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両グルテンの釣りとはその名の通り、上下のハリ両方にグルテンを付ける釣りです。
旧ベラを対象にする場合もありますが、今回は新ベラまたは大型の旧ベラを狙った釣りを
解説いたします。
一般に新ベラは旧ベラに比べて重量があり、魚体は傷もなくきれいであり、掛かった時
の引きは強烈です。また大型の旧ベラも当然ながら重量がありますので、それらを釣るの
はとても楽しく、例会等では重量も稼げて有利になります。
私はまだまだ経験が浅く、分からない事や誤った考えが多々あるかもしれませんが、一応は
この釣り方で椎の木湖や羽生吉沼で竿頭になった実績があり、経験不足ながらもおおよその
勘所は掴んでいるのではないかと思っています。
両グルテンには宙釣りもあります。狙う新ベラや大型の旧ベラが中層に多くいて、宙釣り
で釣れるなら宙釣りが良いでしょう。しかしそれらのターゲットが底に多くいるなら底釣り
をするほかありません。また、水温が下がってヘラの活性が低下すると、おのずと底釣りで
しか釣れなくなります。具体的には水温がおおよそ10度を下回ると、徐々に宙では釣れな
くなるように思います。
まずはこの釣り方が成立する、あるいは適した条件を下記に示します。
1.比較的最近に新ベラが放流されているか、沖等に大型の旧ベラが潜んでいる
2.新ベラや大型の旧ベラが底か底付近に多くいる
3.水温は低め
4.底が駆け上がりになっている
(1)と(2)はほぼ絶対の条件です。
(3)と(4)は適した条件であって絶対ではありません。詳しくは次で説明します。
・水温について
おおよそ7℃〜15℃が適温のようです。具体的には晩秋から冬にかけて(11月中旬
〜翌年の1月上旬頃)がベストシーズンでしょう。水温としては春先(2月下旬〜4月上
旬)もとなりますが、新ベラは通常秋から冬にかけて放流されるので、春先も有力ではあり
ますが晩秋から冬にかけてには劣るだろうと思います。
厳寒期で水温が7℃を下回るとアタリが出にくい状況になり、
5℃以下になるとアタリどころかサワリも出ない状況になりがちです。想像ですが、極端
に水温が低下すると、ヘラの食欲は当然ながら低下し、たとえエサを口に吸い込んでも弱々
しいのではないかと思います。その時に2本のハリが底に着いた通常のバランスの底では、
ウキにアタリとなって現れず、一本のハリだけを底に着けた段差の底釣りで、ようやくアタ
リが出るのではないかと思います。理論的な事には自信を持てませんが、この事は経験上間
違いないと思っています。
逆に水温が高い場合はウキに余計な動きが出て困る事があります。ジャミや小型の旧ベラ
がエサを突いたり、底へ到達する遙か前にエサにアタックされる等です。
個人的には水温が6℃〜10℃ぐらいが最も面白いと思っています。10℃を上回るとウ
キに余計な動き出るし、狙う新ベラや大型のヘラは宙釣りの方が釣れるのではないかと迷い
ます。考えようによってはそれも一興ですが、底釣りにまとを絞ってじっくり釣る方が私は
好きです。
・ポイントについて
おそらく一番重要なのは釣り場のどこで釣るか、つまりポイントの選択であると思います。
両グルテンでもある程度はへらを寄せる事は可能だと思いますが、麩エサのそれに
は遙かに劣るようなので、最初から新ベラや大型のヘラがいるポイントにエサを打つ事が
たくさん釣るための前提条件となります。
では、釣り場のどこに新ベラや大型のヘラが潜んでいるかですが、一般的にはあまり人気
(ひとけ)のない池の端で、底が駆け上がりの場所が好ポイントになります。ちなみに宙釣り
の場合は池の中央あるいは桟橋と桟橋の中間等が好ポイントになりますが、底釣りの場合は
中央部よりも端が良い事が多いと思います。
例えば羽生吉沼では岩手桟橋の岸向きで、出来る限り対岸の岸近く。椎の木湖では2〜5号
桟橋の奧が好ポイントになる事が多いと思います。
ただし絶対ではありませんので、やはり事前情報が大切です。また、もじりの有無やその
様子(ヘラの大きさやタナの深さ)も参考になります。ただし過信は禁物で、「朝のもじり
に騙された」とは良く聞く話です。
・竿について
何尺の竿を使うべきかは重要であり、実際によく悩むところです。一般的に、放流直後の
新ベラは警戒心よりも食欲が勝るためか短竿で釣れる事は珍しくありませんが、少し経つと
