勘定方の安部佐馬之助が秀に殺された。
体の弱かった佐馬之助は当初病死だと思われていたが、佐馬之助の兄で火盗改役人の安部弥十郎と配下八田勝之進はすぐさま殺しであると見抜いた。
佐馬之助は弥十郎に命じられて勘定方から金を横領していて、それを目撃した同心小谷を抹殺していた。
その小谷の妻菊が殺し屋に頼んで佐馬之助を殺させたのだと推測した弥十郎と八田は、密偵源次に菊を見張らせることにした。

その頃、南町奉行所では蔵の壁から白骨化した遺体が発見されて大騒ぎ。
第一発見者として遺体の身元を調べることになった主水は、三年前に盗賊を追って江戸を出たきり音信不通となった小谷こそ遺体の正体ではないかと考えた。
菊の依頼を受け佐馬之助を殺したまでは良かったが、もしこの遺体が小谷だとしたら巡り巡って佐馬之助殺しが露見するのではないか。そんな不安が主水たちによぎる。

菊が上総屋にやって来た。菊を依頼人だと知らないおしまと、おしまを仕事人だと知らない菊。
やがて菊が何かを思いつめていると感じたおしまは、菊に木更津のお助け地蔵の事をしゃべった。
だがその話は、菊を尾行していた源次にすべて聞かれてしまった。
その後、弥十郎は菊を殺害し、佐馬之助を殺した仕事人に関係ある上総屋を源次にマークさせる。

このままでは仕事人の素性がバレてしまう。主水たちはおしまを木更津に返そうとするが、それより早くおしまが弥十郎たちに捕らえられてしまった。
おしまが連れてこられた先は火付盗賊改方の役宅。おしまは弥十郎と八田に激しい拷問を加えられる。

主水たちは、おしまが口を割るより先に、おしまを役宅から救出しなければならない。
過去に役宅に忍び込んだ男の調書を主水が調べ上げ、左門・秀・加代が役宅への潜入を果たし、八田と源次を抹殺、おしまを救い出した。
そして主水も安部家の屋敷に上がり込み、弥十郎を自害に見せかけて殺害する。

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