影太郎の目の前で、夜鷹と客に向かって矢が放たれ瞬時にして多くの命が奪われた。
久貝道場師範久貝重正の息子伊織が大貫道場師範代深見久兵ヱの手引きで行った射撃練習だった。その矢は久貝道場に疑いがかからぬように、ライバルである大貫道場で使っている矢に似せて作られたもの。深見は大貫道場を見限り久貝道場に加担していた。久貝親子は、公武所弓術師範の座を巡る競争から大貫道場を排除できると喜びを隠せない。
これに対して大貫道場は、師範大貫忠秀の息子求馬が「六人張り」の弓を引いてみせることで、見事汚名挽回してみせる。それは、求馬の特訓のためにブルワーカーそっくりな練習器材を作った政の協力無くしてはなし得ないことだった。
またもや伊織による辻討ちが行われる。その場に居合わせた求馬も命を落とし、息子の死を知った忠秀は深見に抹殺される。深見は、乱心した求馬を斬った忠秀が切腹したとでっち上げ、辻射ちの濡衣を着せる。
辻討ち事件を解決して奉行所勤務に復帰しようとしていた主水だったが、辻討ちで殺された仲間たちの恨みを晴らして欲しいと言う夜鷹の依頼を請け、裏の仕事で片を付けることになる。

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