おしえて№771 投稿者 ひかるさん
種がない野菜や果物や植物ってあるの?
のんきさん

  私はガーデニングが趣味ですが、花や野菜を種から育てているので経験で書きます。自然のもとで成長する野菜、果実等の植物は子孫を残すために種をつくろうとします。けなげにも開花中から種を作る準備をしています。
 例えばチューリップや水仙などの球根も花が終わると茎の頂点が膨らんできて種を作ろうとします。

 しかし、人間の身勝手から親である地下の球根を育てるために花茎を折ってしまうので種にお目にかかることはないでしょう。ジャガイモやサツマイモなどのイモ類は開花後種はできませんが(サツマイモの花はめったに見られません)、地下下茎である芋自身が種となり、子孫を残すために芽を出すのです。これら植物の自然の摂理に逆らい、薬物処理をして食べやすい果実や野菜を人間は作り出してきました。

 花苗などは作出者が今までにない花色を世に出すため、人工的に交配を繰り返した結果、種ができても発芽しない品種が多数市場に出回っています。(運良く発芽しても親と同じ花色が出ることは稀です)さて果実や野菜の話に戻りますが、ジベレリンという植物ホルモンを開花前と開花後の2回浸すことによって種なしブドウや種なしの梨、種なしスイカができます。
参考までに「種のないブドウを作る」をご覧下さい。 http://www.kyowa.co.jp/bioworld/yutakana2.htm

 それからバナナを輪切りにすると中心部に黒い部分がありますね。あれは種の名残で、長い歴史の中で遺伝子の突然変異により種無しバナナが偶然生まれたそうです。
次のURLには現在に残る「種ありバナナ」が見られます。 http://www.banana.co.jp/Link1/abtbnn.html
 
 最後に薬物処理をしなくても種のない果実を見つけました。温州みかんは花粉ができにくく、受粉しないため種がないそうです。また平核無や刀根早生など、もともと種がない品種があり、受精しなくても実がなる性質があるようです。これらを殖やすには新芽を育てる以外ないでしょう。
日園連HP「くだものなんでもQ&A」より http://www.nichienren.or.jp/home/tayori/q&a/sonota/anthor/sonota1-1.htm
くろぅさん

  厳密に言うと、一般的に野菜や果物といわれる植物で種のない種はありません。種なしといわれるものは薬品処理した結果だし、見かけの種子はなくても種子のメカニズムはもっているのです。
 実は、この問題はすごく奥が深くて一般的にはという答えしかできません。というのも、学問上で植物の生態系の分類がまだはっきりと分類できていないからです。
 古くは花をつけるもの(顕花植物=種子がある)と花をつけないもの(隠花植物=種子がない)という分類がされていた時代もあるのですが、シダ類などの研究が進むにつれて矛盾が生じてきました。
 
 その後に、種子植物と胞子植物という分類もされるのですが、現在では維管束をもつものとそうでないものとの分類になっています。また種子の形態も被子植物と裸子植物とに分類されてきました。これらについても、自分で栄養を持って発芽するものから土中のバクテリアなどから栄養をもらうものまでさまざまな種子としての形態を持っています。ですからくどい答えになってしまいますが、種子のない果物や野菜はあるかと言われればNOですが、種子の見えない果物や野菜は存在します。
 という答えになってしまいます。胞子で増える種でなければ、種子で増えなくても、種子のメカニズムは持っていると考えるよりほかないようです。
Tsuneさん

  突然変異や、品種改良、薬剤処理により、種無しの野菜や果物を作っています。バナナの場合、突然変異によって種のないバナナが出来、それどうしを交配させることにより、種のないバナナが出来ています。では、どうやって種のないバナナの木を新しく増やしていくのでしょうか。バナナの場合、新しく出た新芽を育てることにより、子孫を作るそうです。
 ぶどうの場合、「ジベ処理」ということを行うことにより、種無しにしているそうです。これは、ジベレリン溶液(100ppm)をコップに入れ花房をよく浸します。2度行いますがタイミングが非常に難しい様です。
参考URL:もの知り百科
http://osaka.yomiuri.co.jp/mono/000303a.htm
参考URL:Vineyard1040
http://yokohama.cool.ne.jp/vineyard1040/sagyou2.htm
よりかさん

  野菜、果物、植物の定義が難しいですが、下記のように定義すると野菜、果物では種がないものはありませんね。もし突然変異でできたとしても、すぐ滅んでしまいますから…。野菜というのは一年草であり、果物というのは多年草である。簡単に言えば、食用にするため畑などに作る植物が野菜。木などになる果実で食用となる物は果物。野菜は種をまいて半年で収穫できる。葉物や実を食べる物。果物は種をまいて数年育ててできた実を食べる物
参考URL:野菜と果物の豆知識
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/6648/ より抜粋
植物…生物界を二大別にした場合、動物に対する一群。草木・藻類などの総称。細胞壁があり、クロロフィルなどの光合成色素をもち、独立栄養を営む、などの特徴を有するが、細菌類・菌類・種子植物の一部では腐生または寄生するものもある(大辞林 第二版より)とすると、菌類などには種がないので、種がない植物はあるということになると思います。  
そくらちゃん

種のない植物については、
参考URL:日経バイオ
http://biotech.biztech.co.jp/NEWS/CASDATA/NO12/spc970224618.html
 種子をつけさせない組換え植物の開発に成功、組換え果実開発へということで、オーストラリアで開発に成功した記事が載っていました。
 種なしタバコの生産に成功したことから、今後、シトラス、オレンジなどに応用をしていきたい、と考えているそうです。  このほかにも、有名なところでは、スイカ、ブドウ、ミカン、グレープフルーツなどの果物で種をなくすことに成功をしています。  どうして、種がなくなるのか、ということについては、染色体の数を薬品などによって減数化をさせている、ということだそうです。
参考アドレス 雑学WANTED
http://www.net-ibaraki.ne.jp/moriyasu/page/food/tanenashisuika.html  
食品科学広報センター
http://www.fsic.co.jp/fruits/S37up.htm
 突然ですが、ターミネータテクノロジーって知ってますか?遺伝子操作によって収穫後の種を播いても芽が出ないという種子会社の権利?を守るために作られた技術です。
しかし、これでは、
★「繁殖」という生物の根源的な営みを無視すること。
★貧困な国々の農業者達が毎年種を購入しなくてはいけないことによる飢餓の促進。
★種を独占することによる世界的な食糧を牛耳る企業が誕生してしまうこと。


 などの観点から、世界的な反対運動が起こっているようです。今回の疑問も便利さを追求することによって、様々な問題を起こしています。
 遺伝子組み換え食品などの問題も、実はこんな些細な便利さの追求から始まっているんですね。これからは特に技術が先行しているだけに、私達消費者が「何に優先順位を付けるのか」が問われる時代になってきたような気がします。
正答者の方々です。本当にありがとうございました。
のんきさん・くろぅさん・Tsuneさん・よりかさん・そくらちゃん

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