おしえて№629 投稿者 相楽さん
 質問なんですが、「そういう人」という言葉は発音すると「そうゆう人」や「そおゆう人」のように発音しませんか?ですが、実際表記する時には、「そういう人」と表記するのが正しいと教えられてきました。オ列の長音などのルールがあるのは知っているのですが、それならなぜオ列の長音などが出来上がったのでしょうか?「氷」は「こおり」となります。これもルールにありますよね。どうしてこういったものが出来上がったのか教えて頂けないでしょうか。
 
Tsuneさん

  内閣訓令第一号にて、現代仮名遣いの実施について、規定されています。 以下抜粋です。
 内閣訓令第1号  各行政機関
 「現代仮名遣い」の実施について政府は,本日,内閣告示第1号をもって,「現代仮名遣い」を告示した。
 今後,各行政機関においては,これを現代の国語を書き表すための仮名遣いのより どころとするものとする。
 なお,昭和21年内閣訓令第8号は,廃止する。   昭和61年7月1日 内閣総理大臣 中曽根康弘

5長音 (1)ア列の長音  ア列の仮名に「あ」を添える。
 例 おかあさん おばあさん (2)イ列の長音  イ列の仮名に「い」を添える。
 例 にいさん おじいさん (3)ウ列の長音
 ウ列の仮名に「う」を添える。  例 おさむうございます(寒)
   くうき(空気) ふうふ(夫婦) うれしゅう存じます きゅうり
   ぼくじゅう(墨汁) ちゅうもん(注文)
(4)エ列の長音  エ列の仮名に「え」を添える。  例 ねえさん ええ(応答の語) (5)オ列の長音  オ列の仮名に「う」を添える。  例 おとうさん とうだい(灯台) わこうど(若人) おうむ
   かおう(買) あそぼう(遊) おはよう(早)  おうぎ(扇)
   ほうる(*抛) とう(塔) よいでしょう はっぴょう(発表)
   きょう(今日) ちょうちょう(*蝶々)  ということで、「発音が最初に有りき」となっています。
 発音で、伸ばす音(長 音)には、上記のように、「あ、い、う、え、お」をあてることになっています。これですべてすっきり説明がつくと思います。

 「そういう人」は「そーゆー人」と発音し、氷(こおり)は「こーり」と発音するのが基本になっています。それを表記する際には、「う」や、「お」をあてるということですね。
ベリーさん

  日本語って色々と決まりがあるし、正確に表現するのってとっても面倒よね。
 まっ、お話できるし、読めるからいいわぁ〜とも思うんだけど、 でも、書く時に間違ってたらかぁ〜なり恰好悪いものよねぇ…。σ(‾∇‾;) それでちょっと、ちょ〜さんにお尋ねしてちょ〜さしてみたの。

 えへっ♪ で、長音の決まりの基本は↓(^-^)これよ。
 ・ア列の長音は「あ」。 おばーさん →「おばあさん」 oba:san
 ・イ列の長音は「い」。 おじーさん →「おじいさん」 oji:san
 ・ウ列の長音は「う」。 そーさん  →「ぞうさん」 zo:san
 ・エ列の長音は「え」。 おねーさん →「おねえさん」 one:san
 ・オ列の長音は「う」。 おとーさん →「おとうさん」 oto:san


 ただしね、「オ列」の長音については昔「ほ」や「を」を使っていたものに限って、「おお」となるっていう第2番目の決まりがあるそうよ。 「頬」はむかし「ほほ」だったので今は「ほお」と書くでしょぉ〜っ?
 数字の「十」も「とを」って書いてたから「とお」って書くんだって。


 長音って、どうやら昔の日本語に謎のキーがあるみたいなの。
 たとえば、蝶々は「てふてふ」だったじゃない? まさにそこなの、ちょ〜音の謎の犯人って。
 昔の日本語は、大和言葉で表すものだったの。 だけど、それじゃ全然わからないのよね、お話し言葉とちがうから。
 だから、よりお話し言葉に近付けるために長音の法則ができちゃったのよ。

 そうやって旧仮名遣いを紐解くと長音の謎も解明されるのねぇ〜。
 日本語って奥が深いっていうことを教えてもらったわ。しみじみ…。(笑)
そくらちゃん

  文字は、表音文字であるのか、表意文字であるのかに、通常は分別されます。日本の文字は、特に、漢字については、はっきりと英語と異なり、「表意文字」と言われています。
 そして、昔、源氏物語の頃には、漢字は「男」が使用するもの、女は「かな」を使用するもの、と言われていました。これが、後々、融合し、いわゆる漢文読み下し文のようにレ点を付けたり、一とか二とかをつけて「子曰わく=し、のたまわく」と音に出して、読むようになっていったのです。

 ここから、「平和」を意味する言葉が意味では「へいわ」なのですが、音では「へーわ」というように、変化していったのです。ここのルールはやはり、「そうゆうひと、SOUIYUHITO、ソウイユウヒト」という発語より「ソ−ユ−ヒト」の方が、発音に無理がかかりません。

 ですから、簡略化をはかっていったのでしょう。「平和」もいちいち「へえいわ」と言うよりは「ヘーワ」でへーわい=えーわい?   文字とは、読むことだけを考えれば「意味」を表しさえすれば、それで役目を果たし終えます。しかし、発音する場合には「そおゆうひと」と「そういえぬひと」とをしっかり区別して言わねば伝わりません。
 しかし、この時、簡略化して「そーゆーひと」でも十分意味は通じます。そうすると、次第に簡略化することが、進んでいくのです。今回の質問の回答は、したがって、表記と表音はもともと違ったやり方で人に「意味」を伝えるところから、発生した疑問です、ということになると思います。
のんきさん

