おしえて№774  投稿者 みかつうさん
民事裁判なんかで、国への賠償判決が出たりすることがありますよね。その時の賠償金って、どこから支出されるんですか?まさか税金?
のんきさん

  国の賠償金は税金で支払われます。国が管理・運営しているお金はすべて税金だからです。さらに国は国家賠償法に基づき損害賠償をしなければならないことになっています。
 私は国の機関に勤務していますが、当方でも訴訟があり、国が負けたことがありました。しかし、この賠償金をすぐに支払うことはできません。年度当初に示達された予算はすでに配分されており、捻出することは不可能だからです。そこで本省に予算要求をしなければなりません。
 機関の代表者、事務総括者、予算事務責任者等が本省に赴き、訴訟に至るまでの原因、経過など詳細な資料を用意し、具体的な説明をしたのち、必要な予算額を要求するのです。
 しかし、本省でも当初からこういう時のために予算を取っていませんので、この場合は国会に予算を要求し、審議、承認された後、機関に示達するという流れです。
以上簡単に書きました。国家賠償法は次のURLでご覧下さい。
参考URL:JCA−NET http://www.jca.apc.org/nojukusha/general/law/kokubaihou.html
そくらちゃん

  税金です。ひとしく私たち納税者が負担をします。国の税金は、そのように使われます。 この考えは矛盾をしているように思うかも知れませんが、当初の予算から、こうしたお金は計上をされ、国会で承認を受けています。
 
 これは、逆のことを考えれば、納得されると思います。国の施設が天災で倒れ、たまたまそこにいた一般人が怪我をしたとします。国はこうした「起こって欲しくないが可能性はある事態を予測して」保険をかけていますから、そこから保険金が支給をされます。これは、民間といえども同じで、会社は必ず、こうした事態を予測して 必ず保険をかけています。
 しかし、これを天災だから「税金の無駄使いになるから、我慢をして下さい」と言ったら、どうでしょう?やはり、おかしいことになります。 例えば、厚生省のHIV問題などは、「国民みんなが起こして欲しくない、国に雇われた医者が、利益誘導で勝手にしでかした問題だ、だから賠償金は国ではなく、個人に請求するべきだ」という言い方もありますが、私は、そうした論理は「現実性」がないと思います。

 個人の支払う金額には、限りがあります。やはり、何事が起きても対処できる大きな器に解決を委ねるのも、人間の長い年月の知恵なのです。税金を無駄使いするな!という批判はあります。しかし、交通事故多発社会です。誰も自分が「被害者」ばかりでいられるとは限りません。
 何かある時には、「国」の責任で、より現実的な解決を求めざるを得ないではないでしょうか? それも税金の効率的な使い道だと、私は考えます。
乱気流さん

  国の賠償責任が確定し又は和解等をした事により、必要とする賠償金・和解金等が生じた場合には、当然国家予算から支払いがなされますが、これらは原則として事前に予算を組める性質のものでは有りませんから、その時点では「予備費」(財政法第24条)から支払われることになります。
 但し、当該会計年度だけでなく、更に年度を越える類の賠償金・和解金等の場合は、把握可能ですから特定予算として計上される事になります。 財政法第24条「予備費」の使途の根拠は、以下のとおりです。

 日本国憲法第87条(予備費)第1項予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
 尚、国家賠償法等では国等が賠償の責に任ずる事とされた場合に、「公務員に故意又は重大な過失があったときは、その公務員」「他に損害の原因について責に任ずべき者があるとき、これ」「内部関係でその損害を賠償する責任のある者」等に対し求償権を行使する余地が有りますから、対原告被害者への支払い自体は国だとしても、実質的支払額を一部補填出来る可能性は残ります。
Tsuneさん

 損害賠償責任が国にあり、損害賠償金を払う場合は国庫からとなります。したがっ て、最終的には我々の税金から払われることになります。
 直接の参考では有りませんが、損害賠償金の出どころが、税金である旨書いたペー ジがありましたので記します。
参考URL:閉塞させられる社会 http://plaza9.mbn.or.jp/~n2s/matui/genkou/siryo.html
 国の責任は税金から支出されるということなのですね。なんとなくスッキリしない感じもありますが、そくらちゃんのおっしゃるとおり原告のことを考えれば、大きな器にゆだねるというのは当然のことと感じました。
正答者の方々です。本当にありがとうございました。
Tsuneさん・のんきさん・そくらちゃん・matsumotoさん・くろぅさん・乱気流さん

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