ver6.4
動詞編


 

あ行 か行 さ行 た行 な行

は行 ま行 や行 ら行 わ行

【注】しばしば使用される、またニセ和歌山人を混乱させる可能性の高い否定形・可能否定形については否:否定形、可・否:可能否定形のように記している。また、否定および可能否定の表現の方が原型よりも多用されるものもある。ニセ和歌山人におかれては特に留意の事。
 
評価 意味・解説・用例
  あ行 (24語)
★★ あかる (ドアや窓などが)開く
例「この窓、かとてあからん」=「この窓、固くて開かない」
あがる 仕事を終える、加齢に伴い生理が止まる
あく 飽きる
例「もう、あいてきた」=「もう、飽きてきた」
あげる 嘔吐する(可・否:あげれやん
★★★ あせかく グラス等に露がつく(汗かく)
例「このむぎちゃよぉひえてんのな、えだいあせかいちゃーら」
=「この麦茶、よく冷えてるね、(グラスに)たくさん露がついてるよ」
ある 居る、有る(否:ない、いてない
「ヘンな人、あらぁ」=「変な人がいる」
「おまはん、こぉあんのかい」=「あなた、子どもさんはいますか」
★★★ いーとなる 悔しくて頭に血が上る(「イー!」となる)
ヒステリックな状態
例「んーま、はらたってイー!てなってくら!」
=「ほんとに、腹が立って頭に血が上ってくるなあ!」
★★ いきる いきがる、調子に乗る
例「なにいきっちゃーんのよ」=「なに調子にのってるんだい」
いごく 動く(否:いごかん
★★ いこる 炭などが赤く燃える(炎が消えた安定燃焼状態)
(否:いこってけえへん)
例「いこってきと」=「炭が燃えてきた」
※「行こう」の意の「いこら」と混同しないように。
★★★ いばる 障子やふすまが歪んで動きにくくなる
例「この戸、いばってもてあきぬくいわ」
=「この戸、ゆがんでしまって開きにくいよ」
いぬ 帰る(否:いなん
例「ぼちぼちいのらよ」=「そろそろ帰ろうよ」
例「もーいねや」=「もう帰れよ」
いらう 触る、いじる(否:いらわん
いわす やっつける、(叩いたりして)壊す、いためる
(過去形は「いわした」「いわいた」となる)
例「んなもん、いわしちゃれ」=「そんな奴、やっつけてしまえ」
例「ひだいわいてもて、はしれやん」
=「ヒザを悪くしてしまって、走れない」
いんでくる 帰る(一旦帰って再び来る訳ではない。
待っていても現れない可能性大。)
例「ほな、いんでくら」=「じゃあ、帰るよ」
うめる 熱い飲み物などに同種の冷たいものを加え飲み易くする
例「あつぅ!ちょいとこの酒、うめてほしよ」
=「熱い!ちょっとこのお酒、冷酒を足して飲みやすくしてほしい」
★★★ おいでる いらっしゃる(「御出る」)
例「おいでなぁ」=「いらっしゃいな」
例「せんせい、おいでたで」=「先生がいらっしゃったよ」
★★★ おいな
おいなあ
おいで、いらっしゃい(↑「おいでる」の短縮形)
例「こっちゃおいなあ」=「こっちへおいで」
★★ おがる 大声を出す、怒鳴る(怒っているとは限らない。→「ひしる」)
例「せんせ、あつまれいうておがっちゃーったで」
=「先生が、大声で、集まれと言っていたよ」
おく 仕事を終える(→あがる)
例「もう、おいてよ」=「もう(業務を)終わってね」
例「おくかえ」=「終わりにしますか」
★★★ おせかす 教える
例「ちょいとここ、おせかいてけー」
=「ちょっとここを、教えてくれ」
おせーる
おせる
教える(→「おせかす」)
例「ちょいとおせてよ」=「ちょっと教えてよ」
★★ おっぱする おんぶする、背負う
     
