おしえて№667 投稿者 くろぅさん
 くろぅの家にはヤマモモの木があって毎年実をつけます。
 このヤマモモというのは雌雄別株なんですが、雄株もないのになぜか実がなるのです。何かの木が代用になっているのでしょうか。
 それと、味です。どなたかヤマモモを食べたことのあるかたはいませんか?是非本来はどんな味なのか教えてください。うちのはちっともおいしくないのです。すぐそばの松林とは関係ないかもしれませんが、松ヤニのような味がするのです。そんなものなのでしょうか?
アイコンのご説明
みみさん

  通常、やまももは 雌木だけを植えて栽培しています。
 雄木は、街路樹などに一般的に植えられていますので、その花粉が飛来して受粉します。


 あと、やまももには4種類あるそうです (やまももの名産地である高知の人に聞いた話です。もっと種類があるのかもしれませんが) 「なかやま」と「かめぞう」というのが生食用で、大きさが親指の先くらいの小さい実だそうです。「かんとん」と「ずいこう」というのが やまもも酒等に使う加工用で大きさは、先の2種類より大きく、味はえぐみがあるそうです。

くろぅさんの家のやまももは、後者なのかもしれませんね。
乱気流さん ←疑問投稿者からのご推薦です。

 風媒花樹木花粉アレルギーの報告例(1980年)があることからも、雌雄異株のヤマモモ(挿木による雌雄同居も可能の様子)は主に風によって雄木から花粉が運ばれ雌木の結実に至ります。 ヤマモモの花粉飛散距離は20〜30㎞とも言われますが、地理的条件が悪いためか全く結実に至らない雌木もある一方で、風媒花によっては飛距離が600〜2400㎞の記録もあるようですから、種類・気象条件等によって大幅に相違するようです。
 
 ヤマモモは庭木以外でも街路樹・公園木として数多く植樹されていますから、予想以上に近場から飛散しているかとも思います。 (但し、日本での自生境界は太平洋側茨城・千葉以南、日本海側福井・京都以南あたりのようです。)
参考URL:としぼーの庭 http://www.cam.hi-ho.ne.jp/i-toshibo/kaju4.htm
大阪市立自然史博物館 http://www.mus-nh.city.osaka.jp/QandA/QandA-log5.html#anchor2403734

 ヤマモモの味は未体験ですのでWEB上のコメントを集めてみました。
 「口に含むと、松ヤニのような独特の香りのあと、甘酸っぱさが口いっぱいに広がり」「松ヤニのような渋さがあり、その後で甘酸っぱさが広がり」「独特の松ヤニ様の味があっておいしい」「ちょっと松ヤニの香りが気になるんですが、この香りは口に残りません」 以上です。
のんきさん

 ヤマモモは、ヤマモモ科の常緑樹(低木の落葉樹もあります)で2属40種ほどの小さな科ですが、北半球及び南半球の亜熱帯から温帯にかけてかなり広い範囲に分布しています。日本での自然分布は千葉県の海岸以西から沖縄までですが、東北中部沿岸地帯までは生育可能です。ヤマモモはマメ科の植物のように硬につく根瘤バクテリアで窒素固定をしますので、肥料のない痩せ地でもよく生育しますが、大木の陰になると弱ってきます。

 花の色は雌花は赤いが花弁はなく、雄花はやや黄褐色です。また、ヤマモモは日本では楊桃、山桃と書かれ、昔から山桃の実が良くなる年は赤痢が少ないといわれています。これは梅と同様に核の酸に含まれているタンニンのためだと考えられています。果実は7月にビー玉大の赤い実がなり、甘酸っぱい味がします。生食のほか、ジャムや果実酒にしてもいいですね。沖縄では漬物にするそうです。ヤマモモの多くは完熟すると紫紅色になりますが、淡紅色のシロモモもあります。

 植木市では、徳島県産で果実が大きく実の色が赤紫色の「瑞光」と、酸味が柔らかで甘味があり食味のいい「森口」という品種が良く出まわりますが、このほかに実は大きく酸が強くて脂臭いが熟すると甘くなる「瑠光」という品種もあります。樹皮は、もも皮といって漁をする網を染めるなどの染料に使われてきました。

