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■2004.11.09平家物語との出会い

わたしと平家物語の出会いは、NHK大河ドラマの『新平家物語』です。そこに繰り広げられる王朝世界の物語に夢中になりました。
当時は小学生で、関西に住んでいました。両親は寺社めぐりが趣味だったので、週末ごとに京都や須磨の源平の史跡へ連れて行ってもらうことが、何よりも楽しみでした。
吉川英治の原作小説『新平家物語』も夢中になりましたが、平家好きが高じて佐藤謙三校註『平家物語』(角川文庫)を買ったのも小学生のときです。この本には、口語訳がついていませんでした。平家物語は、まだ現代語に訳されていないんだと思いこみ、大人になったら自分が現代語に直すんだと心に誓ったのもこの時です。しかしそれは大きな勘違いであることに中学生になってから気がつきました。もっとも小学生のころ、原文で平家物語を読んだことが、古典や歴史が得意科目になった大きな理由だと思います。
大人になるにつれ、いつしか平家物語とも遠ざかっていました。しかしここ数年、神戸市の楠木・荒田町遺跡の発掘成果を知り、出版される研究書を読むにつれ、再び平家物語を勉強したいと思うようになりました。子どものころとまた違った視点で平家物語を読み、歴史を学び、史跡をめぐりはじめています
大河ドラマ『新平家物語』を小学生の時に見ていた年代ですので、人生の半ばを過ぎています。でも平家物語のおかげで毎日楽しく学んでいます。
来年の大河ドラマ『義経』も、とても楽しみです。

■2005.01.12 平家納経スタンプラリー

2005年1月2日から奈良国立博物館で、台風被災復興支援「厳島神社国宝展」が開催されています。
展覧会の目玉は、平家納経が全巻展示されること。といっても、作品を保護するため展示期間が限定され、奈良国立博物館で5期、東京藝術大学大学美術館で4期の計9期に分けての展示です。
奈良国立博物館 2005年1月2日(日)〜2月13日(日)
東京藝術大学大学美術館 2005年3月5日(金)〜5月8日(日)

会期中、「平家納経全巻展示記念33巻スタンプラリー 」というイベントがあります。
第1期(1/2〜1/16)に奈良会場で記念台紙(300円 1人1枚)を購入し、参加登録、展示中の平家納経の各スタンプを台紙に押し、東京分を含め全33巻分集めると記念品がもらえます。
また、奈良会場で第1期、第2期(1/18〜1/23)のスタンプを集めると、第3期(1/25〜1/30)の観覧料金が無料、さらに第4期(2/1〜2/6)までのスタンプを集めると、第5期(2/8〜2/13)の観覧料金も無料。東京会場では、第1期(3/25〜4/10)、第2期(4/12〜17)のスタンプを集めると第3期(4/19〜24)の観覧料金が無料になります。

さっそくスタンプラリーに参加してきました。
下の写真はスタンプラリーの台紙です。
表紙は平家納経33巻のカラー図版、裏は二会場のスタンプ台になっています。
全部集めるのは無理だろうなあ・・・

■2005.01.14 平家納経

弟子清盛敬白・・・是れを以て弥報賽を致し、浄心を発さんと欲す

国宝・平家納経とは、平清盛が平家一門の繁栄を祈願して、長寛2年(1164)9月、安芸の厳島神社に奉納された装飾経です。『法華経』(28巻)と『無量義経』『観普賢経』『般若心経』『阿弥陀経』の4巻に清盛の自筆『願文』(1巻)を合わせた33巻で構成されています(ただし『般若心経』は、奉納当初のものではなく、後世に入れ替えられた)。表紙、見返しには、王朝の優美な絵が描かれています。料紙には金銀箔を散らし、軸や発装金具の細部にも意匠が凝らされています。

※「弟子清盛〜」は、「平清盛願文」より。
画像「法華経 妙荘厳王本事品第二十七」見返し。

【参考文献】
『平安時代史事典』
村井康彦『改訂 平家物語の世界』

■2005.03.04 史跡マップ

NHK大河ドラマ「義経」にちなんで、京都や神戸などの各都市では、観光局などが無料のパンフレットを配布しています。

京都市では、「京都義経伝説をゆく」「京町家はんなりマップ」というパンフレットが配付されています。
「京都義経伝説をゆく」では、4つのコース案内と「義経&源平史跡めぐりMAP」が載っています。
4つのコースは、鞍馬から貴船へ牛若ロマン山道・五条大橋から清水寺へ義経ロマン大路・平家ロマン小径・慕情ロマン回廊。
「京町家はんなりマップ」(京都商工会議所)は、京町家を生かした飲食店やショップを紹介する1枚のマップですが、裏面は「義経とゆかりの人々」という特集で、義経の伝説地、ゆかりの人々の解説が載っています。