  か行 (16語)
★★★ かきみしる かきむしる
例「そないかきみしっちゃーったらちいでるで」
=「そんなにかきむしると血が出るよ」
かたづく 結婚する、結果が出る、心配事が収まる(片付く)
★★ かたげる かつぐ(古語「肩上げる」より)
例「こしいわさんよに、かたげていきなあ」
=「腰を痛めないように、担いで行きなさい」
★★ かづく (帽子などを)かぶる
かっぱりつく 乾いて貼り付く、くっつく
例「あの子の尻見たら、便所紙、かっぱりついちゃーった」
=「あの人のお尻を見たら、トイレットペーパーが貼り付いてた」
かまう 触る、相手にする
例「もちっとかもちゃれよ」=「もう少し構ってあげなよ」
★★ かます はめる、くっつける、引っ掛ける
かやす 返す
例「かやせ」=「返せ」
★★ かわす よけておく、邪魔にならないように置き換える
くくる (ヒモ、糸などを)結ぶ
★★ くだく 壊す、(対象物を)使えなくする、ばらばらにする、分解する
(ただし、「破壊する」ような強い意味は無い事が多い)
例「パソコンくだいてもと」=「パソコンが壊れてしまった」
けたかす
けったかす
蹴り飛ばす、蹴り散らす
例「おきたらふとんけたかいてもーててな、かでひぃてもた」
=「起きたら布団を蹴飛ばしてしまっててね、風邪ひいてしまった」
★★★ こかる 転ぶ、横になる(横になって休む)
例「えらかろがよ。そこたし、こかってなあ」
=「しんどいだろう、そこら辺で横になってなさい」
こさえる 作る
例「にんにこ、こさえちゃら」=「おにぎりを作ってあげるよ」
例「うっとこの子ぉんとこ、まごできてのぅ」
「なんとまあ、もうこさえたんかい」
=「うちの子の家に、孫が生まれてね」「驚いた、もうできたの」
★★ こまる はさまる(「歯にこまる」=「歯に(食べカスが)はさまる)」
★★ こむ はさむ(寝る際に体の下に布団を挟むなど、
対象物は座布団、布団といった大き目のもの)
例「すわりわりなー」「こんどいちゃれよ」
=「座りが悪いな」「(何か)挟んでおけよ」
     
  さ行  (11語)
さげる (カバンなどを)持つ
しあんする 考える(思案する)
例「しあんしてんのよー」=「考えているんだよ」
★★★ しこる 騒ぐ、暴れる
例「あの子ぁなにしこってんのな?」
=「あの人は何を騒いでいるんだ?」
しゅむ しみる
★★ しょねいれる 気合いを入れる、頑張る
例「まっとぉしょねいれてやらなあかなよ」
=「もっと気合いを入れてやらないといけないぞ」
★★★ 知らん
知らな
分からない、理解できない、することができない
(知識として「知らない」ということではなく、
その事を理解・行動「できない」という意が主)
例「あの子ぁ我慢するちゅうこと知らな
=「あの人は我慢するということができない」
★★ すえる 腐る
例「あで!このにくぁもうすえちゃーら」
=「あら!この肉はもう腐ってるよ」
※某スーパーCM曲の替え歌として
「♪今日もご飯が余ったわ〜、今日もお肉がすえてるわ〜」
などというものもあるようだ。
すえる 置く、設置する
例「このてれびゃどこへすえら」
=「このテレビはどこへ置くの」
★★★ すける (窓や網戸を)少しだけ開ける
例「暑いなあ、ちょっとそこ、すけといてよ」
=「暑いなあ、ちょっとそこの窓、少し開けといてよ」
すわす 吸わせる、含ませる
例「はよどうきんですわいてとんなあ」
=「早く雑巾に吸わせて取り(掃除し)なさい」
★★★ せたらう (荷物やカバンなどを)背負う
例「重たいさけ、せたろて行きなあ」
=「重いから、背負って行きなさい」
     
