フナ島のヘラブナ釣り入門

フナ島のヘラブナ釣り入門




14.段差の底釣(2)  

【実釣編その1】

 2002年12月23日(火)天皇誕生日。釣り場は埼玉県羽生市の椎の木湖。

 前日の水温は7度。トップ釣果は35枚で23キロ。そろそろ段底有利の釣況のはず。
 そして当日の天気予報は南東の風が最大でも3mの晴れ。最低気温2度、最高気温8度は 並みの冷え込み。段底には打ってつけの陽気だ。なぜなら、風が強いとウキはしもるし、流 れが出るとクワセの下針が底を離れ、アタリが出ないか出ても分からなくなる。また、曇りや雨で は魚が上っ調子となり、水温が高くなると魚の活性があり過ぎて、バラケに反応した魚でハ リスがもみくちゃにされる。いずれも段底には辛い状況になりがちだからだ。

 インターネット仲間の例会予約に参加させてもらい、この日は2番入場。南東の風との予報 から、ほぼ全員が5号桟橋の中央付近に並んで座った。
 もちろん私に異論はなく、水深表示5.63mを確認して629番に座った。
 この日は前日から19尺で段底をやろうと決めていた。実は前日も椎の木湖へ行ったのだが、 浅場で12尺の段底をやり、あまり良い結果を得られなかった。2号桟橋のかなり奥に入った のだが、サワリ、アタリとも散発で、釣れる時は続けて釣れるが、パッタリ止まるとノーサワリ になる。ヘラの回遊待ちといった感じだった。
 そこで当日は椎の木湖の中で 最も魚影が濃いとされる5号の、しかも中央付近で段底をやろうと心に決めていたのだ。ただ し型も良いと言われる5号桟橋だが、私の経験では底釣りには当てはまらない。むしろ浅場の 方が型が良いように思う。だが型よりもまずは釣れる事が大事だった。前日まで不調続きだった ので、贅沢を言える状況ではなかった。

 19尺で水深5.63mはほぼ理想的だ。つまりハリスは70cm〜80cmで、仕掛けはジョイント部 が握りの少し上あたりに来る長さにしている。結果ハリス・バカは40〜50cmとなり、底を取っ た結果のトンボは穂先から40〜50cmの位置に来、そこへエサ落ちを合わせれば穂先から30cm 前後余り、つまりちょうどウキ1本分になる。
 釣り座に座るとすぐに19尺の竿を出し、仕掛けを付けウキを付けた。ウキは愛用している 花春の底用ムクトップ。15〜17号の3本を持っているが、この日は竿が長いので手持ちの 中で最大の17号を付けた。ボディは足を含まず14cm。足はタケ足で短め。トップを含めて全長 32cmだから、さほど大きいウキではない。

 ところで、釣り座に着いたら真っ先にエサを作るのがセオリーであろう。バラケ(ダンゴ)や グルテンは、水分が浸透するのにある程度の時間を要する。そこで最初にエサを作っておき、竿や仕掛け を準備している間に打ち頃(?)のエサにする、という考えは理に適っていると思う。
 しかし底釣りの時に限ってだが、私は何よりも優先して真っ先に底を取る(水深を測る)よう にしている。なぜなら、底釣りにとって一番重要なのは、用意した竿でイメージ通りかそれに近 い状態で底が取れる事と、平らかどうかといった底の状態を知る事だからだ。例えば水深表 示と実際の水深が著しく違っていたり、底がデコボコしていたり、根掛かりが在るなどして、時 には釣り座を移動せざるを得ない事もある。管理が行き届いた椎の木湖であっても、可能性は0 ではない。そしていざ移動しようとした時、休日の椎の木湖だと、移動したくても釣り座が全て 埋まってしまった、などという状況が起こりうるのだ。
 だから悠長にエサを作る余裕は、少なくても私にはない。ただしいつも同じ釣り座に座るとか、 前回と同じ釣り座に着いた時はその限りではないが、629番で底釣りをするのは、私としては初め てのはずだった。

 19尺の竿で段底をやるのは初めてなので、ウキの重り合わせから始めないといけない。ただし ハリスは上下とも予め結んでおいた。上0.4号10cm。下0.3号80cm。
 重りは絡み止め重りの中サイズと、その下に0.25mm厚の板重りを巻いている。やや長めに巻いて いたのでウキは沈没した。板重りを少しずつハサミで切り、3〜4回それをやってようやくトップ の何目盛か出るようになった。その状態で底取りを行う事にした。最終的な重り合わせは底を取っ た後で行う。理由は、前に述べたように一刻も早く底を取りたい事と、実はもうひとつあるが後で 説明します。