神戸では、「"義経"神戸源平物語インフォメーションセンター」が開設されて、パンフレットやパネルが展示されています。
そこでもらってきた「源平ゆかりの史跡マップ」では、6つのコースを紹介しています。
6つのコースは、生田の森コース・福原京コース・大輪田泊コース・鵯越コース・長田コース・須磨コース。
義経「神戸源平物語」のホームページでは、もっと詳しいコース情報などもあります。

義経「神戸源平物語」のホームページ
http://kobe-genpei.jp/

携帯電話から情報サイトに接続できる「QRコード」が、いずれのパンフレットにもついています。
わたしは、使い方がわからない世代です。

■2005.03.05 続史跡マップ

史跡マップの第2弾です★

掲示板で晴れのち平安のなぎさんからも情報をいただきましたので、転載します。

下関市観光ホームページから、観光ガイドブックがダウンロードできるそうです。

下関市観光ホームページ
http://www.city.shimonoseki.yamaguchi.jp/kanko/

壇之浦については、なぎさんのWEBサイト『花橘亭〜なぎの旅行記〜』の「壇之浦古戦場」のページも参考になります。
http://www.geocities.jp/kakitutei_pickup/dannoura/dannoura-index.html

また、今日のNHK大河ドラマで、義経一行に素通りされてしまうのに憤っておられる町があります。
滋賀県蒲生郡竜王町です。
『平治物語』では、義経は鏡の宿(現在の蒲生郡竜王町)で元服をしたことになっています。
竜王町の観光協会では、「鏡の宿 義経元服ものがたり」というWEBサイトも開設され、とても力をいれておられます。
道の駅竜王かがみの里では、平成17年3月3日(木)〜4月3日(日)鏡の宿 義経元服まつりを開催中で、「大河ドラマ義経展」、義経元服の盥(たらい)も特別公開中です。
同サイトの情報によりますと、鎌倉時代の武士階級における祝宴等の宴会料理を再現したという「義経元服料理」も販売されています。
わたしも3月中に、ぜひとも訪ねてみようと思います。

鏡の宿 義経元服ものがたり
http://www.town.ryuoh.shiga.jp/yoshitune/

※写真は、左から下関のガイドマップ、源平瀬戸内海絵巻のパンフレット、京都市交通局が出しているリーフレット「おふたいむ2月号」市バス9号系統の史跡案内が義経紀行でした、叡山電鉄のまるごと「牛若丸」鞍馬・貴船ゆかり史跡パンフレット、道の駅竜王かがみの里のパンフレットでは渡来文化と義経ゆかりの地のガイドマップになっています。

■2005.03.14 春の夜の夢のごとし


兵庫県教育委員会では、平成19年度の開館をめざして、県立考古学博物館(仮称)の整備がすすめられています。
場所は、兵庫県加古郡播磨町の史跡大中遺跡の隣接地で、現在播磨町郷土資料館がある場所です。
平成15年度から、博物館の展示テーマを先行的に展示するという「考古博先行展」が開かれてきました。
3回目の今回の展示テーマは、「春の夜の夢のごとし 平清盛と福原京の考古学」です。
福原京の最新の発掘調査成果を中心に、平家物語の時代の考古資料が展示されています。
上は展示パンフレットです。
会期:〜2005年3月21日
場所:播磨町郷土資料館

播磨町郷土資料館
http://homepage2.nifty.com/h-oonaka/

3月13日、上の考古博先行展にあわせて公開シンポジウムが開かれました。

テーマは、「福原(和田)京の謎をとく」。
パネラーは、高橋昌明氏(神戸大学文学部教授)、元木泰雄氏(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)、鋤柄俊夫氏(同志社大学歴史資料館助教授)、岡田章一氏(兵庫県教育委員会埋蔵文化財調査事務所)。
この顔ぶれを見ては、行かないわけにはいきません。
謎を解く鍵は、考古学と文献史学との双方からのアプローチ。
新しいことをたくさん学び、とっても勉強になりました。

■2005.03.16

カバヤ義経風雲録カバヤ食品から発売された、VOLKS・造形村原型製作による食玩菓子『義経風雲録』(全5種+シークレット/お菓子:ガム/本体価格:300円)です。近藤好和先生による解説がついています。

手前から遮那王と平清盛、左が牛若丸と弁慶、右が義経と木曽義仲、まん中がシークレットの義経と頼朝、奥の左が義経と静御前、奥の右が義経と平教経。
さすがにVOLKS、造形的にかっこいいです。

■2005.03.17 フルタ新歴史浪漫

フルタ製菓から発売された、若松造型製作による食玩菓子『新歴史浪漫 義経』(全7種(色違いあり)+シークレット/お菓子:キャンディー/本体価格:315円)です。
東日本では2月14日から発売されています。西日本では4月発売予定。

