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段差の底釣りは、主に管理釣り場の真冬の釣り方として、いまや必須のテクニックとまで言われて
いるようです。
確かに1〜2月の厳寒期で、宙釣りはもちろんのこと、通常のバランスの底釣
りでもアタリが出ないような厳しい状況下で、着実に釣果を出す事がしばしばあります。
一説によると、トップ釣果が30枚以内と予想される
状況では、迷わずこの釣りが良いと言います。30枚という数字が妥当かどうかは、釣り
場等によるので何とも言えませんが、厳寒期に他の釣りを圧倒する力を秘めた魅力的な釣
法である、という事は言えるのではと思います。
底釣りですから、底に障害物が少なく、極端な凹凸が無い事が前提になります。また、
底が急な駆け上がりでは難しくなります。そのような場所では、ハリスの段差でカバー出来る
バランスの底の方が有利でしょう。
ポイントについて
まずは当たり前の事ですが、魚が多くいる場所に入る事です。一般に、秋は底に魚が着いて
いない事があり、段底には厳しい場合がままありますが、冬になると深場の底に落ち着くよう
になり、春になると浅場の底に上がって来るようです。そういった状況を良く見極め、なるべく
最初から魚が底に着いているようなポイントを選ぶ事が第一です。ただし障害物があったり、
極端な凹凸あるいは急な駆け上がりは避けます。
竿
水深に応じた長さを選び、なるべく底を取った状態で浮子から穂先まで浮子1本〜2本残し
ぐらい、つまり天々になるようにします。竿先が大きく余るとエサをピンポイントで打ちにく
くなることと、タテサソイがしにくくなるからです。
ミチイトとハリス
極端な細仕掛けは必要ありません。ミチイト0.6号〜1.0号、ハリス0.3号〜0.5号程度で十分
です。
意外に重要なのはハリスの長さ(段差)です。私の場合、上は1cm〜15cm、下は45cm〜100cm
の範囲で調整しています。どの長さ(段差)が良いかは釣り場や水温、混雑具合等に影響されますが、
要は適度なサワリとアタリが出る長さ(段差)がベストです。とは言え、下ハリスの長さを変
えると、その度に底取りをしなければいけないので、それを頻繁にやると釣りになりません。
釣り場と季節でおおよそ決まるものなので、事前に情報収拾をし、調整は最小限に止め、あとは
エサやズラシ幅で対応すべきです。
なお上ハリスの長さ自体ははさほど重要ではないと思います。10cmを基準とし、バラケへのサ
ワリが極端に少なければ長く、多すぎれば短くします。魚の活性が高すぎると、サワリが強いだ
けでなく、毎回のようにハリスが絡んでしまう事があります。その場合は上ハリスを短くしてい
きますが、極端な場合は1cmまで短くする事もあります。
針
さほどこだわる必要はないと思いますが、私は上サスケ6号、下ウドン3号を使ってい
ます。上はバラケをほど良くタナまで持たせ、かつスムーズに抜けるよう、軸が細くて大きめと
し、下はある程度の重さがあった方が良いと思い、宙の時よりやや大きめとしています。(宙
では1号か2号を使用)
浮子
一般には底用でも宙用でも良く、トップは細いパイプかムクを使うとあるようですが、私は底用
のムクトップを使っています。
底用を使うのは、宙用に比べてトップの目盛が細かく、ごく小さいアタリでも認識出来るだろ
うと思うからです。またムクトップを使うのは、トップが細いためストロークが大きく、その分
クワセのウドンによるなじみ幅が出やすいからです。
特にハリスがオモリに絡んだ時、下ハリスのズラシ幅にもよりますが、通常は下針が底に届か
ないはずです。その場合は下針とクワセのウドンが宙にある分、トップが余計になじみます。そ
れがムクトップの方がパイプトップよりも顕著なので、すぐに判別出来ると私は考えています。
