その10

わしじゃ。
知ってます!
あれ、まだこの前の釣行で釣りをせずに帰ったこと、怒っとんのか?
しかし、なんだかんだと文句をいっても、
ちゃんと道場にいるのはたいしたもんだ。
いいじゃろ、今日はまじめに話をしよう。
やっとその気になってくれましたね。今日はなんの話ですか?
そうじゃな、とりあえず・・・。
ふむ、とりあえずと言えば、"パイロットフライ"じゃな。
飲みに行って、「とりあえず、ビール。」と同じじゃ。
まじめに、その気になってますか?
なっとる、なっとる。

釣り場に着いて最初に使うフライ。"パイロットフライ"。
それは、ほとんどの釣り人が自分にとって、過去に最も実績のあるフライを使う。
特に管理釣り場の場合、マッチザハッチはあまりないからな。
最も実績のあるフライ、つまり、釣れないフライではない。
朝一番はプレッシャーが低いので、ただでさえ釣れる。
だから、結果として、やはりそこそこ釣れるんじゃ。
釣れるので、次の釣行も必ずそのフライをパイロットとして使う。
---という好循環になるんじゃ。

はあ。好循環ねえ。
しかしフライが素晴らしくいいフライとは限らないじゃろ。
それに、釣れたからといって、朝一番のその釣り方やリトリーブ等が
いいとは限らないんじゃ。
そのことを自分で認識しているか否かが、
朝まずめや、最初の1時間以降の釣り方に影響するんじゃ。
朝一番の釣れたフライにこだわりすぎると、当たりが止まった時の
対応が遅れるんじゃ。
最初の当たりフライに一日固執してしまう人もおる。
そ〜かなあ?
じゃあ、 最初から釣れない時は?
えっ。
時々、グサッとくること言うな、お前。
そうゆうことを気にしてはいかん。そりゃ、修行が足りん。
じゃから、まあ・・・とりあえず、今日はここまで。
ほんとに、とりあえずっていう話ですね。
(グサッ)

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