■男断ちの絵馬
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男断ちの絵馬
男断ちの絵馬

男断ちの絵馬

 上の写真は、明治22年(1889)、当時54歳の女性によって京都・安井金比羅宮に奉納された絵馬です。
 絵馬には「是まで男さんを持って困りました故、此度心を相あらため、男さん一切御断り」とあります。つまりこれまでの男性関係を反省し、「男断ち」を神に誓った証がこの絵馬です。絵には、髪を切って法衣姿の女性の横に、彼女が過去に関係した十数人の男性が行列をつくっています。さらに驚くのは、絵馬の隅に小さく「但し三ヶ年間之事」という但し書きが書かれています。いくつになってもこの絵馬の女性のように、艶のある人生を送りたいものです。

 「男断ちの絵馬」は、安井金比羅宮の絵馬堂を改造した「絵馬館」におさめられています。同絵馬館では近代から近世にかけての大量の絵馬を見ることができます。

安井金比羅宮

安井金比羅宮 縁切り縁結び碑
安井金比羅宮 縁切り縁結び碑

 安井金比羅宮は、もともと安井御所蓮華光院という門跡寺院の鎮守社でした。祭神は大物主神、崇徳天皇、源頼政。保元の乱で讃岐に流された崇徳天皇を祭るのは、この地に天皇の怨霊をなだめるための御廟があり、蓮華光院がそれを管轄したことによります。

 また断ち物の祈願所として知られており、境内には「縁切り縁結び碑」(写真下右)という高さが1.5メートルほどのまん中に穴が開いた碑があります。お札に願い事を書き、碑の穴を表から裏へを通って悪縁を切り、裏から表へ通って良縁を結び、最後にお札を碑に貼って祈願するそうです。碑の表面にはたくさんのお札が張ってあって、碑が見えないほどです。

【アクセス】市バス東山安井下車すぐ。絵馬館は月曜日・盆・年末は休館




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