作成日: 2003年 6月 11日 更新

 No.13 マーカーとウェイトについて考える

 私が使っている「
発泡玉蛍光マーカー」の発泡スチロール球は、直径10mmのものです。

 

 手芸店で手に入る発泡スチロール球は、小さい方では直径12mmか13mm程度のものが一般的なようです。
 私は直径20mmも持っていますが、大きすぎて、とてもマーカーには使えません。

 ・・・なぜ、直径20mmではマーカーには使えないのか?というと、浮力が大きすぎるからです。・・・「浮力?」
 では、マーカー(発泡スチロール球)の大きさの違いは、どのくらいの浮力の違いになるのか?

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マーカーの浮力

 中学の理科の話ですが、「浮力は、その物体がおしのけた体積分の液体の重さに等しい」という法則があります。

 アルキメデス先生の原理ですね。
 つまり、固形タイプのマーカーにアタリがあり、魚に引き込まれて、マーカーが完全に水没した瞬間の浮力は、
 マーカーの体積と等しい水の重量(と同じだけの力)ということになります。
 言い換えると、「マーカーの最大浮力は、マーカーの体積と同じ水の重量」ということになります。

 今度は中学の算数の話になりますが、球の体積Vは、円周率をπ、球の半径をr とした場合、

 V=(4/3)πr3

 という式によって求められます。 代表的なサイズ(直径)の発泡スチロール球の体積は、下表のようになります。
 
 スチロール球の 直径d(mm)   体積(mm3)   10mm球を1とした時の体積比率 
5 65 0.13
10 524 1.00
12 905 1.73
13 1,150 2.20
15 1,767 3.38
20 4,189 8.00

 ここで、注目したいのは、表の右列 「10mm球を1とした時の体積比率」です。
 当たり前ですが、体積は3乗なので、直径の比の3乗の比になります。
   例① 20mm球は、10mm球の8倍(2の3乗)の体積(浮力)があります。
   例② 10mm球を2個(2倍)にしても、13mm球1個の体積(浮力)の方が大きい。
 という感じです。 

 浮力は、体積に比例するということですから、
 球形でない市販のカプセル型インジケーター(マーカー)でも、サイズがS・M・Lなどとありますが、

 長さの比ではなく、体積の比に注意が必要 ということになります。


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レッドワイヤーの重さ

 私が通常、ウェイテッドフライに巻き込んでいるのは、レッドワイヤー(LEAD WIRE=鉛線)です。
 マーカー釣り等の場合、ウェイテッドのニンフパターンに多く使用しています。
 

 ・・・では、レッドワイヤーの重さって、どのくらいなのか?

 このレッドワイヤー(鉛線)は、NO.3です。
 
 表示のNO.3の後ろにある(0.025)はインチ換算の線径(直径)を示しています。

 1inch=25.4mm。したがって、直径は、25.4mm×0.025=0.635mm
 ちなみに、各サイズのレッドワイヤーの直径は、下表のようになります。

 NO.表示   インチ表示   直径d(mm) 
  0.010 0.254
NO.1 0.015 0.381
  0.020 0.508
NO.3 0.025 0.635
NO.5 0.030 0.762
  0.035 0.889

              ※NO.1、NO.3、NO.5以外のNO.表示については、使ったことがないので知りません。

 断面積は、π×d2/4 = π×0.6352/4 = 0.317mm2
 例えば、長さ1cm=10mm当たりの体積は、0.317mm2
× 10mm = 3.17mm3
 鉛の比重は11.34(0.01134g/mm3)ですから、
 長さ10mmの重さは、0.01134g/mm3×3.17mm3=0.036g となります。

 ちなみに、このレッドワイヤー1巻きの重量は、・・・
 この巻きは、片側46mmあり、1周して92mm、それが27巻きしてありましたので、
 0.317mm2 × 92mm × 27巻 = 787mm3
 0.01134g/mm3 × 787mm3 = 8.9g となり、約 9gとなります。
 (実際に精密ハカリで計量したところ、パッケージと糸巻きを含めて、約9.5gでした。)


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マーカーの浮力とウェイトのバランス

 マーカーが小さかったり、巻き込むウェイト(オモリ)の量が多すぎたりすると、
 フライの重さにマーカーの浮力が負けて、沈んでしまいます。

 では、マーカーの浮力に合ったレッドワイヤーの量(長さ)はどのくらいなのか?

 10mm球の体積が、524mm3ということは、水(比重=1→ 0.001g/mm3)に沈めた場合、
 524mm3 × 0.001g/mm3=0.524g の浮力があることになります。
 この浮力に相当するレッドワイヤー(NO.3)の長さは、
 0.524g
/ 0.036g=14.56(cm)となります。

 ということで、「フライにレッドワイヤー(NO.3)を14.6cm以上巻き込むと、10mm球のマーカーは沈んでしまう」ことになります。

 ※ マーカーの軸(ソリッドトップ)やフライのフック、ビーズヘッドなどの重量は除外しています。
   また、発泡スチロール球そのものの自重はほとんどありませんので、無視しています。

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 わしじゃ、毛鉤じじいじゃ。
 つーことで、わしの、この「人生は浮いたり沈んだり」理論によるとだな、
(おいおい、アルキメデスの原理じゃねえのか!)
 「レッドワイヤーNO.3が 7cmくらいで、10mm球のマーカーは半分沈む」っちゅう計算になる。
(半分にしただけだろっ)
 さっそく、実験じゃ。
(実験やるんかいっ!)

 
 (7cmのレッドワイヤーNO.3を二つ折にして、吊るす。)

 かっかっか、どうじゃ、10mm球が半分沈んどるじゃろ。実験は成功じゃ。
 「クルマが車検なので、今日は"歩きです"。」 てか。
 (そりゃ、アルキデスだろっ! ふざけてるのか、マジメなのか、わからんヤツだなっ。)


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 魚が感じるマーカーの存在は、浮力のみではなく、
  引き込んだ時の水の抵抗(形状抵抗など)も考える必要があります。
  つまり、球形がいいか、カプセル型がいいか、それとも・・・という話ですが、
  クルマのデザインと空気抵抗の話と同じで、非常に難しい話になってしまい、
  とても、中学レベルの理科や算数では解析できないので、ここでは省略します。
  まあ、簡単に考えるなら、前面投影面積の比になると思います。
 (直径が2倍なら、4倍の抵抗という感じではないでしょうか)

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※ このコンテンツはHP訪問者の方からいただいた質問メールをヒントに作成しました。
   
例によって、独断的な考えですので、科学的にあっているかどうかわかりません。(おいおいっ)

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