  №468の疑問(ゐやゑなどのひらがなは、なぜ「ゐ→い」「ゑ→え」に変化したか)でも回答しましたが、この疑問も内容的には似ているので、同じURLをご紹介します。
 昭和61年7月1日、現代仮名遣いは、内閣告示第三十三号により現代国語の口語文を書きあらわすかなづかいを取り決めており、本文第2第6項では次のように謳っています。
6 次のような語は,オ列の仮名に「お」を添えて書く。

例 おおかみ  おおせ(仰)  おおやけ(公)  こおり(氷・△郡)   こおろぎ  ほお(*頬・△朴)  ほおずき  ほのお(炎)   とお(十)  いきどおる(憤)  おおう(覆)  こおる(凍)   しおおせる  とおる(通)  とどこおる(滞)  もよおす(催)   いとおしい  おおい(多)  おおきい(大)  とおい(遠)   おおむね  おおよそ

 これらは,歴史的仮名遣いでオ列の仮名に「ほ」又は「を」が続くものであって,オ列の長音として発音されるか,オ・オ,コ・オのように発音されるかにかかわらず,オ列の仮名に「お」を添えて書くものである。・・・ということです。
昭和61年内閣告示第1号http://www.asahi-net.or.jp/~lf4a-okjm/genkan61.htm
乱気流さん

 仮名は表音文字ですから、文字と音韻とが常に1対1の対応をしている限りは何の問題も生じませんが、時代とともに発音に変化が起こる一方で文字(仮名)だけは残る傾向が生じました。

 「い(i)」と「ゐ(wi)」、「え(e)」と「ゑ(we)」、「お(o)」と「を(wo)」に書き分けてきたそれぞれの音が次第に区別できなくなり、更に「ひ」「へ」「ほ」と書いてきた音も時にそれらと同じ発音になるなど、音の種類が減る傾向にあり、既に平安時代末期には字余り状態になったようで、同じ音に対応する複数の仮名をどのように使い分けるかという問題が起こり「仮名遣い」が論じられるようになりました。


 考え方としては、過去の一定の時期を規範としてそれに従うか、現代の発音どおり表記することに徹するか、両者の折衷案を採用するかの三つが有ります。明治時代以降国定教科書等では第一の考え方を重視し、江戸時代前期に契沖が平安時代中期以前の文献を基準にして定め、提唱した仮名遣いをもとに「歴史的仮名遣い」を採用してきましたが「オーギ」は「あふぎ」、「スモー」は「すまふ」、「エガオ」は「ゑがほ」、「ワライト゜ーシ」は「わらひどほし」、「オリカエス」は「をりかへす」となるなど、当時でも実際の発音とのズレが大きく学習上の負担にもなっていたようです。

 第二次大戦後の1946(昭和21)年に「現代かなづかい」が制定され、1986(昭和61)年にそれを僅かに改定した「現代仮名遣い」となって今日に至っていますが、これを「新仮名」と呼ぶのに対して、従来の歴史的仮名遣いを「旧仮名」と呼ぶこともあります。新しい仮名遣いは大幅に表音文字に近づき、殆ど発音どおりに書けばよいのですが、完全な表音文字という段階までは踏み込んでいません。ご存知の事とは思いますが、助詞の「は・へ・を」はワ・エ・オと発音するにもかかわらず従来どおり「は・へ・を」のままとするなど折衷案の性格も残されています。

 動詞の「言う」も日常会話では「ユー」と発音する場合がありますが、「いう」と書くことになっています。長音の処理も歴史的仮名遣いの原則を引き継ぎ、実際の発音とはズレています。ア・イ・ウ・エ列の長音はアー・イー・ウー・エーと発音しても、それぞれ「あ・い・う・え」を添えることで「おかあさん・にいさん・ねえさん」のように書くのが原則、但し「塀・例・映画・時計・丁寧」等の語はエ列の長音として発音されることもありますが、実際の発音がエイかエーかにかかわらず「い」を書くことになってます。
 他と違ってオ列の長音は、オーと発音しても「お」ではなく「おとうさん」のように「う」を添えて書く決まりになっていますが、同じオ列でも「多い」は「おおい」と書きます。

 これは歴史的仮名遣いで「おほい」と「ほ」が続いたり或いは{を}が続く点で他と違うからだとされていて、旧仮名の影響がここにも見られ「狼・仰せ・公・氷・こおろぎ・憤る・覆う・凍る・通る・滞る・催す・いとおしい・大きい・遠い」等も同様です。 「お・を(・ほ)」等の使い分けもままならない現代ですが、平安時代には意識するまでもなく簡単にそれらを使い分けていた紫式部や清少納言が間接的に現代仮名遣いの基準の中にも影響を与えていると考えられては如何でしょうか。
参考URL:景之字文筥 http://homepage2.nifty.com/k-fubako/siryou1.htm
情報源:『日本語案内(中村明)ちくま新書』 参考図書:『古典文法質問箱(大野晋)角川ソフィア文庫』
さやさん

  はぁ。書いた通りに発音しないから日本語はおもしろいんじゃないですかぁ〜。
 文字に歴史ありですよね。実際最近、子供の宿題に登場し始めて困ってます。「パパこれは(お)なの?(う)なの?」と..でも、もう安心ですね。皆さんのおかげでパパの地位も安泰です。
正答者の方々です。本当にありがとうございました。
Tsuneさん・そくらちゃん・のんきさん・ベリーさん・乱気流さん・ガウリィさん・さやさん★

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