■蜻蛉石
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蜻蛉石

敷物の上にひざまずき合掌している女性の姿

蜻蛉石

蜻蛉石

 宇治市の三室戸寺の近くに、「蜻蛉石(かげろういし)」と呼ばれる線刻阿弥陀三尊仏があります。2メートルを超える自然石に線刻され、製作は平安時代後期と考えられています。

  正面には阿弥陀如来、向かって右面には両手で蓮台をささげる観音菩薩、左面には合掌する勢至菩薩が線彫されています。そして何よりも興味深いのは、左面の勢至菩薩の右下に、一人の女性が彫り込まれていることです。女性は、敷物の上に裳裾をながく後ろにひいてひざまずき、中央の阿弥陀仏に向けて合掌しています。おそらくはこの石仏造立の発願者であろうと考えられています。

 わたしは、この三尊の姿は、三室戸寺の宝蔵に安置されている阿弥陀如来と両脇侍にそくりだと感じました。

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【アクセス】
蜻蛉石(宇治市莵道大垣内):京阪三室戸駅より徒歩15分くらい



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