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この釣法はヘラブナの活性が充分に高く、ダンゴエサを活発に追う事が第一の
条件ですので、盛期(6月〜10月頃)の釣り方と言えるでしょう。
俗に「一方通行の釣り」とも言います。すなわち、浮子が立ってから馴染み切
るまで、または戻り始めるまでのアタリだけを取り、その間にアタリが無ければ
エサを切ってしまう釣り方です。
以前にある管理釣り場で、混雑によると思われる酷い食い渋りに見舞われ、私を含
めた殆どの人が釣れずにいた中、ただ一人好調に竿を絞る人物がいました。その
人の釣り方が、正に両ダンゴの落ち込み釣法であり、その印象は鮮烈に脳裏に刻
まれたのでした。
以来、管理釣り場に行けば必ずと言って良いほどこの釣り方をしています。
自己流ながら、この釣り方をしてからは釣果が飛躍的に伸びるようになりました。
まだまだ経験不足であり、分からない点が多々ありますが、更に研究を重ね、こ
の釣り方に磨きをかければ、更なる釣果の向上が望めるのではないかと思ってい
ます。
タナは天々で深めにしています。おそらく浅ダナでも可能とは思いますが、盛
期の管理釣り場での浅いタナは、魚影が濃すぎてアタリが多すぎ、この釣り方に
は向かないような気がしています。
竿は8〜13尺を使用します。手返しの早さが非常に重要と考えますので、な
るべく短い竿を使いたいのですが、混雑すると短竿ではアタリが続かない事がま
まあるので、水深との関係も考慮しつつ、状況に応じて竿の長さを選択するよう
にしています。
浮子はトップがムクまたは極細のパイプで、ロングまたはセミロングである事
がほぼ絶対と言って良いでしょう。すなわち、落ち込みの微妙なアタリが浮子に
表れるよう、極力浮力が少なく、アタリが出やすいよう、ストロークの長いトッ
プを使います。
浮子のサイズ選びも重要でかつ難しいところです。小さな浮子ならゆっくりと、
大きな浮子なら早く落下しますが、ヘラブナの活性の高さ、ハ
リスの長さ、エサのタッチ等と微妙に関わってきます。また意外に重要なの
はエサ落ち目盛りをトップのどこに取るかで
す。一般には上から3分の2前後としますが、よりヘラブナの活性が高い時は、
更に先端近くにした方がアタリが出やすい場合があります。
道糸とハリスはごく一般的な組み合わせで良いと思います。1.0号と0.5号ある
いは1.2号と0.6号で良いでしょう。ハリスの長さはとても重要です。私は30cm×
40cmと短めで始め、浮子の動きが芳しくないと徐々に長くするようにしています。
またハリスはそのままで、オモリを上にずらす事も良くやります。
ハリの大きさは一般的なもので良いでしょう。すなわちエサ付けの大きさに比
例させますが、5〜7号程度が良いと思います。
オモリは通常の板オモリで充分ですが、2ヶ所に付ける事をお奨めします。2
ヶ所付けをすると、落下がややゆっくりとなり、落とし込み位置を浮子の立つ位
置と少しずらす事で、道糸が斜めの状態で落下し、ハリスのカラミを予防す
る効果があります。
エサのダンゴは言うまでもなく非常に重要です。しかしどんなダンゴが良いか
は実際にやってみないと分かりません。肝心なのはエサの銘柄ではなく、重いか
軽いか、ヤワかボソか、ネバリ加減はどうかといった、いわゆるタッチだと思っ
ています。それらの組み合わせの中から、その日あるいはその時間帯での正解の
タッチを探る事だと思っています。
この釣法で第一に気を付ける点は待ってはいけない事です。元々一方通行の
釣りですから、待つ釣りではないのですが、どうしてもアタリが無いと待ち気
味になりがちです。しかし待つとヘラブナが充分に寄らず、ますます落ち込み
であたらなくなってしまいます。気力を充実させ、せっせとエサ打ちを行い、
小さなアタリも積極的に合わせて行く事が何より重要であるようです。
次に心がける点は、落ち込みでのアタリが出る方向に自らもって行く事です。
理想的な浮子の動きは、サワって止めてツンです。実際にはこのような理想的
なアタリばかりではありませんが、このような動きを目指すべきです。
具体的にはまずエサ打ちを一生懸命やります。初めの数投はサワリもないで
しょう。その間にサワリがない時の浮子のナジミ具合を覚えておきます。また、
これはとても重要ですが、エサがタナまで保っているか確認しておきます。す
なわちサワリがなければ、トップはエサ落ち目盛りを過ぎ、深ナジミするのが
普通です。もしそうならなければ、エサがタナまで保っていない事になります。
ただし時間の経過と共にエサにはネバリが出ますので、作った直後のエサでは
保たなくて良い場合もあります。その辺りの判断は難しいので、エサはなるべ
く早めに作っておくようにします。
10投前後でサワリが出て、止めも出るようになれば、いずれはアタリが出
て釣れるでしょう。もしサワリが出ず、毎回浮子が深ナジミするようなら、エサを
手直しします。サワリがないという事はヘラブナの寄りが悪いと判断し、手水を
打って少し軟らかくし、エサの開きを良くします。この時注意が必要なのは、
タナまでエサが保つかどうかです。開きが良くなったとしても、サワリがなけ
れば浮子はエサ落ち目盛りより沈まなければいけません。もしそうならなけれ
ば、エサが保ってない証拠なので、エサ付けを丁寧にしたり、大きめに付ける
等します。
それでもサワリや止めが出なければ、逆に麩エサを足してボソにし、より開きを
良くします。それでもサワリが出なければハリスを長くするか、オモリを上に
ずらします。
それでもなおサワリが出なければ、浮子を小さいものに換えるか、竿を長い
ものに換えます。あるいはこの釣法を諦めて浅ダナにしたり、セット釣りに切
り換えた方が良いかもしれません。
逆にサワリや止めは毎回のようにあるが、アタリが出ない事もままありま
す。その場合の対処の仕方が釣果を大きく左右すると思っています。
対処の仕方を考えるには、まず原因を考えます。
1.アタリはあるのに見逃している。
2.浮子のバランス調整が悪くてアタリが出にくい。
3.エサがタナまで保っていない。
4.ハリスが長すぎてアタリが出ない。
5.ヘラブナが上ずっている。
原因に見当が付けばそれに見合った対処をします。なおボソのエサを打ち続け
るとヘラブナが上ずる事があります。症状としては浮子が立たない、立ってもな
じまないといったものですが、そうなったらエサを絞めるか、重くする、ハリス
を短くする等します。また少し休憩するのも方法です。
次にアタリはあるが乗らない、いわゆるカラツンばかり。あるいは乗ってもス
レばかりといった事も良くあります。一般にはハリスを短くしたり、エサを軟ら
かくしたり逆に硬くしたり、といった対応をしますが、ある程度のカラツンは覚
悟し、あまり気にしないといった対応も時に必要なようです。なまじハリスやエ
サを変えすぎて、カラツンすら無くなるといった事もまま起こりうるからです。
以上簡単に落ち込み釣法の要点を述べましたが、実釣で成功させるのは結構難
しいです。しかし成功した時の爆発力は魅力的だし、一定のリズムを保て、アタ
リを選ぶ煩わしさがほとんど無いという利点がありますので、是非お試し頂きたいと
思います。
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