金八先生マニアックス

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3年B組金八先生 鑑賞ガイド


第6シリーズ 1話 「不気味な転校生が二人」

2001年の桜中学。3年B組に二人の転入生、覇気がなく暗い影のある成迫政則(東新良和)と、気が強く長いスカートが異様な鶴本直(上戸彩)がやってくる。金八(武田鉄矢)は3Bの皆に二人を紹介するとともに、黒板に「志学」という言葉を貼り、入試突破と全員揃っての卒業を我々の志としようと提案する。

そんな折、高校生となった幸作(佐野泰臣)が通学途中に倒れたとの一報が入る。金八が安井病院に向かうと、なんと難病である悪性リンパ腫の疑いがあるという。金八は息子の異変に全く気がつかなかった自分を責め、先立った妻・里美に続き家族がまた同様の大病に襲われた無念さのあまり取り乱してしまう。

さらに事件は頻発する。金八が留守の間、3Bでは直が今井儀(斉藤祥太)にからかわれると突き飛ばして一触即発、クラスメイトの言葉を無視した直は孤立してしまう。一方、池内元先生宅で暮らすことになった政則は、家族に起こった忌まわしい過去を思い出し、布団の中でうなされる。

桜中学では、急逝した教育長の後釜に和田校長(長谷川哲夫)が座ることが決定。空席となった新校長の座に、威圧的に権限を振りかざす千田(木場勝己)がやってきて職員室は混乱する。3Bではチュー(中尾明慶)が儀からカツアゲされていると金八に相談するが、実はその儀は兄の命令によるひったくり常習犯でもあるのだった。

ある体育の時間、教室に戻りクラスメイトの財布を物色する儀。その現場を江藤直美(鈴田林沙)と直が目撃する。儀は直美に口止めする一方、返金を迫る直を突き飛ばして取っ組み合いに。金八はそれを受けて、傷つけたほうも傷つけられたほうも同じ傷を負うと話し、二人の転入生が早く溶け込めるようにしようと3Bに訴える。

01年10月11日放送

脚本: 小山内美江子

演出: 福澤克雄

視聴率: 19.5%

DVD: 第1巻

小説本: 第19集

参考文献・挿入歌

 みどころ談義
● いやー、今回の金八先生は大変ですねぇ。いろんなことが立て続けに起きちゃってますよ。
○ いきなりお葬式のシーンからスタートするもんだから波乱の予感はあったんだけど、それにしてもネガティブな問題が次々起こるもんだなぁ。
● 二時間スペシャルの中に、これでもかと詰め込まれてました。
○ 内容は前後半に分けることができるのかな。最初の一時間はとても騒々しい一時間で。生徒たちは教室で大騒ぎして、職員室も教育長の件で国井先生、北先生あたりが落ち着かなくて、本屋に出向する遠藤先生も気が立って机をバシバシ。坂本家でも乙女の帰りが遅いと口喧嘩でしょ。うるさいうるさい(笑)。
● そんな中、今度は幸作が倒れたというから、もうビックリ!
○ 久しぶりの金八で、オープニングからの慌しさに戸惑っているうち、いきなり幸作があんなことになるでしょ。展開についていくのが難しかったなぁ。しかし、安井先生から病名を聞いたあとの金八先生の取り乱しようといったらなかった。気の毒だったね。
● 悪性リンパ腫とは、アマゾネス里美先生の体を蝕んだガンと同じような大病ですよね。またあのときと同様に元気だった家族が突然あっけなく亡くなっていくのかと思うと、そりゃショック大きいですよ。
○ で、後半の一時間は騒々しさが一転して、どんよりと重〜い空気に包まれると。
● 幸作の件で十分ヘビーなのに、二人の転校生という要素も出てくるんですよね。これまたどちらも暗い負のオーラに包まれたような雰囲気で…。しかし政則の過去はあそこまで凄惨にする必要があるんでしょうかね。
○ うーん。そりゃあるんじゃないかな、兼末健次郎と似たような設定にしても仕方ないし。まぁ、これからその理由が分かっていくんだと思うけど。
● 政則のこと、金八先生はずいぶん前から頼まれていたみたいですね。
○ 手紙がたくさん届いていたからね。たぶん父親が獄中から送ったものなんだろう。金八とはどういう関係なのか…。
● 政則を預かる役どころとして、池内先生が出てきたのがオールドファンにとっては嬉しかったです。まだ池内商店に住んでるんですね!
○ 残念ながらやっぱりお店は畳んでるようだけどね。あのあったかい雰囲気が政則には必要なのかな。
● 一方の直は、スカートを気に入らなかったり体に触られることに敏感だったり、男子顔負けの迫力で喧嘩を挑んだり。これがドラマのスタート前から番宣番組なんかで言われていた、性の要素が入った問題でしょうね。
○ …いやぁ、息つく暇がないなぁ。この後まだ儀のひったくりとか出てくるし。次から次と事が起きるから、一つずつ把握しておかないとついていけなくなりそうだ。
● 細かいところを挙げればまだまだありますよ。ちょっとカマっぽい生徒がいたり、遅刻常習の生徒がいたり…3Bにはキャラクターの濃い生徒が多いようです。あとは乾先生の奥さんが妊娠していて、外国人の英語の先生がいて。ケアセンターも健在です。これだけたくさんの要素があれば、今後、話のネタに困ることはなさそうですね。
○ そうだね。生徒の保護者としてみうらじゅんも出てきてたもんな。ディープでマニアックな話もできそうだ。
● いやいや。あれは直の母親役のりりィさんです(笑)。「私は泣いています」の人ですよ。
○ 冗談冗談(笑)。いろいろと深刻なシリーズになりそうだけど、できれば校内をメインに展開していって欲しいなぁ。
 小ネタ/周辺状況
◆ 3Bには、一学期終了時に転校していった生徒が2名いた。そのため、直と政則が二人とも3Bに加わることに。
◆ 政則をあずかる池内先生とは、元桜中学教諭。第1、第2シリーズに出演。
◆ 幸作の部屋にあった、ちはる、健次郎と3人で撮った写真には、健次郎の顔にいったん落書きをしてその後消したような跡があった。はじめはちはるを奪い合うライバルだったが後に親友になったという状況を表しているかのよう。
◆ 千田新校長は、松ヶ崎中学からの異動。松ヶ崎中は第3シリーズの舞台となった学校である。
◆ 新校長にさっそくなびく、調子のいい北先生。
◆ 幸作、修三のことをホモっぽいとちはるに言う。
 参考文献/挿入歌/BGM
◇ 【書籍】 岩波ことわざ辞典 (時田昌瑞著、岩波書店)
◇ 【書籍】 がんの早期発見と治療の手引き (小川一誠、田口鐡男監修、小学館)
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