クワセが底に着いていないとアタリが出ないか出てもカラツンになるので、この事はとても重要
だと考えます。
エサ落ちですが、私の場合は全11目盛中の9目(赤)出しにしています。
ウドンによるなじみ幅は1〜2目盛ですが、8目盛目の緑かその上の黄色がチラチラした状態で
アタリを待つ事になり、それ以外ではしっくりしません。本人が見やすい位置となるように設定
すれば良いと考えています。
バラケ
段底ではバラケがとても重要である、と言われているようでが、私の場合、ブレンドはいつも
決まっていて、その事には全く神経を使いません。気を使うのは、浮子のなじみ加減と戻り具合、
それと大きさだけです。
その私の定番のバラケは、まずスイミー1に水1を入れ、全体に水分を行き渡らせてから新B
2、バラケマッハ1を加え、練らないように全体をかき混ぜて出来上がりです。
それをやや大きめ(親指の先大ぐらい)にまるめ、打ち始めはラフ気味に付けます。そして
トップがしっかりと馴染み、かつ速やかに戻るよう手水や手揉み等で調整します。トップの馴染
み幅は大きければ大きい程良く、例え沈没しても構わないと思っています。ただし浮子が戻って
からが勝負なので、速やかに戻る事が大切で、その兼ね合いが難しいところです。
バラケの大きさも重要と考えます。アタリがなくなった時、バラケを付けずにクワセのウドン
だけで打つとアタリが戻る事がよくあります。おそらくばらけた麩の粒子にへらの興味が行って
しまうためと考えています。ただし例会や競技会ではバラケを付けない釣りは違反と
なりますので、その場合はごくごく小さく付けたりしています。
クワセ
私の場合、クワセは常にウドンです。グルテンを使った釣りはもちろんありますが、説明中の
釣りとはかなり違った釣りになるはずです。
ウドンのブランドにはあまりこだわっていません。通常は野本の黄ウドンを使っていますが、
白ウドンや彩を使った事もありますが、結果に違いはありませんでした。要はしっかりと底まで
持てば良いと考えます。その意味では、時間の経過と共にダレてしまうインスタント・ウドンは
お勧めできません。
ウドンの大きさは5mm径ほどにしています。あまり小さいと針持ちに自信が持てず、トップ
に馴染みが出にくいため釣り難くなります。やや大きめの方が釣りがしやすいと考えます。
ズラシ幅
流れが無ければ下針トントン〜5cmズラシの間で調整しています。どのくらいの
ズラシ幅が良いかについては、なぜかは分かりませんが、日によって、あるいは時間帯によって
変わります。浮子に出るサワリやアタリを見ながら、1cmあるいは5mm単位で微調整して行
きます。この調整によって急にアタリが出るようになったり、逆に出なくなったりしますので、
ズラシ幅はあなどれません。もちろん、正確な底取りが前提になります。
なお風等で流れが出た時はズラシ幅を大きくします。どのくらいずらすかは難しい所ですが、
要はアタリが出るまでどんどんずらします。いずれにしても釣りは難しくなりますので、段底に
とって風や流れは大敵です。
サソイ
段底においてサソイは必須と考えています。さそわずにアタリが出てくれればそれに越した
事はありませんが、食いの悪い厳寒期ではなかなかそうは行きません。
私は縦にサソイます。すなわち穂先をゆっくりと上げ、浮子をボディ付近まで上げてから静か
に下ろします。あまり品が良いとは言えませんが、サソイの中では最も効果的と考えています。
ただしバラケがしっかり付いた状態では絶対にさそいません。馴染んだ浮子がエサ落ち近く
まで戻るまで、ただひたすらに待ちます。バラケが付いているうちにさそうと、麩の粒子が舞
ってしまい、へらがうわずると考えています。そしてエサ落ちより目盛がひとつないしふたつ
上まで戻ったら一度サソイを入れます。
この最初のサソイには目的が3つあります。
1.上針に残った(かもしれない)バラケを完全に落とす。
