
日本の紋様に、「観世水(かんぜみず)」と名付けられた流水の紋様がある。能楽の観世流の紋である。その由来の元になったという井戸を訪ねてきた。
場所は、西陣。西陣中央小学校の正門を入ってすぐなのだが、小学校へ断りなしには見ることができない位置にある。職員室へ声をかけると、教頭先生が案内してくださった。
社の横には小学生の手による案内版がかけられていた。地域の歴史遺産として大切にされている様子がわかる。井戸の前には上の写真左のような石碑が建っていた。井戸はふたをしてあったが、隙間からちょっとのぞいてみる。残念ながら流水は見えなかった。
夏の季節になると「観世水」という和菓子が店に並ぶ。流水をかたどった涼しげな和菓子だ。
観世稲荷社・観世水

京都市上京区今出川上る観世町の西陣中央小学校の校内南の隅に、観世稲荷社が祀られている。能楽の創成者である観阿弥・世阿弥父子が、足利義満から拝領した邸宅内に鎮守社として創始されたものだという。
その傍らに、「観世水」または「観世井」と呼ばれている井戸がある。この井戸の水面は、常に動いて波紋をつくっていることから、観世流の紋である「観世水」ができたのだと伝えられている。
【アクセス】市バス今出川大宮下車すぐ
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