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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


◆ 第5シリーズ 13話 「私立推薦入試開始」

私立高校の推薦入試が始まり、生徒たちはセンターのお年寄りが作った折鶴をお守りに会場へと向かう。幸作(佐野泰臣)は初恋相手の安井ちはる(岡あゆみ)と同じ高校を受験することになり心躍るが、そのちはるから恋敵・兼末健次郎(風間俊介)の力になって欲しいと頼まれ動揺、試験が手につかない。また、気が弱い塩沢好太(森雄介)が心配になった落合加奈恵(中島由香里)は、側にいてやるのだと言って自分の受験をすっぽかしてしまう。

入試終了後、幸作は健次郎を呼び出し、ちはるの心配を伝える。しかし健次郎は自分には関係ないと精一杯の強がりで突っぱね、二人は取っ組み合いの大ゲンカに。家に戻った幸作が「女って残酷だよ」と気を落としている頃、健次郎は花子先生(小西美帆)のアパートを訪ね少しずつ不安を打ち明けていた。姉の面影とだぶる花子に…。しかし結局、心に重くのしかかる兄の嘘のことは言い出せないのだった。

翌朝の登校風景には、ちはるに心配を掛けまいと努めて明るく健次郎に接する幸作の姿があった。花子は健次郎から相談を受けたが荷が重いと金八に相談し、健次郎の顔に殴られた痕があったと聞いた金八は幸作との間に何かあったと確信する。3Bでは次々と合否が明らかになり、生徒の明暗分かれる季節がやってきた。

00年1月20日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 鈴木早苗

視聴率: 17.2%

DVD: 第5巻

小説本: 第17集

参考文献・挿入歌

 みどころ&勝手な解説
● いよいよ入試の時期が到来! 気合十分の慶貴のような生徒がいる中、加奈恵は好太のことが気になっちゃって…という13話なんですけど、正直、今回は幸作に尽きますね。
○ 全くその通り。前回の感想で「健気な幸作」ってちょっと書いたんだけど、今回まで取っておけばよかったなぁ。初恋の人の理不尽なお願いに心惑わされ、受験に失敗し、しぶしぶ橋渡しになるも身体に傷を負い、心も痛めて、それでもちはるを苦しめまいと明るく振る舞う…。いい奴だなぁ。
● 「女って残酷だよ」と言ってましたもんね。もっと経験を積んだ大人が持つような感想だと思いますけど、この仕打ちの後だと説得力があります。
○ 悲惨なコメントなのにどこか笑えてしまうのが幸作らしい(笑)。でもいつも割りを食う扱いが多い幸作にしても、今回はホント可哀想で同情するよ。ちはるは幸作の気持ちに気づいてないとしたら相当天然だな。第1シリーズで沢村正治の思いに気づかなかった悦子先生並の鈍感さだよ。
● それになにも受験当日に言うことないんですけどね。この不合格で幸作はちはるちゃんと同じ高校へ通える可能性が消滅したんですよ。ついてないよなぁ…。
○ 健次郎は空手の心得のあるツワモノだった、ってのも幸作には不運というか。あの殴り合いは70年代青春ドラマも真っ青のシーンで笑っちゃった。
● 川にまで入っちゃってましたもんね(笑)。
○ そういえば、翌朝に幸作が健次郎にむりやり話し掛けてた内容、ちゃんと聞いた? バナナとリンゴと桃の話してるんだよ。
● 果物の話?
○ そう。自分をバナナ、健次郎をリンゴ、ちはるを桃に例えるというホント低レベルで無意味な話。不幸になりすぎて幸作、壊れちゃってるよ…。
● あはは。でも壊れるのも無理ないですよねぇ。失恋ショックと不合格ショックが重なってるわけですから。
○ 頑張って気持ち切り替えて、もう受験勉強に励んで欲しい、っていうのは…やっぱり可哀想かな。
● 今回その他のポイントとしては…健次郎のお姉さんはスキー場で事故死だったってことが明らかになりました。でも面影が似た花子先生は「私に兼末君のことは荷が重い」って、距離をとりそうで…。
○ それがまた健次郎にマイナスに作用するんじゃないかと、心配になるね。
● クラスから完全に省かれて、表情からもだいぶ不安な様子が感じられるようになってます。
○ もともと家庭で鬱積していたものを学校で吐き出していた健次郎がさ、学校でも鬱々となったらコレ、どうなっちゃうよ?
● 捌け口がなくなっちゃいますね。うーん、どこまで堕ちてしまうんだろうか…。
 小ネタ/周辺状況拾い読み
◆乙女は看護婦を志望している模様。また、乙女がキレイになったとかボーイフレンドがどうだとかやたらに強調されているが、今後の布石なのだろうか?
◆遠藤先生は九州男児である模様。金八と同郷ということは、福岡出身なのだろうか。
◆合格発表は…潮田:サオリ○、敏江○、祥夫×、アスミ×、友子○。陽光:有里子○、恵美○、ちはる○、美歌子×、三郎×、幸作×。青葉:雅子○、幹洋○、ヒルマン×、好太×、照孝×。
 他のシリーズでは
■お守り
…センターのお年寄りが折鶴を折って生徒のお守りにしたが、劇中のセリフにもあったように、第4シリーズでは「タコヤキお守り」が受験生の心を支えた。
■受験でケンカ
…バス停で大森巡査が「昔3Bで他の学校の生徒と取っ組み合いのケンカした剛の者がいた」と言っていたが、これは第1シリーズの九十九弥市のこと。
 この回の参考文献/挿入歌
◇ 【書籍】 「ふうせんのはか」 (さだまさし著、くもん出版)
◇ 【書籍】 「心の教育は朝の読書から」 (林公著、メディア・パル)
◇ 【書籍】 「宮沢賢治 修羅への旅」 (三上満著、ルック)
◇ 【書籍】 「少年少女伝記文学館 アンネ=フランク」 (小山内美江子著、講談社)
◇ 【書籍】 「銀河鉄道の夜」 (宮沢賢治著、新潮社)
◇ 【書籍】 「日本の歴史」
◇ 【書籍】 「こころ」 (夏目漱石著)
◇ 【書籍】 「悪魔の兵器、地雷」 (名倉睦生著、ポプラ社)
※ 下校時に「LOVEマシーン」の替え歌で好太がからかわれるシーンもあり。ちなみにこの曲は5話でもチラリと登場している。
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