■ 弁慶の制札
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弁慶の制札

 上の写真は、須磨寺所蔵の伝弁慶筆「若木の桜制札」の木版刷です。偶然に手に入れました。どこかで見た覚えがあると思っていたら、須磨寺の宝物館で見たものと全く同じでした。

 須磨寺所蔵の「若木の桜制札」とは、須磨寺の本堂石段下に、『源氏物語』の須磨の巻に「須磨に年かへりて日ながくつれづれなるに、うえし若木の桜、ほのかにさきそめし、空の気色うららかな」という一節にちなんで後世の人が植えた「若木桜」に掲げられた制札です。弁慶の筆とされています。もちろん、本当に弁慶が書いたわけではなく、後の人が仮託して作ったものです。木版刷にして須磨寺が配っていたのでしょうか。

須磨寺桜
此花江南所無也。一枝於折盗之輩者、任天永紅葉之例、伐一枝者可剪一指。
寿永三年二月日

【参考文献】『西摂大観』郡部



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