  た行 (13語)
★★ たとむ たたむ
例「ふとんたとんどいて」=「布団を畳んでおいて」
たまる (特に何をする訳でもなく、人が)集まる
例「さいきんわかいしよぅ、どーそんたまってらして」
=「最近若い子達がねぇ、ローソンにたむろしてるじゃないか」
★★ ちょける おどける、ふざける
★★ ちょかちょかする
ちょかす
落ち着きなくゴソゴソする、おせっかいする(上方ことば)
例「ちょかちょかしおすな」=「ちょろちょろしなさんな」
例「ちょかしなや」=「余計なお世話をするなよ」
★★★ つく (自転車などを)押す、押して歩く
例「この坂えらいさけ、ついていか」
=「この坂はしんどいので、押していくよ」
(「ついて行か」といっても、「後ろを付いて来る」わけではない)
★★★ つくもる うずくまる(上方→「つくぼる」)
例「ハムスターのちさいの、ようさんつくもってらえ」
=「ハムスターの子どもが、たくさんうずくまっているなあ」
★★★ つむ (車、人などが)混む
例「あそかぁ、ようつんじゃーるさけな、よそからまわろら」
=「あそこは混んでいる事が多いので、違う道から行こう」
★★ つらくる 吊る
例「かつらぎいたら、くしがきよーけつらくっちゃーら」
=「かつらぎ町に行けば、串柿をたくさん吊っているよ」
★★ つれる 連れて行く、仲間にする、彼女(彼氏)にする
例「つれってよ」=「連れて行ってよ」
例「あの子やいて、てきゃ、つれたいいうてたん」
=「あの子だよ、彼が付き合いたいと言っていたのは」
★★ てがう 相手にする(可・否:てがえやん
例「あのやんちゃくれだきゃ、てがえやな」
=「あの暴れん坊だけは、相手にできないよ」
例「ちさいこてごちゃったらおもしゃかろ」
=「小さい子どもの相手をしてやると、おもしろいだろう」
★★★ てたう
てったう
手伝う(可・否:てたえやん
例「ちいと、てとてくれ」=「ちょっと、手伝ってくれ」
例「てとちゃりたいのはやまやまやけど・・・」
=「手伝ってあげたいのはやまやまだけど・・・」
★★★ としいる 歳を取る
★★ どれる あふれる、くずれる
     
  な行 (10語)
ないよーなる 無くなる、亡くなる
例「あの子ぁこないだおとはんないよーなってのう」
=「あの子はこの間お父さんを亡くしてしまってねえ」
★★ なおす 片付ける、仕舞う(京言葉)
例「ふきもてなおしなあ」=「拭きながら片付けなさい」
★★★ にえる (青)アザになる、うっ血する、内出血する
例「痛いおもてよう見たらここ、にえてら」
=「痛いと思ってよくみたらここ、内出血してるよ」
★★ になう 担ぐ(古語「荷う」)
例「おおきかばんにのちゃーら」
=「大きなカバンを担いでるよ」
★★ ぬったくる
のったくる
のたくる
塗りたくる、塗りつぶす、厚化粧している
例「えらいぬったくっちゃーらして、ひびいるど」
=「すごい厚化粧してるじゃないか、ヒビが入っちゃうよ」
※よほど親しい間柄以外では上の例文は使用しないように。
ねずる 舐める
★★ ねとぼける 寝ぼける
例「おまん、ねとぼけちゃぁんのとちゃうか?」
=「お前、寝ぼけてるんじゃないか?」
ねぶる ①舐める
例「きちゃないさけねぶんな」=「汚いから舐めるな」
②眠る
例「ねぶれやな」=「眠れない」
いずれも文脈で判断する。
のく よける、どける
例「のいて」=「どけて」
★★ のなる
のーなる
無くなる
例「のなってもと」=「無くなってしまった」
     
