「和歌山人の鉄則集」●民俗編●
基礎チャート(2)−Ⅲ
◆設問の解答◆
「中華そば屋は品数が少なく車庫前系か井出系のツユ。
ラーメン屋は数種のラーメンとサイドメニューを持つ」
◆解答の指針◆
●まず中華そば屋は、メニューが少ない事があげられます。まずレギュラーの「中華そば」があり、あとは大盛りかチャーシューがあるくらい。早すし(早なれ寿司)とゆで卵がテーブルの上に置かれていて、細かいところではその卵の殻を捨てるためにも安っぽいがタフな銀色(アルミ製、古くはアルマイト製)の灰皿はマストアイテムと化しています。単一のスープと麺での営業は、シンプルなだけに、店員の習熟度がおおむね高く、しかしながらその分、客の評価は厳しいものです。逆に評価が高ければ、口コミなどでどんどん流行る可能性もあります。和歌山で「中華そば」の看板を上げていれば、おおむねスープは「車庫前系」か「井出系」のどちらかに決定されます。これまで和歌山ラーメンはトッピング、特にチャーシューの弱さが指摘されていましたが、近年ややその質が向上しつつあります。
●いわゆるラーメン屋では、味噌ラーメンや塩ラーメン、そしてトッピングなど、多彩なラーメンを楽しめるのがウリ。また、ギョーザやから揚げなどのサイドメニューもあったりして、比較的「食事処」の素養もあります。ですから家族・子ども連れ客が多かったり、中華そば屋に比べて客の回転率は多少低めだったりします。座敷があったりするのもラーメン屋ならでは、かもしれません。そのような意味では中華料理屋に近い雰囲気のところもあります。