ver6.4
形容詞編

あ行 か行 さ行 た行 な行

は行 ま行 や行 ら行 わ行

評価 意味・解説・用例
     
  あ行 (18語)
あいさない
あいそない
つまらない、面白くない、愛想がない
※残念だ、期待を裏切られた、物足りないという気持ちが強い
例「そら、あいさない」=「それは、面白くない」
例「映画おもしゃかったかい」「なんや、あいそなかっと」
=「映画おもしろかったかい」「何と言うか、物足りなかったな」
あかい 明るい
例「あのえー、じょうやあかいわしょ」
=「あの家は、いつも電灯がついているよ」
例「あかなってくんのはやなったの」
=「夜明けが早くなったね」
あっぽけ あほ
例「またあっぽけなことゆーてら」=「また馬鹿な事を言ってるな」
★★★ あどない あどけない、おさない
★★★ あむない 危ない
例「あむないわいてー」=「危ないじゃないか」
★★ あらくたい 荒っぽい
例「んなあらくたいこと、すんなよ」
=「そんな荒っぽい事、するなよ」
いやらし おかしい、変だ、納得いかない
例「いやーらしよー、もうあの子、いてへないしょ」
=「おかしいなあ、もうあの人、いないじゃないか」
★★ いろくそわり 色が汚くて不快だ
例「そんないろくそわりふく、だれきんのな」
=「そんな変な色の服、誰が着るんだ?」
★★ うたてい
うたとい
面倒くさい、いやだ
うつくし
うつーくし
きれいな、整った、清潔な(京ことば由来)
部屋を片付けてきれいな状態等にも使う。
標準語の「美しい」とは微妙にニュアンスが異なる。
beautifulというよりはむしろcleanに近い。
床がきれいであるときに「きれいにしちゃーらいしょ」よりも
「うつーくししちゃーらいしょ」と言った方が伝わる。
例「うつくしかお、しちゃーら」
=「(肌などが)きれいな(整った)顔をしているよ」
→美人だ、というニュアンスとは異なる。
★★★ うっとし うっとおしい、天気が悪い
例「きょうはうっとしな」=「今日はうっとおしい(天気)だな」
ええ 良い
★★ えらい
えだい
しんどい
例「おそまでのんださけえだいわー」
=「(昨夜)遅くまで(酒を)飲んだからしんどいなあ」
★★ おき
おきい
おおき
大きい
例「おまんそないおきこぉいてたんやのう」
=「あなたそんなに大きな子どもがいたんだね」
★★★ おとろし 恐ろしい、怖い
例「おとーろしかっとー」=「怖かったー」
★★ おない 同じ
例「あの子ら、おない服きちゃーらして」
=「あの子達、おそろいの服着ているじゃないか」
★★★ おもしゃい 面白い、おかしい(不調の意も含まれる)
例「足ゃ、おもしゃいことなっとる」=「足の具合が悪い」
★★ おんない →「おない」
例「おんないこっちゃ」=「同じことだ」
     
