おしえて№762 投稿者 くろぅさん
「とことん」の語源を教えてください。
 辞書では名詞・副詞として載っていますが、語源がわかりません。

乱気流さん

 十返舎一九著『東海道中膝栗毛』(1802-1822)の中には、囃し言葉として「トコトン」の記述があるようですが、明治元(1868)年に官軍が江戸城に進軍する際の行進曲「トコトンヤレ節/品川弥二郎作詞・大村益次郎作曲(一説に芸妓中西君尾の節)」の中で「トコトンヤレトンヤレナ」の形で登場し、明治最大の流行歌になったと言われています。
 「トコトン」の言葉自体は江戸時代に既に存在していたようですが、元々は囃し言葉・太鼓の音等のニュアンスが強く、又辞書への登場も比較的新しい様子で戦前の辞書等では舞踊の足拍子の意味も記されている事を考慮すれば、本来は踊りの足拍子・太鼓の音・囃し言葉等の意味だったのが、明治元年の「トコトンヤレ節」の流行以降に、その軽快さと威勢の良さも手伝って徐々に慣用的に「とことん」の言葉が遣われるようになり現代的な意味が加わったと考えても不自然では有いと思いますから、現代の「とことん」の語源は「トコトンヤレ節」に由来すると考えます。
参考URL:情報言語学研究室−ことばの溜め池−
http://user.komazawa.com/hagi/ko_tame12.html
菊池真一研究室−日本語・講談・漢字−
http://www.konan-wu.ac.jp/~kikuchi/kayo/meiryu.html
Tsuneさん

  この語源を探すのには苦労しました。どうやら囃し立て言葉が語源のようです。以下URLから抜粋します。
 「とことん」と囃し立てのことばは、江戸時代の十返舎一九『東海道中膝栗毛』六・上に、「わしどもやるべい、みんなそれからトコトントコトンと、はやしてくれさっしゃい」とある。この囃し立てことばが「とことんやれ節」となって、その囃し立て表現から「とことん‐やれ!」の意を強くしていき、「最後の最後まで」といった意で表現することばに成長してきたものといえまいか。
 ということで、ページには更に詳しいことが載っているので参照ください。
参考URL:駒澤大学・駒澤短期大学国文学科 情報言語学研究室
http://user.komazawa.com/hagi/ko_tame12.html
 とことんやらねば!などと力んでいても、実はその言葉の由来を知らないことって一杯あります。それにしても、江戸時代に流行ったものがトコトン残っているってのが洒落ててGoo!な正答となりましたね。
正答者の方々です。本当にありがとうございました。
Tsuneさん・乱気流さん・そくらちゃん

[ホームへ]