| ◆なぜリーダーは浮くのか? なぜ、ラインを引くと浮いているリーダーが沈んでしまうのか? |
リーダーは、リーダー(+フライ)の重さに対して、静水圧と表面張力によって浮いています。 浮いている=沈んでいないので、浮力ではなく、静水圧(水を押し下げた時の反発力に相当する力)が作用します。 静水圧は、リーダーが水を押している面積と元の水面から押し下げた深さにより決まります。 また、表面張力(表面を最小面積にしようとする引っ張り合う力)は、水面の境界面の長さ(浮いているリーダーの周囲の長さ)に よって決定されます。 しかも、表面張力そのものを発生させるには、いろいろな条件が必要であり、特にリーダー表面の状態は重要な要素です。 例として・・・ 「水よりも比重の重いアルミ(金属。比重=2.7)でできている1円玉が水に浮くのは理科で実験したと思います。 1円玉が水に浮くと言っても、水面に向かって思い切り1円玉を投げつけては浮きません。(浮力では浮かない) そ〜と水平に置くと、表面張力が生まれます。この力と静水圧との合計が重さよりも大きくなり浮くわけです。 しかし、1円玉を動かしたりすると、表面張力を維持していた水の膜が破れてしまうため、沈んでしまいます。」 これをリーダー釣りに置きかえると・・・ 「水よりも比重の重いナイロン(樹脂。比重=約1.1)でできているリーダーが水に浮くのは釣り場で経験したと思います。 リーダーが水に浮くと言っても、水面に向かって思い切り叩き付けるキャストでは浮きません。(浮力では浮かない) そ〜とキャストすると、表面張力が生まれます。この力と静水圧との合計が重さよりも大きくなり浮くわけです。 しかし、ラインを引いたりすると、表面張力を維持していた水の膜が破れてしまうため、沈んでしまいます。」 ■イメージ図 ![]() 上の図=イメージとしては、グレーの矢印よりも、青と赤の矢印の合計が大きければ浮く。という感じになると思います。 下の図=表面張力がなくなると水没し、静水圧(青)はなくなる。(正確にはなくなるのではなく、バランスする) 押し下げていた水面は元の位置に戻る。 水没すると浮力(黄色)が発生するが、重さ(比重)に比べて小さいので、沈む。 ------------------------------------- 次に、表面張力を発生させるための、表面の状態の話ですが… 新品のタオルは、水に押しこんでもすぐに濡れませんが、一度濡れたタオルはすぐに水に浸かります。 新品のリーダーは、すぐには沈みませんが、一度濡れたリーダーは沈みやすくなります。 リーダー釣りをするには、リーダーの表面を、いつも新品のような「濡れにくい」状態にしておく必要があります。 「濡れにくい」…簡単に言えば「水と油」の関係ですね。「混じりにくさ」という感じでしょうか。 油が水をはじくのは経験則として、特別に説明はいらないと思います。 油・・・・ようやくフロータントにたどり着きました(^.^) これがフロータントを塗る理由です。 もちろん、最近のフロータントは油ではなく、シリコンを素材としているものが多いです。 ナイロン(リーダー)そのままよりも、フロータントを塗った方が水をはじくので「濡れにくさ」が高まります。 その結果、表面張力を発生させることができるわけです。 表面張力が発生するというのは、正しい表現ではないかも知れません。 どんなものにも表面張力はそれぞれあり、どちらの表面張力が強いか(大きい)ということになります。 相手の表面張力に勝った場合にのみ、見かけ上、表面張力を発生するわけです。 金属・ガラスなどの固体が相手の場合、水の表面張力は相手のそれに負けてしまいます。 「濡れやすい」か「濡れにくい」かという言い方は、どちらの表面張力が強いか(大きいか)ということにもなります。 油やシリコンなどは、水よりも表面張力が小さいということであり、そのことから言えば車用ワックスや液体ワイパー等に 含まれているフッ素化合物もいいかも知れません。 表面張力が生まれなければ水没し、重さに応じてそのまま沈んでしまいます。 また、表面張力は一定なので、それ以上の力が加わると表面張力による水の膜は破れ、やはり沈むということになります。 今まで浮いていたリーダーがラインを引く力が加わると沈むのはこのためです。 結局、「リーダーは表面張力で浮き、フライラインを引くと表面張力がなくなるので沈む」という普通の話なんですが。^^; …というわけで、リーダーを浮きやすくするには、①リーダーを軽くするか、②表面張力を維持しやすくするか、 2通りの方法があることになります。 中空構造のリーダーの話に戻ると、穴を空けて中空にすることで、重量(比重)を軽く(小さく)しています。 一方、「スーパーフロートリーダー」などは、重量は同じですが、何かの表面処理(コーティングまたは含浸?)により 表面張力を持続させる処理がしてあるものと思われます。 この「リーダー釣り」の場合、リーダーの「沈み方」でアタリをとるわけなので、「沈まないリーダー」は使えません。 プカプカ浮くリーダーがあったとすると、リーダー全体がマーカーになり「マーカー釣り」状態になってしまいます。 最初は浮いていて、だんだん沈むシステム(リーダー・ティペット・フライの全体)が必要になります。 ですから、フロータントの性能とフライの重さとのバランスが重要になります。 ◆余談: アメンボは、体重が軽い上に、足にある細かい毛で水との接触面積が大きく、さらにそこから油分を分泌しているため、 足を動かしてもなかなか表面張力が失われないため、水面に浮いて移動できるわけです。 洗剤が油汚れを落とせるのは、界面活性効果があるからですが、言い換えると「表面張力をなくす(小さくする)」ことも 意味しています。ですから万一、釣り場の池が洗剤で汚染されると、リーダーは浮かず、アメンボは溺れるということになります。 ■お断り ※例によって、この「なぜ浮くか」という話は私の理解ですので、科学的には間違っている部分もあるかも知れません。(おいおいっ) ドライフライを極めようとしている人は、「どうしたら浮くか」はかなり悩んでいると思いますが、私は今まで考えていませんでした。 |