「和歌山人の鉄則集」●方言・話法編●
応用チャート(1)−Ⅰ
◆設問の解答◆
「あの子ぁ(てきゃ)ほんまに、ナニやなあ」
◆解答の指針◆
●まず「彼は」ですが、和歌山では「あの子」でおおむね対等・目下の第三者を表現する事が可能です。ここでは「彼」と言っているので、目上のエライ人では無いことが分かります。ですから「あの子は」が適当です。無論、三人称の「てきゃ」「てきゃぁ」なども正解。こちらは少々ワイルドな雰囲気を醸し出せます。
●次の「本当に」は「ほんまに」となります。関西弁の基本でもあります。
●最後に「バカだなあ」ですが、「バカ」に相当する和歌山弁としては「あっぽけ」が適当なのですがここでわざわざ指示代名詞を使うのが非常に和歌山的なのです。従って、あえて「ナニ」と表現し、はっきり「あっぽけ」もしくは「あほ」などと表現しない事で、細かい判断を聞き手に押し付けてしまうのが良いのです。無論、あとで聞かれたら「かしこい」のつもりだったと言ってしまえばそれまでなのですから。ここは本問のキモですので、間違えた方は和歌山人ならば恥ずべき大失態です。早急にたかさんに相談し処方を受けて下さい。ニセ和歌山人諸氏におかれては、これを機に代名詞への理解を深め「代名詞マニア」への道を歩まれる事を強くお勧めします。