 さて、実がなるためには雌雄異株のものを植えないと結実しませんが、雌木1本でもたいてい雄の花粉が風で飛んできて結実します。くろぅさんの家の木は雌ということなので、近所のどこかに雄の木がある可能性がありますね。最近のヤマモモの苗木は雌雄接ぎ木してあるため1本でも実がなります。

 余談ですが、昔の商人は使用人に「仕事中はしゃべるな」と言っているのに、ヤマモモの収穫に駆り出した時は「話をしながら取れ」と言ったそうです。 最後に松尾芭蕉の句を紹介して終わりにします。

    「やまももの 落つる音無し 五月雨」


超な兄貴さん

 農学系ならおまかせあれといいたいのですが今回は厄介です。
 ヤマモモは特に単為生殖(雌株だけでも子供作っちゃうってこと)をするという わけではなく、やはり雄株、雌株の混植が必要とされています<農学大辞典より>

 そこで、今現在ソリューション中ですので予想見解として
・近くの家にヤマモモの雄木が実はある。
・ヤマモモではないが、それに近い属・種の気がありその花粉がとんできて他家受粉した。
・単為結果する品種 ・松と異種(この場合「目」まで違うかも)間交雑!!←もしこれだったら一大発見これまでの園芸学を覆します。
ま、ひとまず、解答数稼ぎに・・・・

追加情報です。
 ヤマモモは風媒花(風によって花粉を運んで受粉)であり,その飛行距離は2〜4kmにもなるそうです。
 また,山や森林なんかには自生しているヤマモモがあるために,その自生雄株からとんできた花粉で受粉したものです。
 ですから,周囲数km以内に山か森林があるのではないでしょうか?
果樹園芸ハンドブック(朝倉書店)
matsumotoさん

 おそらく近所に雄株の木は生えている場所があるのではないでしょうか。
 また少しくらい離れていても、花粉が風で飛ばされたり、昆虫等によって運ばれてくる場合がありますので、くろぅさんの家に雌株しかなくても実がなることは十分考えられます。
 味については、一般的には甘酸っぱいといわれます。 ただヤマモモにもいろいろな品種があり、生食用と加工用(果実酒等)とがありますので、くろぅさんの家のはおそらく後者と思われます。
Tsuneさん

 まずは味については、自分で食べた事はないので、分からなかったのですが、下のURLに次の記載がありました。
 「果実は黒赤色に熟し(夏)、独特の松ヤニ様の味があっておいしい。」
参考URL:岡山理科大学 総合情報学部 生物地球システム学科植物生態研究室(波田研)HP
http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/topics/tree/yamamomo/yamamomo.htm
 ということで、すぐそばの松林とはどうやら関係なさそうです。まさに松ヤニの味がして、それがおいしいということです。
 また、雄株がないとのことですが、どこか周辺に雄株があって、蜂や蝶などの昆虫や、鳥などにより受粉しているのではないでしょうか。
そくらちゃん

 ヤマモモ科のヤマモモは徳島の名産でもあり、今しきりと健康食品への開発を考えられています。
 
雌雄異株ですが、一部に雄に雌を接木したものも売られているようです。
 
健康食品としての開発が考えられているくらいですので、確かに味は松ヤニくさいものでしかないようで、果実酒、ジュース、ジャム等の活用が一般的なようで、別な果実との混合で、うまみを出すことを考えているようで、単品でのうまさを強調している材料は、なさそうです。
くろぅさんからの感想メールです。

この疑問のポイントは、うちのヤマモモは正常かどうかってことでした。松ヤニの件があったからです。
やはり松ヤニの味が正常なんですね。この点を詳しく紹介していただいたので乱気流さんに決めました。
皆さんはこのえぐいヤマモモの味は未知のようですね。来シーズンご希望のかたに送りましょうか??

さちぱぱも是非嗅覚と味覚のみごとなマッチングを堪能してみてください。
 なかなかお目にかかれない山桃ですが、かなり詳しい情報が集まりましたね。
 ちなみに味が「松ヤニ」のようなという表現がありますが、実際に松ヤニを味わったわけではないですよね?? これって臭いを味と表現していると思うんですが、この感覚って不思議ですよね。これも面白い疑問だと思いませんか?どなたか疑問投稿してみては如何でしょうか?
正答者の方々です。本当にありがとうございました。
matsumotoさん・そくらちゃん・超な兄貴さん・乱気流さん・乱気流さん・乱気流さん・ガウリィさん・超な兄貴さん・みみさん・のんきさん・Tsuneさん

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