2.下ハリスに余分についた(かもしれない)張りを修正する。
3.ヘラに食わせる。
(1)は多分に気分的なものかもしれません。要はアタリがあった時、それが100%クワセに対
するものだと思いたいのです。
(2)について。ハリスは常に斜めに張るものと思います。その張り具合が一定でないとすると、
ウドンによる浮子の馴染み幅が一定でなくなるはずです。それを常に一定にしたいため、ハリスを
いったん上げて余分な張りを無くしています。もっとも、水中を見ているわけではないので、あく
までもイメージの中での話です。
(3)は特に説明を要しないと思います。もちろん1回目のサソイでアタリが出れば合わせます。
1回目のサソイの直後に注目する点は次の3点です。
1.あたるか。
2.ウドンの馴染みは正しいか。
3.サワリは出るか。
(1)は当たり前の事ですね。あたればもちろん合わせをくれます。ただしアタリは極く小さい事
が多いので集中力と慣れが必要です。明確にチクッと入れば良いのですが、そんなアタリばかりでは
ありません。サソイ直後で良くあるのは、馴染みに戻るトップの馴染み方がほんの少し早いという
もの。それこそ集中力と経験が無いと気付かないのではと思いますが、通常の馴染む速度と少しで
も違う速度で馴染んだら、それはアタリに他ならないわけです。そのアタリに合わせて乗った時の
喜びは何とも言えないものです。
もうひとつ多いアタリは、トップが馴染んだ(戻った)直後のムズッというアタリです。ただし
ほんの数ミリという場合も多いので、こちらも集中力と慣れが必要でしょう。
(2)について。この点は非常に大事です。流れが無いかごく弱い時、底取りやズラシ幅がきちんと
出来て、エサ落ち目盛をきちんと把握していれば、1回目のサソイによって常に一定の馴染みがトッ
プに現れるはずです。ズラシ幅が大き過ぎると出ませんが、5cmぐらいまでなら出ます。
もし一定の馴染み幅が出なかったり、馴染みすぎた場合は次のいずれかが原因です。すなわちウド
ンが付いていない・ズラシ過ぎ・ハリスが絡んだ・底を切った・エサ打ち点がずれた等。いずれに
しても竿を上げ、それらに対処しなければなりません。おかしな馴染みのまま待ってもまず釣れず、
スレたり仕掛けを切る等のトラブルを招く事にもなりかねません。
(3)について。サソイの一番の目的はサワリを出す事と言って良いかもしれません。サソイ直後に
あたる事は珍しくありませんが、まずモヤモヤとサワリが出て、少ししてチクッあるいはムズッとあ
たって釣れるという事の方が多い気がします。食いが悪ければ悪いほどその傾向が強い気がします。
もしサワリが出たら、明確なアタリまで待ちます。決してモヤモヤした動きに合わせてはいけません。
空振りするか、スレてしまうだけです。静止してからのアタリは、数ミリといった極く小さいアタリ
であっても明確なものです。(慣れないと気付かないかもしれませんが)
サワリが出ない時。打ち始めならすぐに竿を上げるべきですが、そうでなければ続けてサソイを入
れます。よほど食いが良い時を除き、一度のサソイで竿を上げていては釣りになりません。2度、3
度、4度・・・と、極端に言えばサワリが出るまでさそいます。と言っても限度はありますので、例
えば「今日は5回さそってもダメなら諦めよう」等と決めると良いでしょう。
これは私の考えですが、サワリが全く無い状態から突然アタリが出る、あるいは突然サワリが出て
あたるというケースは皆無ではありませんが希だと知るべきです。さそう・さわる・あたる、あるい
はさそう・少し待つ・さそう・少し待つ・さそう・少し待つ・竿を上げる、といったように、常にリ
ズムを取るよう心がけるべきだと思います。
(2)へ続きます
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