  か行 (19語)
かい かゆい
例「そこたいじゅうかいわぁ」=「あっちこっちが痒いよ」
★★★ かいだるい
かいだり
だるい(足など特定の部位のだるさを表わす。
体全体なら単に「だるい(だり)」。
筋肉疲労、循環不全時等の不快感を表す。
ここでの「かい」に「かゆい」の意は無い。
語源的には「かいな」=「腕」であるところから
「ある特定の部位が」という事を示すものであるか、
もしくは古語において「かい」に語調を強める
接頭語「かき」のイ音便が存在するところから、
「だるい」の強調形がこれに該当する可能性も考えられる。
「かき」は現在では「かっ食らう」「かっぱらう」等と使われている。
例「あしゃ、かいだりわー」=「足がだるいよ」
がいな すごい
※英語的には「enormous」が近い。
古語の「大な(がいな)」に同じ。→「めっぽがいな」
「めっぽがいな」「めっぽかいな」は「滅法界」を語源とする説もある。
上方では「我意な」語源の「わがままな」意で使われる。注意。
例「おまん、がいな車のっちゃーらして」
=「きみ、すごい車に乗っているんだなあ」
かいらし かわいい、かわいらしい(→「かえらし」)
※上方でも一部で使用されるがおおむね「かいらしい」と語尾が違う
例「あでこのこかいらしわしてー」
=「あらこの子かわいいじゃないのー」
かえらし かわいい、かわいらしい(→「かいらし」)
※上の「かいらし」と同意だが、より和歌山的。
★★ かしこい 賢明だ
例「金かかるさけ、行かなんだ。」「そら、かしこいわ。」
=「お金がかかるから、行かなかった」「それは賢明だ」
かたい 小便が出にくい、あまりトイレにいかない(人)
ぎょうさん たくさん
★★ くそげた 変な、ふざけた、汚い(「くそげた色」=「汚らしい色」)
(「くさった」+「ふざけた」)
けあない だめだ、不都合だ
例「そら、けあないわ」=「それはよくないな」
(※和歌山県北東部で多用されるが、和歌山市内でも使われる)
★★ けたくそわり
けったくそわり
気分が悪い、腹が立つ
例「けったくそわりやっちゃ」=「腹の立つ奴だ」
ここらえ(え) 気持ちいい(心良い)
例「ええあんばいでの、ここらえなっと」
=「良い湯加減でね、気持ちよくなったよ」
ここらわり 気持ち悪い(心悪い)
例「あんなこといわれての、ここらわりなったわ」
=「あんな事を言われて、気分を害したよ」
★★ こしょばい くすぐったい、こそばゆい
例「こしょーばいよぉ」=「くすぐったいよ」
こすい せこい
★★ こまこい 細かい
例「こらこまこいなぁ、えらいしごとやな」
=「これは細かいねぇ、すごい仕事だね」
こゆい 濃い
★★ こわい 硬い(「しわい」に似るが、より「硬さ」に重点が置かれる)
例「ごはんこわいわ」=「ご飯硬いな」
※「怖い」と間違わぬよう注意
こ(ん)まい ちいさい(こまい>ちまこい)
     
  さ行 (12語)
さぶい 寒い
★★ じじむさい おっさんくさい、ダサい
★★★ しなこい 硬い
※特に食べ物に対して使う事が多い
例「このこめゃ、しなこいのー」=「このご飯、硬いな」
※上方では「しなやかな」意で使われる事がある
しなこかったい
しなこかーたい
すごく硬い(上の「しなこい」の強調形。
食べ物に使うと「硬すぎて食べられない」意が表せる)
★★★ しやない
しよない
しようがない、諦めなければいけない
例「ほら、しよないわ」=「それは、しかたないね」
★★ しわい (主に食べ物などが)筋張って硬い、噛みにくい
(イメージ的には「火を通しすぎたミノ」)
すい 酸っぱい
例「こりゃすいわー」=「これは酸っぱいね」
すいな 変な、妙な
例「すいなこというな」=「変な事言うな」
すいな 粋な(「イキな」読みかたの違い)
例「なかなか、すいなちゃわんやして」
=「なかなか、粋な茶碗だね」
★★ すけない 少ない
例「そらすけないわ、もちっとおくれよ」
=「それは少ないよ、もう少しちょうだいよ」
★★★ ずつない しんどい
例「ようさんくたんでずつないわ」=「沢山食べたのでしんどいよ」
※おおむね「満腹でしんどい」であるが、
基本的には胃の不調をあらわす。
満腹で無くとも「食べられない」意では、
病気などで何も食べる気がしない場合にも使われる。
語源は「術なし(じゅつなし)=どうしようもない」説と
「ずくなし(「ずく」は立っている物)=立っていられない」説がある。
★★★ せばい 狭い
     
