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第35話 飛技万才踊り攻め
浅草の香具師の元締、雷門の大五郎。その雷門一家の代貸し鉄次が、縄張りの芸人たちからショバ代を回収してまわっていた。 江戸へ出てきたばかりの三河万才芸人つる吉・かめ三親子にも鉄次の魔の手が伸びるが、たまたま通りかかった主水のおかげでようやく難を逃れた。 そんなつる吉・かめ三親子が、今度の仕事の依頼人となる。殺る相手は雷門大五郎。 10年前にショバ代を払わなかったためにつる吉の妻おまつを殺された恨みを晴らして欲しいらしい。 主水は加代に命じて、つる吉・かめ三親子に往来でおまつが殺されたいきさつを演じさせる。 ショバ代代わりにおまつをさらった大五郎は、おまつを散々いじめ抜いたあげく吉原に売ろうと企むが、おまつがつる吉と共に逃げようとした途端いともあっさり殺してしまった。 芸人から金を巻き上げることに執着する大五郎の悪事は露見した。 そんな矢先、鉄次は物価上昇を理由にショバ代の値上げを芸人に通告する。どう考えても便乗値上げである。 そこまでされて何故芸人たちはこんな悪どい大五郎の縄張りから逃げ出そうとしないのだろうか? 調査を開始した主水たちは、雷門一家のショバ代の取り立てのせいで芸人たちが通行手形をも手放さざるを得なくなると言う現実を直視した。 そして大五郎が寺社奉行所大検使岩村典膳と結託していることも明らかになる。 芸人吉三郎も雷門一家にショバ代が払えないために、妻おはまを一家直営の女郎屋に売り飛ばされていた。 吉三郎はおはまの足抜けを決意、それにかめ三も手を貸すが、どういうわけかその事が一家に知れていたらしく作戦は失敗。吉三郎は殺され、かめ三は一家に捕らえられてしまった。その後、おはまも自害する。 この事件を口実に雷門一家に乗り込んだ主水は、大五郎に揺さぶりをかける。 そこで主水が吉三郎殺しの調書はデタラメだと発言したことから、寺社奉行所から厳重な抗議と例の事件の調書が主水に送りつけられた。 主水はその調書を読んで、10年前のおまつ殺しも岩村が真相をうやむやにして処理されたものと確信する。 一方、芸人宿尾張屋に潜り込んでいた加代は、芸人文吉と尾張屋主人与兵ヱが大五郎に芸人たちの動向を密告していたことを突き止めた。 これで悪党の顔ぶれは揃った。主水はかめ三の救出をかねて雷門一家と岩村の抹殺を決断する。早くしないと芸人たちが蜂起して雷門一家に押し掛けるかも知れない。事は急を要した。 その時、涼が病いに倒れるというアクシデントが発生した。左門は治療代を工面すると美鈴に言い、殺しに向かう。 秀と左門が雷門一家を全滅させ、主水が岩村を殺害、無事かめ三を助け出した。 かくして江戸の町に再び明るい三河万才が鳴り渡るのだった。
【主水の一言】
「良い勉強をさせていただきました」 【次回予告】 恋する人を奪った謎が、聖堂の観音像に秘められている。恨みを晴らすため、歌比丘尼となって身をひさぐ女に、吉沢京子を迎えてお送りする『必殺仕事人』御期待下さい。 【キャスト】
中村主水/藤田まこと 畷左門/伊吹吾郎 秀/三田村邦彦 加代/鮎川いずみ おしま/三島ゆり子 涼/小林かおり 同心早川/早崎文司 美鈴/水本恵子 雷門大五郎/大前均 岩村典膳/山本昌平 田所十内/田淵岩夫 鉄次/岡本忠幸 鬼崎/喜田晋平 吉三郎/小田草之介 手品師/大橋壮多 文吉/柳川昌和 やよい/石屋智子 おまつ/宮本毬子 与兵ヱ/伊波一夫 おはま/岩崎美也子 芸人/沖ときお、倉谷礼子、森山秀紹 かめ三/江戸家小猫 つる吉/江戸家猫八 せん/菅井きん りつ/白木万理
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