短竿では釣りにくくなります。従って通常は長竿を使う事になりますが、長ければ良いとは
限りません。理想としては、新ベラや大型のヘラが釣れる長さで最短の竿を使いたいところ
です。なぜなら、短い竿であればエサ打ちのリズムを早くでき、小さなアタリが取れ、竿さ
ばきが楽で・・・等々、特に説明は要らないでしょう。
その最低限の長さが何尺かは、釣り場やポイント、釣り人の数その他によりますので、事
前あるいはその日の情報収集が大事です。もし情報が得られない場合は、規定いっぱいかそ
れに近い長さの竿でスタートするほかないでしょう。
ちなみに羽生吉沼の岩手桟橋岸向きでは、27尺で好釣果が良く出ます。私も所持はして
ますが、27尺の竿はうまく扱えないので24尺を使う事が多いです。24尺でも21尺に
比べてサワリやアタリが多く、釣れるヘラも大型が多いと思っています。21尺ではまった
くダメというわけではありませんが。
また椎の木湖では18尺が良い加減かと思います。ポイントの水深によってはもっと長く
する必要もありますが、十分に底が取れるなら18尺で良いように思います。
なお、新ベラや大型の強引に耐えなければいけないので、極端に軟らかい竿は避けた方が無
難です。
・エサ(グルテン)について
もちろんエサは大事な要素ですが、私の場合は一度決めたブレンドに迷いはほとんどあり
ません。いまはヘライズムの「グルテンZI」の単品を気に入って使っています。水との割合
は1対1の標準。やや開きが良いので状況によってはグルテン繊維の強い「グルテンZII」
を混ぜる場合もあります。
以前はマルキューの「新ベラグルテン」と「アルファ21」を2:1ぐらいの割合でブレンド
したりもしました。それでも全く問題ないと思いますが、単品で良ければそれに越した事はない
と思います。ただしマルキューのグルテンで単品で使えるグルテンを私は知りません。「グルテ
ン四季」はやや開き過ぎでやや軽過ぎ。「わたグル」は軽過ぎる気がしています。
それらの感覚は人それぞれなので一概には言えないと思いますが、要は開き加減と比重が適度
であるかが大切だと思います。具体的にはしっかり底まで持ち、ウキになじみが出て、例えサワ
リが無くても徐々に開いてウキが戻るようなエサである事が大切だと思います。
ただし水深や竿の長さ、へらの活性の違い等によるサワリの強弱等によってより開くエサに
すべき時や、逆に開きを抑える必要がある時があります。そのような時はまずハリ付けの際の
エサの大きさや手揉み加減等で対応をはかります。それでも対応出来ない時は、私の場合は平気で
手水をしたり粉を足したりしています。グルテンは手直しが効かない、あるいはしてはいけない
と聞きますが、ある程度は構わないと思います。例えば風に当たると乾いてきますが、その時は
手水を打つしかないでしょう。風に当てない努力は必要ですが。
ただしダンゴのようには手直し出来ません。わずかな範囲での手直ししか出来ませんので、
大きく変化させる場合は作り直した方が良いでしょう。私が時々やる失敗は、比重や臭いを付け
たくなりイモ系のグルテンを混ぜ、極端に開きを悪くした場合です。そこへ開きの良いグルテン
を混ぜてもまず失敗します。結局は作り直すはめになります。一概には言えないと思いますが、
イモ系のグルテンは開きが悪い傾向にあるので使用には注意した方が良いようです。
私の経験では、底の時は軟らかめが良いようです。宙では硬いエサで決まる場合が少なくあり
ませんが、底で硬いエサで釣れた試しはありません。と言っても振り込めないと意味がありませ
んので、振り込みに支障がない範囲で軟らかめとしています。
意外に重要なのは大きさです。極端な小エサや大エサはどうかと思いますが、大豆大ぐらいか
らアーモンド大ぐらいの間で、ウキにサワリやアタリが出る大きさを探るようにしています。大
きめのエサを何度か打ち、小さめのエサでアタリを出す、といった事もしばしばやります。要
は常に一定ではなく、ウキの動きを見ながら一投一投工夫する事が重要と思います。
・ウキについて
ウキの選択にはあまり拘らなくて良いと思います。極端に大きくなく小さくもなければ、パイ
プでもムクでも、宙用でも底用でも良いと思います。私は底用かオールマイティのパイプトップ
のウキを使う事が多いですが、水温が高めで馴染み込みのアタリを取る時は、宙用のムクトップ
のウキを使う場合もあります。誤解を恐れずに言えば、適度な浮力があり、トップが見やすく、