  は行 (19語)
★★ はしる 急ぐ、慌てる
例「ほらもう、はしったはしった」
=「そりゃもう、大慌てだったよ」
※上の例は「仕事を急いだ」場合
はしゃりく
はしゃるく
走り回る
例「はしゃるくな」=「走り回るな」
例「そこらはしゃるぃてえらかろが」
=「そこらを走り回って、しんどいだろう」
はっつける 貼り付ける
例「ここはっつけちゃーったんしらんか」
=「ここに貼り付けておいたもの、知らないかい?」
★★ はつる つまみ取る、ある対象を狙って獲る、削り取る
例「キャラメルコーンのピーナツなあ、裏からあけてはつられた」
=「キャラメルコーンのピーナッツをね、裏からあけて獲られた」
(キャラメルコーンのピーナッツは基本的に袋の下にたまっている事を利用した荒技)
★★ はちかる 大股を広げて座る、無駄に多くの場所を取って邪魔をする、偉そうに座る
※標準語の「はばかる(憚る)」が語源か、
はたまた足を広げて股が八の字になっているからか
例「はちかんな!」=「邪魔だ!」「偉そうにするな!」
例「おなごのこが、そないはちかりなさんな」
=「女の子が、そんなに足を広げちゃいけませんよ」
★★ ひく 抜く、根菜を収穫する
例「らいこんひいてくら」=「(畑から)大根を抜いてくるよ」
★★ ひしる 大声を出す
(悔しい時、腹が立つ時など、不満・怒りの表現。→「おがる」)
例「となりのおくさんひしってら」
=「隣の奥さん、怒鳴ってるよ」
★★ ひねきる つねる
例「ひねきっちゃろか!」=「つねってやろうか!」
★★ ふてる 捨てる(→「ほてる」)
例「いらんおもてふててもた」
=「いらないと思って捨てちゃった」
※ふてくされる意ではない
★★★ ふろいる お風呂に入る
例「ふろいら」=「風呂に入るよ」
例「ええふろいらいてもーたわぁ」
=「いいお風呂に入らせてもらったなあ」
★★★ ぶらくる ぶら下げる(「ぶらくり丁」=商品を軒にぶら下げていた)
へつる つまみ取る(→「はつる」)
ほおる
ほる
投げる、捨てる(否:ほ(お)らん、否・可:ほ(お)れやん
例「んなくさったもん、ほってまえ」
=「そんな使えないもの、捨ててしまえ」
例「ほろらい」=「捨てよう」
ほかす 捨てる
★★ ほたえる じゃれて暴れる、騒ぐ(子どもやネコなど)
例「これ、ほたえてんなよ」=「コラ、暴れるなよ」
★★ ほてる 捨てる(→「ふてる」)
★★ ほでくる
ほでる
(鼻などを)ほじくる
★★ ほらくる 放る、放りっぱなしにする
例「そこらほらくっちゃーら」=「そこらじゅうに散らかしているよ」
ほりこむ 放り込む、入れる
例「ついででええさけほりこんどいて」
=「ついでで構わないので、届けておいて」
     
  ま行 (12語)
まくる
まくれる
まくるる
転倒する(自転車やバイクなどでも使用)
まくれおちる 転がり落ちる
例「ガケからまくれおちるかおもた」
=「ガケから転がり落ちるかと思った」
まくれこける 転倒する
※転ぶ意の「まくれる」と「こける」を連続させて
意味を強めている。ニセ和歌山人におかれては
「よほどエライ目に遭ったんだな」と受け取るべき
★★ みいする
みーする
魚等の身をほぐしたり骨を取ったりして食べやすくする、
果物の皮をむいて実を取り出す
子どもが親に甘えたりするニュアンス有り
例「みいして」=「身をほぐして」
みしる むしる、むしり取る、収穫する
例「おもていてみずなみしってくら」
=「表へ出て、水菜を採ってくるよ」
★★ めーた 見えた
★★ めーる 見える
※mailとは文脈で判断
めづる 愛する、大事にする(古語「愛づ(めづ)」に由来)
めでる 愛する(→「めづる」)
★★ もじく 壊す(もじける=壊れる)
例「もじけちゃーんのか」=「壊れているのか」
もじる 壊す(→「もじく」)
★★ もつぼれる (糸などが)絡まる、こんがらがる
例「あで!わえとこのんとおまんのん、もつぼれてら」
=「あら!私の釣り糸とあなたの釣り糸、絡まってしまっているぞ」
     
  や行 (4語)
★★★ やかる (多くの場合、強引な理由付け等を用いて)
文句を言ったり怒りを表したりする事。クレームを付ける事。
「やから(=輩)」の動詞形。
例「あのおいやん、なんどかど、やかってきと」
=「あのおじさん、ナンだカンだ文句を言いに来たよ」
よす 寄せる
★★★ よそる (ご飯などを)よそう、あげる、入れる
例「それ、よんで。」=「それをよそって(ちょうだい)。」
例「お茶一杯、よんでほしよ」
=「お茶を一杯、入れて欲しいな」
よばれる ご馳走になる、食べさせてもらう、もらう
★★ よぶ (→よそる)
     
  ら行 (0語)
  (未登録)  
     
  わ行 (3語)
★★★ わく ①(チョコやアメなどが)溶ける
②人が沢山集まる
わらかす
わらわかす
笑わせる
わらける 笑える
例「なさけのうて、わらけてくら」=「情けなくて、笑ってしまうよ」
     
    (112語)
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