  た行 (8語)
★★ たいそな 大袈裟な
ち(っ)さい 小さい
★★ ちまこい 小さい(物理的なものだけでなく 
「度量」の概念も含まれる。
俗的にいえば「ケツの穴が〜」等。)
ちゃ(っ)ちい 貧相な、みすぼらしい
★★★ でぇらい たいへんに(大阪弁「どえらい」に同じ)
★★★ どぐさい どんくさい、不器用だ、もたもたしている
★★★ どろどろ ベタベタする、びしょ濡れ
「泥まみれ」以外に色々使われる。
「油まみれ」や、食品で汚れた時などもOK
例「あめんなか走ってきたんでくつどろどろや」
=「雨の中を走って来たので靴が泥まみれだ」
★★★ とわい 遠い
例:「おまんの家、とわいわしょ」=「君の家、遠いじゃないか」
     
  な行 (4語)
なさけない くやしい、恥ずかしい
例「はあ、もうあの子ぁほんま、なさけないよ」
=「ああ、もうあの子は本当に、こっちが恥ずかしくなる」
★★ にくそい 憎らしい
★★ ぬくたい 暖かい
ねぶい
ねぶたい
眠い
例「ねぶーたいわー」=「眠いよー」
     
  は行 (6語)
★★★ はしかい (のどの奥など手で掻けないところが)むずがゆい
ばばい 汚い(幼児語?)
ひさしい
ひさし
久しぶり、長い
例「会わんよーなってひさしいの。」
=「会わなくなって長いなあ。」
ひやこい つめたい
★★★ ふわわり ふうが悪い、格好悪い、恥ずかしい
例「こげなくさったパーマ、ふわわりわ」
=「こんなヘンなパーマ、格好悪いよ」
★★★ ぼとぼと びしょびしょ、びしょ濡れ
例「雨でぼとぼとや」=「雨でずぶ濡れだ」
     
  ま行 (3語)
みょうな 変な、変わった
※一般に「妙な」といえば「不思議な」という語感だが
和歌山では「変な」の意で「妙な」が多用される
例「みょうなことしなさんな」=「変なことしないでよ」
むつかし 難しい
例「そらむつかしわいて」
=「それは難しいよ」
めっぽがいな
めっぽかいな
法外な。とてもすごい。
「滅法」と「がいな(大な=すごい)」が合体したものか?
「滅法界」を語源とする説もある。
例「あのたいしょ、めっぽがいなえーたてたして。」
=「あの御仁、とても大きな家建てたよ。」
     
  や行 (4語)
★★ やらこい 柔らかい(きわめて物理的、客観的)
例「やらこいもんしかようくわな」
=「軟らかいものしか食べられない」
やわい 柔らかい(弱い、もろいニュアンス有り)
例「あんがいやわいもんじょなー」
=「案外、もろいもんだねえ」
★★★ やわらし
やあらし
柔らかい(感覚的にプラス傾向)
例「このにく、やあらしてええわー」
=「この肉、やわらかくていいね」
★★★ ようさん たくさん(=「ぎょうさん」)
例「ここたし、えーよーさんたっちゃーらして」
=「この辺り、家がたくさん建ってるなあ」
     
  ら行 (0語)
  (未登録)  
     
  わ行 (4語)
わえ 大変な事、無茶、ダメ(深刻ではない場合が多い)
例「わえやな、こらぁ」=「ダメだなあ、これは」
わえくそ めちゃくちゃ
例「たいふうでの、はたけゃわえくそじょ」
=「台風でね、畑がめちゃくちゃだよ」
わや 上の「わえ」に同じだが、こちらは関西周辺で広く使用される
「わやくそ」「わやくちゃ」などのバリエーションがある
★★ わり 悪い
例「いけなんで、わりよー」=「行けなくて悪かったよ」
例「そらわりわっしょ」=「それはダメだろう」
    (77語)
≫形容詞編・トップへ

≫エクスプローラ・トップへ

≫トップ・ページへ