないのが今回の金八。健次郎は面白くないし、篤は引き続いて不在…。
● その篤なんですけど、3Bに影の首謀者がいることについて、ついに金八先生に話しましたよ。
○ うん、もちろん金八もそういう生徒がいることは感づいていたんだけれど、これでいよいよ確定した。しかも有里子の件にもその生徒が関わっていて、このままでは被害者が増えるばかりだとまで言っている。事態はかなり深刻だと金八に伝えたわけだ。
● 思えば金八先生は中野先生から引継ぎを受けてないんですよね。生徒個人やクラス全体についての基本的な情報もないまま、問題は次から次へと増えていって…大変だ。
○ これからもっともっと大きく動きそうだしね。
● さて、この他に今回で印象に残ったのは、倒れても「やらせてください!」と懇願する邦平のベタな青春っぽさと、その中で遠藤先生が乙女にプレゼントしたはずの赤いスカーフがよくアクセントになっていて面白かったです。
○ あはは、あれは笑っちゃったねぇ。趣味の悪いスカーフがどんどんタライ回しにされて。乙女と遠藤先生の奇妙な関係はここから始まるんだなぁ。
● で、最後、忘れちゃいけないのが、金八先生が健次郎の手をとるシーンだと思うんですけど。
○ 健次郎のあの表情、単に誉められた様子を幹洋たちに笑われたのが腹立たしかったのか、それとも金八に感づかれたと思ったのか…。
● その両方かな、と僕は思っているんですが、どうかなぁ。
 小ネタ/周辺状況拾い読み
◆合唱に自信を見せるC組担任・北先生は、自称「パバロッティ北」。パバロッティというのは世界的なテノール歌手の名前で、ドミンゴ、カレーラスと並ぶ「三大テノール」の一人。
◆遠藤先生は「ブルース・リー」と呼ばれている模様。こちらは言わずと知れたカンフー・スター。
◆ソーラン節の三味線を弾いたセンターのお年寄りのうち一人は、デラのお婆ちゃん。だからデラははじめからセンターに好意を持っていたんだね。
◆A組の英語劇は「ハムレット」。
◆センター企画と思われる巨大折鶴がサイズが大きすぎたため体育館から出ず、金八のアイデアで天井から吊るすことにして見事に共存に成功したシーンが実に象徴的だった。センターと学校の共栄という意味で。
◆演技終了後の教室で、金八が「よくやった」と健次郎の腕をとり高々と万歳すると、ここで健次郎は過剰な反応を見せる。影にいた明彦・ヒノケイ・幹洋を次々と机に向かって突き飛ばし、踏みつける。金八が話をしているため皆は気づかない。
 この回に登場した文献/挿入歌
◇ TAKIO’S SOHRAN 2 (伊藤多喜雄&TAKIO BAND、「NIPPONESE SONG〜産土〜」に収録)
◇ 続々・文化祭企画読本 (高文研)
◇ 若い翼は (合唱曲)
◇ 農民芸術概論綱要 (宮沢賢治著、新潮文庫「宮沢賢治万華鏡」に収録)
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