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第15話 人殺し人助け
ある夜、梅安はお小夜という女と枕をかわした。その最中、お小夜が梅安の針を一本盗み出したことを梅安は気づかなかった。 そして後日、梅安の家の前で梅安の針で刺された煙草屋の死体が発見される。 梅安は急いで音羽屋へ逃げ込んだ。 ところが、同心留中孫三郎が岡っ引喜八と下っ引専太を連れて音羽屋へ乗り込んできた。 またも居場所を無くした梅安は、今度はお小夜の元へ転がり込むことに。 半右衛門以下仕掛人一党の正体を知る孫三郎は、半右衛門を、そして左内をも連行してしまう。 その夜、音羽屋に野盗が入り込んできた。野盗の正体は仕掛人元締鳥越の松十郎。松十郎は、音羽屋で預かっている子供国太郎の命を狙うべく、野盗に化けたのだ。 梅安が雲隠れし、半右衛門と左内が捕らえられ、もはや音羽屋に敵なしと思った松十郎。 そこへ、留中から無事釈放された半右衛門と左内が駆けつけた。 松十郎は半右衛門に右腕を切断され、無様な命乞いをしながら音羽屋から退散した。 例の煙草屋殺人事件は、国太郎を護衛する半右衛門たちを国太郎から引き離すために、松十郎が仕組んだ罠であり、元々松十郎と結託していた孫三郎もこの件に関与していた。 国太郎は老舗の呉服商伊勢屋卯左衛門の前妻の子で、伊勢屋の正当な後継者。 卯左衛門の後妻お八重は、自分の子供に伊勢屋を継がせようと、はじめに半右衛門に国太郎殺しを依頼するが失敗。続いてお八重は、松十郎に同様の依頼をし、契約を成立させた。 その時から半右衛門はお八重から国太郎を守るため今まで手を尽くしていたのだ。 しかし松十郎一党による襲撃事件のあと、国太郎は半右衛門の手を離れ、伊勢屋に戻されてしまった。 お八重から国太郎殺しを急かされた松十郎は、妾であるお小夜と乳繰りあう梅安を監禁し、お小夜に左内をおびき出すため音羽屋へ呼びに行かせる。 そして音羽屋に来たお小夜は、自分を妾にさせ悪事を重ねる松十郎と孫三郎の殺しを半右衛門に依頼した。 お小夜におびき出されたフリをして左内は音羽屋を後にする。 左内動くの報を受けて、松十郎一党は伊勢屋襲撃へ繰り出した。 しかしお小夜におびき出された侍の正体は千蔵。左内は半右衛門と共に伊勢屋に急行していた。 一党が姿を消したことで左内との一騎討ちに恐怖を覚えた孫三郎は、梅安を残して逃走。それを追う梅安は、縁日で買い求めた風車の軸を孫三郎の首に打ち込んだ。 そして伊勢屋に押し込む松十郎一党に、待ち構えていた半右衛門と一党に紛れ込んだ左内が立ち向かう。 松十郎一党を殲滅した半右衛門は、お八重に目を覚ますよう忠告した。 後日、松十郎一党壊滅劇は盗っ人一味の仲間割れということで片が付き、煙草屋殺人事件も松十郎の仕業として奉行所に処理されたという。
【鳥越の松十郎の一言】
「ま、待ってくれ!待ってくんな!俺が、俺が悪かった!もう二度とやらねえ!嘘じゃねえ!嘘じゃねえんだ!俺が悪かった!勘弁して!この通りだ!なあ、嘘じゃねえ!もうやらねえ!もうしません!お願いだ!勘弁してくれ!勘弁してくれ!お願いだ!命だけは助けてくれ!」 【次回予告】 甲州平16カ村の運命を担って、直訴に及ぶ百姓。死への恐れと愛の絆にうち震えながら、果たしてその訴えは成功するのだろうか?次回の必殺仕掛人「命かけて訴えます」に、是非御期待下さい。 【キャスト】
西村左内/林与一 藤枝梅安/緒方拳 千蔵/津坂匡章 万吉/太田博之 同心留中孫三郎/寺島達夫 堅川の寅/田端猛雄 お小夜/渚まゆみ お八重/赤座美代子 伊勢屋卯左衛門/阿木五郎 みささびの安/松田明 国太郎/中村豊 岡っ引喜八/遠山二郎 下っ引専太/樋口史昭 与力/邦保 鳥越の松十郎/津川雅彦 おくら/中村玉緒 音羽屋半右衛門/山村聡
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