 ウキにフロートを差し、下針にタナ取りゴムを付けて底取りをする。
 フロートは、ウキ作り用の硬質の発砲を糸鋸で約5mmの厚さに輪切りし、熱したドライバーで中 央に穴を空けたものを使っている。昨年までは厚さを約2mmにしていたが、それだと割れ易いのと、 タナ取りゴムが十分に重い事から今年から厚めにした。
 タナ取りゴムは市販品だが、フックの付いた直径1.5cm程の丸いゴムを加工して使っている。加工 とは、まず下半分程をカッターで削り取って平らにし、横もカッターでV字型に切り込みを入れた。 底で転がらないようにするためと、ハリスを真っ直ぐにするためだ。

 それでも十分に重いタナ取りゴムのため、ウキはスーっと沈んで行く。しかし私はそれで良いと 思っている。人によってはフロートを使わないとか、タナ取りゴムはウキがやっと沈む程度に軽い ものをと言うようだが、私の考えは逆だ。十分に重いタナ取りゴムと、十分に大きいフロートを使 う。理由は素早く底取りが出来る事と、常に一定の底取りが出来る(と考えている)からだ。
 常に一定の底取りが出来る事はとても重要だと思う。必ず無風で流れが全く無いなら別だが、そ んな事はまず有り得ない。もし軽いタナ取りゴムを使うと、ミチイトやハリスに掛かるテンション が弱い分、風や流れの影響を受けやすいはずだ。更にフロートを使わなかったとしたら・・・(ど んな結果になるか想像もしたくもない)。実際は一定の水深でも、風や流れの状況によって計った 結果の水深が違うという事になるだろう。確か、軽いタナ取りゴムを使うのは、実釣に近い状態で 測るためとの事だからそれで良いのかもしれないが、まさか一日中同じ風が吹き、同じ流れ方では ないだろう。それらが変わる度に底取りを行えと言うのだろうか?

 ちょっと脇道に反れたので話を戻す。底取りは基準作りだと思っている。基準である以上、水位 に対して常に一定の水深を測らなければいけない。逆に言うと一定であれば良い。極端に言えば、 正しく水深を測っていなくても良いのだ。
 底取りをして、トップ先端2目盛が出たとする。タナ取りゴムが転がった可能性があるし、ミチ イトが斜めに張った可能性もあるので穂先を少し上げ、ゆっくりと降ろす。それで出た目盛が水深 だ。私はいわゆるトップ1目盛にはこだわらない。2目盛出しでも3目盛出しでも良いと思う。4 目盛出し以上だとちょっとダメかなと思うが。
 そしてセオリーに従って周囲の水深もチェックし、静かに竿を上げる。なぜ静かにかと言うと、 ハリスが重り付近に絡んでいないかチェックするためだ。言うまでもなく、ハリスが絡んだ状態で 底取りをしたのでは意味が無い。その意味では、いったん竿を上げてから再度底取りを行うのがベ ターだ。

 底取りが終わったら、トップの水深の位置へトンボを合わせる。そしてウキを上にずらしてトン ボの位置にエサ落ち目盛とすべきトップの目盛の1cm下を合わせる。つまり下針1cmズラシだ。
 「エサ落ち目盛とすべき」と書いたのは、まだエサ落ち目盛が決まっていないからだ。この時点 では、エサ落ち目盛はトップの上から3〜4目盛か、もっと上かもしれない。それはどうでも良い 事で、正確なところはこの後調整をする。

 フロートとタナ取りゴムを外し、重りが重過ぎる事だけは分かっているのでハサミで板重りをほん の数ミリ切り、しずかに沈めて行く。
 ウキが立ち、静かになじみに入り、いったん止まる。そしてしばらくして、更に1目盛強なじんで止 まる。この1目盛強は下針の重さ分だ。補足すると、下針1cmズラシ(と私が思っている)の場合の 下針の重さである。もっとずらした場合や、逆に底を切った場合の下針の重さは違ったものになるは ずだ。
 重り調整を途中で止めたのはここに理由がある。下針が水深に対してどの位置か分からぬうちにエサ 落ち目盛を決めたのでは意味がないのだ。エサ落ち目盛そのものに対する考え方は人それぞれ違うよう だが、私が考えるエサ落ち目盛とは、実際に釣りをするタナで、上下の針に全くエサが付いていない 状態でのなじみ幅がエサ落ち目盛なのだ。だから底取りをして、これから釣りをするタナ(今年は1cm ズラシ)にセットし、はじめてエサ落ち目盛の調整が可能になるのだ。
 ところで、賢明な方は「風や流れの影響でエサ落ち目盛も変わるのでは?」と疑問を抱く事だろう。 その通りだと思います。でもどうやって解決すれば良いのでしょうか?
 幸いな事に、早朝から風や流れが強いという事は滅多にない。だから結果的には事なきを得ていると 思っている。しかし、と言う事は風や流れが強くなってからはエサ落ち目盛が分からなくなるという事 でもある。実際にそうであるので、早朝の穏やかな時に、きちんとエサ落ち目盛を決めておかないといけ ないのである。

 長くなったので続きは(3)とします。
 説明が長かった割にはまだエサも作っていません。時間にしたらほんの10分かそこらの作業だと思います。 でも段底において、とても重要な事柄だと思うので、詳しく書いてしまいました。


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