■幻の方広寺大仏1
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眉間籠り仏

 先日、豊臣秀吉の史跡を探偵してきました。その中で、方広寺(東山区)を拝観させていただきびっくりしました。現在の本堂にまつられているのは、秀頼再興の2代目大仏の10分の1の大きさの大仏(写真右)です。そして「眉間籠り仏」(左写真)としてまつられているのは、秀頼再興の2代目大仏の眉間にはまっていた仏様だそうです。

方広寺大仏の遺物

方広寺大仏の遺物

 秀頼再興の2代目大仏の遺物として寺にはいくつか伝えられています。上の写真もそのひとつです。蓮華座の内側のぼつぼつの部分の破片を見ることができます。比較のためトップ写真の大仏の蓮華座の内側写真を並べておきます。赤で囲んだ部分です。

「国家安康」の鐘

国家安康の鐘

 豊臣家を滅亡に導いた「国家安康・君臣豊楽」の鐘です。慶長19年(1614)に鋳造されたこの大鐘は、その銘文中の「国家安康・君臣豊楽」の文字を曲解し、徳川家への呪いの文章であるとし、豊臣家討伐への口実に悪用されてしまいます。
 大鐘のまわりには、大仏殿の柱の金輪などが残されています。左下写真は、「国家安康・君臣豊楽」の文字の部分の拓本です(赤線を引いた部分です)。
 
 鐘楼は柵に囲われて中へ入れないようになっていますが、方広寺を拝観すると(拝観料 200円)、鍵を開けて中へ入って見学させてもらえます。その際は大鐘の内部もよっくご覧になってください。白くかすんだ部分が人の形に見え、淀君の亡霊が浮かび上がっているのだと、大仏七不思議のひとつとして語られています。

【アクセス】博物館三十三間堂前下車徒歩5分

幻の方広寺大仏2




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