若松造型のホームページによると、平治の乱(1159)から衣川の戦い(1189)までの8場面で源平争乱を概観する内容だそうです。
残念ながら上の写真にはシークレットの木曽義仲がありません。
写真は、手前右から富士川の戦い(平清盛)、三種の神器、石橋山の戦い(源頼朝)、後方右から壇ノ浦のた戦い(能登守教経)、平治の乱(平重盛)、一の谷の戦い(源義経)、屋島の戦い(那須与一)、衣川の戦い(弁慶)です。
義経と那須与一がかっこいいです!
弁慶もすっごくリアルです。

Team Wakamasu(若松造型)のホームページ
http://homepage3.nifty.com/TeamWakamatsu/index.html

■2005.04.21 映画「山中常盤」

羽田澄子監督による映画「山中常盤」が、23日から神田の岩波ホールで上映されます。
映画「山中常盤」は、岩佐又兵衛「山中常盤物語絵巻」を題材にしたドキュメンタリー映画です。
岩佐又兵衛とは、浮世絵の開祖ともいわれている近世の異色画家。その作品は、見る者に強烈な印象を残します。
「山中常盤」は浄瑠璃のなかでも人気の高い演目。義経を追って奥州に旅立った母の常盤御前が山中の宿で盗賊に殺され、義経がその仇を討つという話。

伝岩佐又兵衛「山中常盤物語絵巻」は、現在MOA美術館に所蔵されています。

日時:2005年4月23(土)〜4月29日(金)
会場:岩波ホール(東京都千代田区神田神保町)

さらに詳しくは制作会社の自由工房さんのサイトで
「山中常盤」のあらすじもブログで読む事ができます。
http://www.jiyu-kobo.com/

【参考】
幸若舞曲の「山中常盤」については、『幸若舞曲研究』1巻(三弥井書店)に全注釈が載っています。
「絵巻山中常盤」の翻刻は、古典文庫『古浄瑠璃集』にあります。
岩佐又兵衛については、辻惟雄『奇想の系譜』ちくま学芸文庫がおすすめ。
『日本の美術』259は岩佐又兵衛の特集(至文堂)

■2005.04.22 CGビデオ「甦る都市平泉」


先日NHKの義経関連の番組の中で、奥州平泉のCG場面が出てきました。ビデオ「甦る都市平泉」からのCG場面だと思います。
コンピューターグラフィックスが作り出した都市平泉の景観は迫力のあるものです。
発行は岩手県平泉町。制作は平泉町世界遺産推進協議会。販売価格は2,000円(送料210円)。
平泉町世界遺産推進協議会事務局、または、柳之御所資料館で購入できます。
ぼんやりは、平泉町世界遺産推進協議会事務局で通信販売で購入しました。

平泉町世界遺産推進室
http://www.iwate21.net/hiraizumi/

ひらいずみの文化遺産
子ごも向けぺーじですが、継続中の柳之御所跡の発掘調査の最新ニュースなどがわかりおもしろいです。
http://www.pref.iwate.jp/%7Ehp0909/kids/index-kids.htm

■2005.04.28 頼政と義経—源平争乱の光と影

平家物語に関連するイベントの紹介です。

先人に学ぶガレリアフォーラム「頼政と義経」—源平争乱の光と影—
亀岡市で生誕もしくはゆかりのある人物を取り上げた「先人に学ぶガレリアフォーラム」の今年度のテーマは、源平争乱の口火を切った頼政と、決着をつけた義経の二人。
日時:平成17年5月7日(土)13時30分〜
会場:ガレリアかめおか 2階 大広間
内容:
基調講演:元木泰雄(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)
シンポジウム:パネリスト 朧谷寿(同志社女子大学教授)、元木泰雄(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)、 黒川孝宏(亀岡市文化資料館館長)、コーディネーター 上田正昭(京都大学名誉教授)

入場無料

詳しくは、京都府亀岡市総合生涯学習施設ガレリアかめおかのサイトで
http://www.galleria.city.kameoka.kyoto.jp/

亀岡市にも平家物語関連の史跡がいくつかあります。
思いつくだけをあげてみます。
源義経はが一の谷の合戦に向かう時に通ったといわれるのが旧篠山街道。京都を出て最初に休憩したといわれる場所には、義経の腰掛け岩と伝えれる石。戦勝祈願したとされるのが若宮神社。義経軍に従がった那須与一が急病のために立ち寄った法楽寺(那須与一堂)。
頼政の領地だったことから頼政にまつわる伝承地も多く、頼政の首塚や、鵺退治伝説に関わる矢の根地蔵などなど。


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