使い慣れたウキであれば何でも良いと思っています。
・ハリとハリス等について
ハリはやや小さめが良いと思います。例えばグランなら4号前後が良いと思います。気分的な
ものですが、エサが白いので金バリは使っていません。
ハリスは新ベラや大型が相手なので太めで0.4号を使います。長さは40×50cmとし、まず変更
する事はありません。バランスの底釣りで段差10cmは大きく思うかもしれませんが、私の経験
ではそのくらいが適度な気がします。ハリスが長めな事と、アタリの取り方のせいかもしれませ
ん。
ミチイトは0.8号か1.0号としています。基本は0.8号ですが、21尺以上の長竿ではライン
ブレークが恐いので1.0号を使う場合があります。
・底取りとズラシ幅について
段底の時のような正確な底取りを私はしません。フロートも使わない事が多く、おおよその
水深が分かっていれば底取りをしない事もあります。乱暴な言い方ですが、バランスの底にお
いて、正確な底取りは必要ないと私は思っています。もっとも、穂先を大きく余し、駆け上が
りやデコボコの底で釣る事の多い両グルの底釣りでは、やろうとしても正確な底取りは無理だ
と思います。少なくても私には無理です。
仮に底取りを丁寧に行ったとしても、実際にエサを打った時のトップのなじみ幅が自分が予
想した位置と違う場合、すぐにウキを上下させてしまいます。つまりエサの重さでタナを微調
整します。従って正確な底取りは私の場合は意味がないという事です。
底取りがいい加減なので、ずらし幅もいい加減です。と言うより、どのくらいずらしている
のか切っているのか、自分では分かっていません。時々人から「ずらしはどのくらい?」と聞
かれますが、実は答えに困っています。
トップのなじみ幅でタナを微調整しますが、そのためには使い慣れたウキとエサである必要
があります。もしそれらに変更があって自信が持てない時は、いったんウキを十分に下げて、
宙になるようにしてエサを打ちます。その状態でトップが何目盛なじむか、あるいは沈没する
かを確認します。それをすれば、最低限エサが底に着いているかどうかの判断は出来ますので。
・サワリとアタリについて
最後はサワリとアタリについて。両グルの釣りは宙でもそうですが、サワリとアタリの区別
が明確ではありません。相手が新ベラや大型だからで、小型の旧ベラが寄った場合は明確なア
タリが出ます。従ってサワリを出す事とアタリを出す事は同じ事と言ってよく、それが両グル
でもっとも重要な事になります。
そのためにまず重要なのは、他の釣り方でもそうですが、テンポ良くエサを打つ事です。両
グルの底釣りと言うと、ハリ持ちの良いエサでじっくり待つイメージがあるかもしれませ
んが、私はそういう釣り方はまずしません。
打ち始めは当然ながらサワリもアタリもありませんので、ウキがなじんだら切るを何度か繰
り返します。その後、サワリを出そうと努力します。ウキを前後させてトップのなじみ幅を変
えたり、エサの大きさ・タッチ・付け方を変えたり、振り切ったり落とし込んだり・・・。
その間、待ち釣りにならないようエサ打ちはテンポ良く行います。
サワリが出たら普通はアタリを出すようにするわけですが、両グルの場合は明確なアタリば
かりではないので、サワリとアタリの区別はつきにくい事が少なくありません。従って明確な
アタリでなくても、極端に言えばウキが動いたら合わせていきます。その中で、乗るウキの動
き、つまり食いアタリを探していきます。
私が理想とするアタリは、トップがなじみこむ途中のムズやチク、あるいはモヤや止めのア
タリです。
と言ってもそのようなアタリが続く事は少なく、それらのアタリと、なじみ直後のモヤやチ
ク、ムズといったアタリも取っていきます。それらの早いアタリがコンスタントに出るように
なれば最高です。
時にはどうしても早いアタリが出ず、エサ落ち付近まで戻ってからのアタリでしか釣れない
場合もありますが、それは最後の手段です。あくまでも早いアタリを追いかける事が両グルで
好釣果を上げるコツだと私は思います。
とは言っても、両グルでたくさん釣るのはなかなか難しいものです。しかし新ベラや大型の
連発となる事が多く、数は釣れなくても楽しいと思います。まだ達成した事はありませんが、
50枚50キロを私は目指しています。みなさんもいかがですか?
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